米軍用地特措法改正案要綱(案)

 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法の一部を改正する法律案要綱(案)

第一 認定土地等の暫定使用

一 防衛施設局長は、駐留軍の用に供するため所有者若しくは関係人との合意又は日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法(以下「特別措置法」という。)の規定により使用されている土地等で引き続き駐留軍の用に供するためその使用について特別措置法第五条の規定による認定があったもの(以下「認定土地等」という。)について、その使用期間の末日以前に裁決の申請及び明渡裁決の申立て(以下「裁決の申請等」という。)をした場合で、当該使用期間の末日以前に必要な権利を取得するための手続が完了しないときは、損失の補償のための担保(以下単に「担保」という。)を提供して、当該使用期間の末日の翌日から、当該認定土地等についての明渡裁決において定められる明渡しの期限までの間、引き続き、これを使用することができるものとすること。

二 担保の提供は、防衛施設局長において、一の使用(以下「暫定使用」という。)の期間の六月ごとに、あらかじめ自己の見積もった損失補償額に相当する金銭を当該認定土地等の所在地の供託所に供託して行うものとすること。

三 防衛施設局長は、二の供託をしたときは、遅滞なく、その旨を収用委員会及び当該認定土地等の所有者又は関係人に通知しなければならないものとすること。

四 防衛施設局長は、認定土地等の所有者又は関係人の請求があるときは、損失の補償の内払として、担保の全部又は一部を取得させるものとすること。

五 防衛施設局長は、認定土地等の所有者又は関係人が担保を取得したときは、その旨を収用委員会に通知するものとするものとすること。

六 防衛施設局長は、暫定使用による損失の補償を了したときは、提供した担保を取り戻すことができるものとすること。

七 一の場合においては、特別措置法第十四条の規定にかかわらず、認定土地等の使用に関しては、土地収用法第百二十三条の規定は、適用しないものとすること。

 (第十五条関係)

第二 暫定使用による損失の補償

一 暫定使用によって認定土地等の所有者及び関係人が受ける損失(以下「暫定使用による損失」という。)については、土地収用法第六章第一節中土地の使用による損失の補償に関する規定(第七十二条第七十三条第七十四条第二項、第七十八条第七十九条第八十条の二第二項及び第八十一条の規定を除く。)に準じて補償しなければならないものとすること。この場合において、損失の補償は、暫定使用の時期の価格によって算定しなければならないものとすること。

二 収用委員会は、認定土地等について明渡裁決をする場合において、当該明渡裁決において定める明渡しの期限までの間に暫定使用の期間があるときは、当該明渡裁決において、併せて暫定使用による損失の補償を裁決しなければならないものとすること。この場合において、当該明渡裁決において定める明渡しの期限は、当該認定土地等についての権利取得裁決において定める権利取得の時期としなければならないものとすること。

三 収用委員会は、認定土地等の所有者又は関係人が担保を取得したときは、二の裁決において、防衛施設局長が支払うべき補償金の残額及びその権利者又は防衛施設局長が返還を受けることができる額及びその債務者を裁決しなければならないものとすること。

四 土地収用法第九十四条第十項から第十二項までの規定は、暫定使用による損失の補償の裁決中防衛施設局長が返還を受けることができる額に関する部分について、特別措置法第十四条の規定により適用される土地収用法第百三十三条の規定による訴えの提起がなかった場合に準用するものとすること。

五 二の裁決がされる場合を除き、暫定使用の期間が終了したときは、暫定使用による損失の補償について、防衛施設局長と暫定使用による損失を受けた者とが協議しなければならないものとすること。

六 協議が成立しないとき、又は協議をすることができないときは、防衛施設局長又は暫定使用による損失を受けた者は、収用委員会に土地収用法第九十四条第二項の規定による裁決を申請することができるものとすること。

 (第十六条・第十七条関係)

第三 施行期日等

一 この法律は、公布の日から施行すること。

二 暫定使用に関する規定は、施行日前において、駐留軍の用に供するため所有者若しくは関係人との合意 又は改正前の特別措置法の規定により使用されている土地等で引き続き駐留軍の用に供するためその使用について改正前の特別措置法第五条の規定による認定があったものについて、防衛施設局長がその使用期間の末日以前に裁決の申請をしていた場合についても適用するものとするものとすること。

三 防衛施設局長は、施行日においてその従前の使用期間が満了しているにかかわらず必要な権利を取得するための手続が完了していない土地等の暫定使用を開始した場合においては、その従前の使用期間の末日の翌日から暫定使用を開始した日の前日までの間の当該土地等の使用によってその所有者及び関係人が通常受ける損失を補償するものとするものとすること。

 (附則関係)


 出典:沖縄・一坪反戦地主会
 沖縄差別立法への反撃(反戦地主会)

 米軍用地収用特措法改悪は「有事立法」の制定である(一坪反戦地主会)
 法律案参照条文
 米軍用地特措法改悪案(全文)(沖縄タイムスへリンク)

 特措法(全文)(runnerの資料室へリンク)
沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック