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・普天間飛行場及び那覇港湾施設に係る審理(第2回目)
・伊江島補助飛行場、キャンプ・ハンセン、嘉手納弾薬庫地区、キャンプ・シールズ、トリイ通信施設、キャンプ瑞慶覧及び陸軍貯油施設、以上、7施設についての審理(第1回目)

2003年8月21日    
沖縄市民会館     

○当山会長 
   
 それでは、先ほど申し上げましたように、前回、第1回審理を行いました普天間飛行場及び那覇軍港についての求釈明が来ております。あらかじめ申請のございました方々をこれから指名いたしますので、釈明を求めていただきたいと思います。まず、三宅弁護士。

○三宅俊司(普天間飛行場土地所有者)

 求釈明しますけれども、既に求釈明申立書は、施設局のほうに渡っているんでしょうか。事前に渡っているのであれば、当然今日回答いただけると思ってお聞きします。

 まず、前回の使用裁決申請書の中で、「我が国への駐留軍の駐留は、我が国の安全並びに極東における平和及び安全の維持に今後とも寄与する」というふうに言われているんですけれども、この沖縄における基地の存在は、我が国の安全と極東における安全、これに限るという趣旨でしょうか。それでは、なぜ、嘉手納からイラクに行ったり、アフガニスタンに行ったり、イラクの人々を殺したり、アフガニスタンの人々を殺したりする米軍を許しておくのでしょうか。我が国への駐留軍の駐留の目的を、裁決申請に書かれている理由に限って申請されるという趣旨なのかどうか、明らかにしてください。

○当山会長  施設局、どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側)  
 先ほど三宅さんのほうから、求釈明の文書については施設局のほうに届いているかという話がございました。土地収用委員会のほうからいただいております。ただいまのご質問は、その中の一つ目のご質問、日米安全保障体制の果たすべき役割とされている平和と安全の維持が必要とされている地域は、我が国のほかには極東地域に限られているとする趣旨なのかというご質問と受け止めて、お答えをさせていただきます。

 ただいまの土地所有者のご質問の内容につきましては、使用の裁決の申請にあたって提出することとされております裁決申請書及びその添付書類、さらに明渡裁決の申立てにあたって提出することとされている明渡裁決の申立書及びこれとともに提出することとされております書類に記載すべき内容とはかかわりがない事項であり、また、収用委員会が権利取得裁決及び明渡裁決において、裁決しなければならないとされている事項のいずれにも該当しないものであることから、審理になじまないものと考えていることを、お答えとさせていただきます。

          (「何を根拠にしているんだ」と言う者あり)

○当山会長  三宅弁護士。

○三宅俊司 

 ちょっと待ちなさいよ。だったら、特措法に基づいて収用した土地がどのように使われても、何も文句言わない、自由に使いなさいと、こういう趣旨ですか。使用の目的、使用の条件でしょう。日米安保条約に基づいて、私たちの土地を取り上げるんでしょう。それに基づいて使われる土地は、アメリカ軍が自由に使ってもいいということなんですか。ここからイラクに飛んで行って、イラクの人々を殺したり、アフガニスタンの人々を殺したりしてもそれはアメリカの自由ですという趣旨なんですか。使用の目的でしょう。明らかにしなさいよ。

          (「そうだ」「まじめに答えろ」と言う者あり)

○当山会長  施設局、どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側)
 
 駐留軍用地特措法の法律の目的は、ちょっと読みますと、その法律の第1条に、「この法律は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定を実施するため、日本国に駐留する合衆国の軍隊(以下「駐留軍」という。)の用に供する土地等の使用または収用に関し規定することを目的とする。」というふうに書いてございます。この目的に従って、今の使用の手続きをさせていただいているということをお答えさせていただきます。

○三宅俊司 
 条文ぐらいのことはわかりますよ。条文の規定はわかりますよ。あなたたちが言っているこの使用目的……。

        (「イラクで人を殺してもいいのか」という者あり)

○当山会長  

 ちょっと待ってください。三宅弁護士のこの質問が聞こえなくなりますので。

○三宅俊司  

 条文に書いてあることぐらい、私たちも読めますよ。あなたたちが言っているのは、条文どおりのことを言って、土地を取り上げておけば、あとはそれで、勝手にどうぞ使いなさいということなんですか。形式だけ整えるために、そういう言い方をしているということなんですか。それとも、実際にこの土地については、その条文上規定されたとおりの使用しかさせないから、その範囲で取り上げるという趣旨なんですか。形式的に取り上げてしまえば、あとは自分たちは文句など言わない、米軍が自由に使って、何に使おうと構わない。そのために、形式的な問題としてこの土地を取り上げる。その取り上げる根拠は、条文に書かれた範囲内だ。取り上げた後は、私たちは知りません。そういう趣旨なんですか。そうだったら、そう言って答えてくださいよ。それでもいいですよ。

○当山会長  施設局、どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側)  

 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約の第6条に「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。」とございます。この条約の条文を実施するため、先ほど来申し上げております駐留軍用地特措法が国内法として整備をされ、それに基づき使用の申請をしているものでございます。

○当山会長 
 
 三宅弁護士、質問されるとき一応こちらのほうに向いて…。

○三宅俊司  

 形式が整えばいいということなんですか。要するに条文上の根拠に従って形式どおり申請をして、あとのことは知りませんと言うんだったら、県収用委員会を騙しているということじゃないですか。県民を騙しているということじゃないですか。あなたたちは、この土地の使用目的をどういう目的として制限をして取り上げるんですか。条文に従って取り上げるというのは分かりますよ。じゃ条文に従って運用できているかどうか、条文に規定されている以外の使用目的をした場合にはどうするんですか。取り上げるのはあくまでもこの範囲でしか使用できませんということで取り上げますというのであれば、その範囲を明確にしてくださいよ。あなたの言い方だったら条文どおりやっています、でも、形式はそうです、実態は違います。収用委員会は形式に従って騙されてください。県民にも形式どおり騙されてくださいといったことをさっきから3回も4回も繰り返しているだけですよ。

○当山会長 施設局どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側)  

 ただいまのご質問について、当初にお答えをさせていただきましたけれども、求釈明の1番目にあるご質問の趣旨だということで理解させていただきまして、先ほど申し上げたいくつかの理由によりまして審理になじまないものと考えておりますということをお答えさせていただきたいと思います。

○当山会長  

 ちょっと堂々めぐりですので、次の宮城正雄さん。次の質問。

    (「ちょっと待ちなさいよ。当山さん」と言う者あり)

○阿波根代理人(土地所有者側)  
  
 質問内容をご覧になってください。分かりやすい質問内容なんですよね。要するに…。

○当山会長  今、発言されている方は。

○阿波根代理人  

 弁護士の阿波根です。宮城正雄の代理人なんですけど。

○当山会長  

 私は顔は分かっていますけど、録音とっていますのでね。

○阿波根代理人  

 この質問第1項は、日米安全保障体制の果たすべき役割、これが我が国のほかには極東地域に限られるのかどうかということを聞いているんですよ。限られていますか。限られていませんかということを、審理になじまないと言うんじゃ、これはイエスかノーかだけですから。これはまさに審理になじむことであって、審理になじむことだから、申請理由の中に書いてあるんですよ。わざわざ。あなたたちが書いているんですよ。申請理由の中に述べているわけですから、これは限られるという意味ですか、そうじゃないですかということを、イエスかノー。単純な答えです。答えさせてください。

○当山会長  施設局、どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側) 

 大変恐縮でございますが、先ほど来お答えしているとおりでございます。

          (「当山さん、イラクは極東か」と言う者あり)

○当山会長  

 結局、同じ答えしか出てきませんので。宮城さん。

          (「それでもいいんだよ」と言う者あり)

○城間勝(普天間飛行場土地所有者)  

 普天間地主の城間ですが、関連して今の件について聞きますが、今言っているこの質問については、使用裁決申請理由の3行のところに書いてあるんです。皆さんが書いてあるんです。「我が国への駐留軍の駐留は、我が国の安全並びに極東における平和安全の維持に今後とも寄与するものである」と。皆さん方はそう書いてあるわけです。その書いてあることに対して、私たちは、我々の土地が基地として使われて、この日米安保体制の要として使われようとしているから、この範囲についてはどこまでなのかと聞いているんです。当然のことじゃないですか。我々地主がそのことについてどういう使われ方をしているかと聞くのは当然のことじゃないですか。その範囲を聞くのは当然じゃないですか。皆さんが言っていることなんだよ。明らかにしてください。

    (「あんた方は痛くもかゆくもないからな。答えなさい」と言う者あり)

○当山会長  

 先ほど、言いましたけれども、先ほどから聞いていて全く同じ答えと、同じ質問なんですよね。

○城間勝  

 関連して今の件で聞きますが、私たちの沖縄の基地は皆さんご承知のように、今、アフガニスタンや、そしてイラクへも行っているわけです。このアフガニスタンとイラクに行っているんですが、ここは極東の範囲ですかということで質問します。答えてください。

○当山会長  施設局、どうぞ。

     (「答えなさいよ」「地図広げればすぐ分かるだろ。ちゃんと歴史で習ったろ。メソポタミアは極東か。恥ずかしくないか。長官連れてこい」という者あり)

○当山会長  進行もさせながらやりましょうよ。

      (「これは今、1番肝心なところだのに」という者あり)

○当山会長  これは今調べているんでしたら、調べさせましょう。だから、宮城さん、
 途中質問…。

    (「こんな頭の悪い人、ここに連れてくるな」という者あり)

○当山会長  次の質問いっていただけますか。

    (「俺の土地返せ。そうしたら文句いわんよ」という者あり)

○当山会長  はい、どうぞ、施設局。

○大澤施設部長(起業者側)    

 ただいまのご質問は、安保条約の6条にいう極東の範囲についてご質問があったかと思います。安保条約上の極東ということにつきましては、日米両国が平和安全の維持に共通の関心を有している区域であり、この意味で実際問題として両国共通の関心の的となる極東の区域は、この条約に関する限り、在日米軍が日本の施設及び区域を使用して武力攻撃に対する防衛に寄与しうる区域ということでございます。かかる区域については大体において、フィリピン以北、並びに日本及びその周辺の区域ということであるということは、本政府の統一見解で示されているとおりでございます。以上、お答えいたします。

○当山会長  三宅弁護士。今のでよろしいですか。

○三宅俊司   

 説明受ければ受けるほど意味がよく分からないんですけれども。イラクやアフガニスタンは極東なんですか。

○当山会長  施設局、どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側)  ただいまの点につきましては、先ほどお答えしたとおりでございます。

○三宅俊司   

 釈明の対象にならない、審議の対象にならない。説明するのは形式的な説明だけ。具体的な説明は何もなし。あとは形式的な説明を適当に解釈して、具体的な例は説明とは全く違う結論が出ているのが今の現状でしょう。どうして今のあなたが説明した極東の範囲内にイラクやアフガニスタンが入るんですか。そういう目的のために現にこの基地が使われているじゃないですか。この使われている土地を取り上げて使っているじゃないですか。だから、この目的の阿波根先生が言われているように、この基地を提供する目的は我が国のほかに極東の地域の安全の維持のために限られるんですか、そうではないんですかと、これだけのことですよ。そこを答えてくださいよ。今、明らかに極東の範囲を説明したんですから、この基地の提供はその地理的な範囲に限られますというふうに答えればそれでいいことですよ。

○当山会長  施設局、どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側)  

 先ほど、駐留軍用地特措法の目的についてお答えをいたしました。ただいまのご質問についてもそのお答えと同様でございますことをお答えいたします。

○三宅俊司   

 そんなに上司が怖いんですか。あなたの発言によって国の方針が変わってしまったら怖いんでしょう。あなたたちが言っている裁決理由書の中に、「我が国の駐留軍の駐留は、我が国の安全並びに極東における平和及び安全の維持に今後とも寄与するものである」という、そういう申請理由は書かれている。極東の範囲については、あなたは今、政府の統一見解として、フィリピン以北だという説明をした。そのうえで裁決理由に書かれている我が国及び極東の安全という極東は、そのフィリピン以北に限られるのかどうかという説明をしなさいということですよ。それだけのことですよ。あなたの今までの答えを結びつけていったら、沖縄の基地はフィリピン以北の極東に限って適用される基地だということになるでしょう。そうだったらそうだというふうに答えなさいよ。

○当山会長  施設局、どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側)  

 今回、裁決の申請をさせていただいております土地につきましては、先ほど来申し上げておりますように、駐留軍用地特措法第1条の目的に書いてございます目的で使用させていただく土地でございます。

○当山会長  そろそろ次の質問にいきませんか。

      (「そういうふうに形式的なからまわりで、手続きをどんどん進ますなよ。こういうのが民主主義というのか」と言う者あり)

  三宅弁護士、どうぞ。

○三宅俊司   

 特措法違反の、安保条約違反の使用を認めることを前提として土地を取り上げるのであれば、これは裁決申請自体、違法ですよ。明らかに、使用目的違反の利用をすることを前提としてこの裁決申請するのであれば、この申請は却下されるべきです。目的外使用を目的として、形式的に目的の範囲内で申請するというならば、これは違法な申請ですよ。真の目的を隠して、形式的に条文に基づいて、形式だけを整えて申請しているわけですから、違法な申請ですから、直ちに却下してください。

              (「そうだ」と言う者あり)

○当山会長  今のは、収用委員会への意見ですね。

○ 三宅 そうです。

○当山会長  皆さんのご意見は、ちゃんと拝聴しますので。次の宮城正雄さん、いきましょう。

     (「手続きだけ進めるな。手続きだけ進めれば民主主義だと思っているのか」と言う者あり。

  宮城さん。

○宮城正雄(普天間飛行場 土地所有者)  
  
 今の問題と関連して、この使用裁決申請の冒頭に、この重要な問題が出てきているんですね。私は、契約の問題で釈明を求めようと思っているんですが、これを防衛施設局が、申請をしておいて答弁もできない、説明もできない、持ち帰って検討するということもできない。これは、何ですか、法治国家ですか。この使用裁決の申請理由の冒頭に、「日米安全保障体制は、我が国を含むアジア・太平洋地域の平和と安定にとって必要不可欠の枠組み」。「アジア・太平洋」という文言が出てきておりますね。そして、先ほど指摘されましたように、インド洋にも、中東にも、イージス艦やあるいは米艦船に給油をやる。こういうことも行われているわけです。ですから、今、説明がありましたが、極東という範囲を、これをはるかに越えて、実際には地球規模で日米安保条約が動き出している。これが実態です。こういった問題について、「極東の範囲」と言い張って、納得できる説明もできない。自分たちが書いておいて、納得できる説明もできない。説明が今できなければ、持ち帰って検討するという約束もできないんですか。一言、答弁をお願いしたいと思います。

○当山会長  宮城さん担当の質問事項と違うわけですね。

○宮城正雄  

 私は、これは冒頭に出てきていますからね。これを解決しない限り、私の質問はできない状況に追い込まれているんですよ、今。

○当山会長  それでは、ちょっと膠着してしまいましたので。

○宮城正雄  答弁を求めてください。

○当山会長  ここで休憩を入れます。収用委員会で審議をしますので、ちょっとお待ちください。

                         (午後2時 4分 休憩)
                         (午後2時24分 再開)

○当山会長  

 それでは、審理を再開いたします。ご着席ください。先ほど来、質問の第1の項目でとどまっておりますが、この点につきまして施設局のほうで、これ以上の何らかの答えができるかどうかについて、ここでそのまま終わらせるのではなくて、検討していただきたいというふうに思います。ひとつそれを持ち帰って、どういうお答えができるか検討していただけませんか。

○大澤施設部長(起業者側) 
 
 ただいまの会長のお話については、そのとおりにさせていただきたいと思います。持ち帰って、検討させていただきます。

○当山会長 
 
 そういうことで、次の質問に移りたいと思いますので、宮城正雄さん、よろしくお願いします。

○宮城正雄 
 
 私は、使用裁決の申請理由の中の賃貸借契約に関して、防衛施設局に釈明を求めたいと思います。賃貸借契約の問題について、それを中心に、それと関連する幾つかの重要な問題について絞って行います。まず、この申請理由書の中ほどにあるんですが、「常々、土地所有者との合意に努めてきたが」云々があります。その中で、一つには−坪共有地の問題、もう一つは未契約地主の土地の問題。二通りありますが、一坪共有地問題については、最初から話し合いをもたない、もってない。決めつけているんですね。これは法治国家として差別であり、絶対許せないと思うんです。もう一つは、一坪共有地主については、そういうことであるんですが、いかにも未契約地主については、親切丁寧に契約に努めてきたという印象を与えるような内容になっております。この点について、常々いかに努力をしてきたのか。その点が一つでありますが、例えば私の所有する土地について、平成14年9月2日に期限が満了になる土地でありますが、その土地について、常々どのように努力をなされてきたのか。いつ、だれが、どこでというふうに、具体的に釈明をしていただきたいと。これが第1点であります。

○当山会長  施設局、どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側)   
 
 ただいまのご質問につきましては、質問の2番目の項目。賃貸借契約の合意に努めてきたとあるが、普天間飛行場の宮城正雄の土地についていかなる努力をしてきたのかということで、お答えをさせていただきます。
 
 宮城正雄氏所有の土地につきましては、平成13年10月30日の使用裁決及び明渡しの裁決によりまして、平成14年9月2日までの使用権原を得たところでありますが、当月3日以降の使用については、同裁決の日(平成13年10月30日以降)の期間につきまして、平成13年12月18日並びに平成15年3月3日の2回にわたりまして、直接、宮城正雄氏宅を訪ね、賃貸借契約に応じていただけるようお願いをしたところであります。宮城正雄氏からは、賃貸借契約についてご理解がいただけなかったということでございます。

○当山会長  宮城さん。

○宮城正雄 

 収用委員会のほうで、前回、境界不明地ですね。地籍不明地については却下するということが行われて、その後、米軍特措法が改悪されて、裁決としては約4年間、使用期間が裁決されたわけであります。この期限が、平成14年9月2日なんですが、それ以前には、私が記憶している防衛施設局から来たというのは1回きりであります。これは、契約が満了する直前に、私は夕方、畑から帰ってきて、まだ洋服も着替えない薄暗いときに、若い青年が私の家の近くに来て、「宮城正雄さんですか。軍用地の契約期限切れで、契約してくれませんか」と立ち話です。私は、夕方遅くまで仕事して、夕暮れになって帰ってきて、この人がそういうふうに質問した。この記憶以外にはありません。ですから、契約満了期限切れの直前になって、この若い青年がこういう調子で来たことは覚えております。ですから、その証拠にといいますか、この期限切れの前に、期限は平成14年なのに、平成12年度から使用権原取得の手続きを既に始めているんです。ですから、まだ期限も2年余りあるのに、もう使用権原取得の手続きを開始しているということは、常々、合意に努めてきたとは到底言えないのではないでしょうか。実際は、地主の意志を無視して、アリバイ的ではないかという、私はそういうふうに思いました。
 
 ですから、実際には、常々、地主の合意に努力をしてきたということはないわけであります。契約満了間近になって、あわてふためいて若い人が1人来て、さっき言った調子で来ているわけであります。それについてもう一度、何月何日、詳しく釈明していただきたい。先ほど話しました、若い人が夕方来たという問題については、知っているのか、知っていないのか。それも含めて、釈明をしていただきたいと思います。

○当山会長  施設局、どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側)    

 先ほど、お答えをさせていただきましたように、私どもの記録を見ますと、14年9月2日までの使用権原を得られた平成13年10月30日の裁決以降の期間につきまして、平成13年12月18日、平成15年3月3日の2回、宮城正雄氏をお尋ねして、賃貸者契約に応じていただけないかというお話をしたということでございます。

○当山会長  宮城さん。

○宮城正雄  

 契約満了直前に若い青年が来たというものについては何の釈明もなさっていないですが、それは記録にないんですか。

○当山会長   

 施設局、どうぞ。施設局のほうも答える方、同じ方でしたらお名前言うのはもう結構です。

○大澤施設部長(起業者側)  

 ただいま、その件について詳しい資料を持ち合わせておりませんので、お答えはできかねるということでございます。

○当山会長  宮城さん。

○宮城正雄 

 2回については記録されているが、あとの契約満了直前のものについては記録がないというのはちょっとおかしいですね。私が会ったのはその1人以外には直接会った記憶はありません。こういうふうにして、彼らが書いたこの文書の中には常々、地主と合意が得られるように努めてきたというのはこれは事実と違う、こういうことを指摘しておきたいと思います。

  それから、使用方法についてであります。使用方法についてはこれまでと何ら変わることはありませんか。つまり、普天間基地の使用方法について、これまでと変わったことがあるのか、変わったことがないのか、これについて説明していただきたい。

○当山会長  

 今の宮城さんのご質問は、文書でいただいた質問事項の9番にあたりますね。あらかじめいただいた9番ですよね。それも一括でご質問なんですね。

○宮城正雄 

 これはですね、次の質問との関連でイエスか、ノーかで答えていただきたい。

○当山会長  

 イエスか、ノーかで。イエスか、ノーかですか。同じかどうかという…。

○宮城正雄 

 前と同じ使用目的といいますか、内容ですか。そうでないですかということです。

○当山会長  分かりました。施設局、どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側)   

 ただいま会長のほうからも釈明をいただいている事項の9番目にかかわる事項かということがございましたけれども、その9番目の事項としてお答えをさせていただきたいと思います。
  
 普天間飛行場の具体的使用方法、飛来する機種及びその数を明らかにされたいということとの関係でご質問があったと思いますので、お答えをさせていただきますが、普天間飛行場は飛行場とする使用目的でアメリカ合衆国が使用を許される施設及び区域として提供されているものであります。その運用管理などについては、アメリカ合衆国が行っているため、その詳細については承知をしておりません。なお、本年、裁決申請にかかる土地の使用方法について、本年の3月13日の公開審理において、日本国に駐留するアメリカ合衆国の軍隊が使用する普天間飛行場の着陸帯敷地、保安緩衝地帯用地、進入灯敷地、隊舎敷地、及びエンジン調整諸敷地などとご説明したとおりでございます。

○当山会長  宮城さん。

○宮城正雄 

 詳しいこの間題については、あとで別の人からやるんですが、私はここで聞いているのは、普天間基地の使用条件について変わったのか、変わってないのか、今の説明からすると変わってないという前提で話を進めたいと思います。

 この申請書には、平成14年9月2日から向こう10年間新たに使用したい。申請はしてあります。10年間です。そうしますと、これは先の平成10年5月19日に収用委員会が裁決をした約4年間ですね。平成14年9月2日までの約4年間の2.5倍に相当するわけであります。10年間といいますとですね。
  そして、今、宜野湾市では、行政の問題についても、基地に反対する市政に変わりました。また、人間が安心して暮らせる日々を返せという爆音裁判も起こっております。さらに、マスコミ報道でも明らかのように、爆音問題、県当局が騒音の問題について米軍の司令部に申入れをする。こういう事態も起こっているわけであります。ですから、私がここで指摘したいのは、SACO合意との関連で、5年ないし7年に返還するという最終合意がなされたときに、その返還の理由の重要な一つは、普天間基地は危険だから新たに基地をつくって向こうに移そうということが、当時の総理大臣をはじめ政府が強調してきたことであります。普天間基地は危険だから返還をするということでありました。私は耳を疑いました。今まで普天間基地の危険というのを一言も言ったことのない政府が、普天間基地は危険だと、宜野湾市民は最初から基地は危険であり、爆音に反対してきた。政府に届くには58年もかかったのかと思いました。そう思いきや、期限も切れて7年の期限も切れて、危険の問題はぴたりと止まって一言も言わない。やはり、何かの大きな野望、ねらいがあったとしか思えない。
  私がここで指摘したいのは、本当に危険であったというのであれば、危険で移設するということであるのであれば、収用委員会が裁決した4年間の2.5倍の10年間も新たに使用するということは絶対に認められないし、そういう数字は出てこないと思うんです。ですから、この普天間基地の危険性の問題について、使用条件は同じでありますから、先ほど述べたように県当局さえも騒音問題で司令官に申し出るぐらい、基地の騒音はひどくなっている。

 先ほどの答弁で、使用条件も同じだということがありましたが、この安全対策、危険防止対策を具体的にとったかどうか。危険な基地を新たに10年使用するからには、安全対策、危険防止対策は当然とられていると思うんですが、具体的にそういう対策をやられているのであれば釈明をしていただきたいというふうに思います。

○当山会長 
 
 すみません、宮城さん、ちょっと待ってくださいよ。求釈明事項に今の安全対策云々というのが項目として挙がってないんですよ。きょう新たな質問という趣旨で捉えてよろしいですか。

○宮城正雄 

 私は、契約の問題と関連をして話をしているんですが、もし新たな問題としてであれば、それでも構いません。

○当山会長  

 今、それに関連しての質問だが、答えられるかという趣旨ですね。

○宮城正雄 そうです。

○当山会長 はい、施設局、どうですか。

○大澤施設部長(起業者側) 

 ただいまの件につきましては、本日この場で具体的にお答えすることが難しいと思いますので、改めて求釈明の形で整理をしていただければ、次回の会合でご説明をしたいと思います。

○当山会長  

 それじゃですね、宮城さん。これまた弁護団の皆さんとも相談されて、新たな質問、要するに答えやすいように質問事項を、あらかじめ出していただけますかね。きょうすぐには答えられないと思います。それは。

○宮城正雄 

 持ち帰って検討するということですから、次回に答弁をするとか、そういう処理の仕方もあると思うんです。

○当山会長  

 そうですね。そういう求釈明の追加があればですね、相談されて。一応、文書で収用委員会にあげていただけますかね。

○宮城正雄 

 はい、分かりました。それでですね、来年の3月にはまた公開審理が行われるということでありますから、きょうは求釈明でその程度に終わりますが、3月段階で私も意見陳述をやりますから、その場合にはやはり時間をとっていただきたい。ご協力をお願いしたいと思います。以上で終わります。

○当山会長    

 それでは、第3項目に入ります。これは長嶺さん、城間さん、双方から申請ありますが、どちらのほうを先になさいますか。はい、長嶺さん、どうぞ。

○長嶺律雄(普天間飛行場土地所有者)    

 私は、普天間の地主でもありますけど、嘉手納基地の地主でもあります。嘉手納基地については来月2日には期限切れますけど、本来、公開審理も終わり裁決しておかなければいけない問題だと思いますけど、まだ提起さえされていません。そのために嘉手納基地の問題も含めまして、ほんのちょっとですけど求釈明を求めてそれから意見も含めて述べていきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

○当山会長  

 まだ、こちら審理の対象になってないのを、こちらのほうメモすらできないんですよ。

○長嶺律雄 

 いや、過去の例から言いまして、釈明の、申請理由は大体同じだということは大体推定できると思いますので。

○当山会長 
 
 これ普天間基地と関連してお聞きになってください。「嘉手納」と言われると、こっちは「はい」と言いにくいので、収用委員会もやりやすいようにおっしゃっていただけますか。普天間基地に関連してお聞きになってください。

○長嶺律雄 

 はい、わかりました。土地収用法第47条3項ですけど、改正されて、条文が変わったかどうかわかりませんけど、第47条3項で、起業者、すなわち今回は防衛施設局でありますが、「一切の任意交渉をしないときは、原則として却下事由に当たる」と明確に規定されています。ところが、起業者である施設局は、裁決申請の中欄で、「一坪反戦地主会に所属する方々等のいわゆる共有地主に対して、その会の設立目的や活動内容等から、客観的に見て当該所有者との合意による使用はその実現性がないものと判断し、賃貸借契約についての話し合いはしていない」と言っています。私は、強制使用認定のとき提出した意見書の中でも、常々、事前の任意交渉を行えと要求してきました。また、施設局との意見提出のための交渉においても、あらゆる機会を捉えては一坪反戦地主会の会員の皆様は、現在の社会構成上あらゆる階層の人々がおり、その思想も種々雑多の人々であり、それぞれが個性と人格を持っています。したがって、任意交渉は必ず行ってくださいと要求してきました。

 一坪反戦地主会の会員には、だれ一人としてコピー人間はいません。また、一坪反戦地主会の組織構造の中には、指令、命令、指示という会員の行動を規制するものはありません。会員の個々の人間性、良心に委ねています。したがって、防衛施設局に対する会員の対応は、決して一切に同一対応するのではなく、会員個々により異なってきます。そのことは、実態的に施設局自身がよく知っていることと思います。なぜ、一坪の会員だということだけで、任意交渉はやらないのですか。もっと詳しく交渉しない理由を説明してください。交渉しないで、一方的に強制使用認定、強制使用申請するのは、一つの差別的な行政行為です。このことは、憲法で保障された結社の自由を侵害していませんか。お答え願います。

○当山会長  施設局、どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側)  

 まず、ただいまのご質問の中に、土地収用法の第47条の第3項に該当するという答えがございました。私、ただいま土地収用法の規定を見てございますけれども、もしかすると、違う条項なのかと思いますが、第47条には却下の裁決という条項がございまして、そこにはこういうふうに規定してございます。
 
 「収用又は使用の裁決の申請が、左の各号の一に該当するとき、その他この法律の規定に違反するときは、収用委員会は裁決をもって申請を却下しなければならない」。1、2とございまして、「申請に係る事業が第26条第1項の規定によって、告示された事業と異なるとき」。2といたしまして、「申請に係る事業計画が、第18条第2項第1号の規定によって、事業認定申請書に添付された事業計画書に記載された計画と著しく異なるとき」というふうにございます。少なくとも、ただいまのご質問については、この条項のいずれにも当たらないものだというふうに考えております。そのことを、まず申し述べたいと思います。

 次に、ご質問ありました3項目に関連した事柄についてお答えをさせていただきます。私ども、公共の事業の用に供する用地等の取得にあたっては、土地所有者等の方々と合意により取得することが望ましいものと考えております。しかしながら、土地所有者等の方々の言動や活動などから、合意を得ることが不可能と客観的に明らかである場合にはこの限りではないというふうに考えております。いわゆる一坪共有地主の皆様につきましては、戦争に反対し、軍用地を生活と生産の場に変えていくことを目的とする−坪反戦地主会に所属され、契約拒否運動を拡大する等の活動を行っている方々。さらに、その活動に共感した方々というふうに承知をしております。使用についての合意が得られる見込みがないと客観的に判断されるため、契約交渉は行っておりません。

 なお、駐留軍用地特措法におきまして、その規定の多くを適用しております土地収用法は、昭和42年の法律第74号による改正におきまして、その改正前に第40条にございました、ちょっと読みにくうございますけれども、「土地細目の公示があった後、起業者はその土地について権利を取得し、または消滅させるために、土地所有者及び関係人と協議しなければならない」という規定がございました。いわゆる、法定協議という規定でございますけれども、これが先ほど申し上げました、昭和42年の法改正によって廃止をされておりますことから明らかなとおり、法制度上、起業者は事前に協議を義務づけられておりません。協議をすることなく、裁決申請をできるというふうにされていること。また、先ほど申し上げましたように、合意が得られる見込みがないと客観的に判断をされますことから、裁決の申請において、土地所有者等の方々との合意交渉を行わなかったことが不適法とされるものではないというふうに考えております。以上でございます。

○当山会長  長嶺さん。

○長嶺律雄 

 私は、結社の自由から、今、一坪反戦地主会に属しているというだけで、交渉しないというのは結社の自由を侵害していませんかと聞いているんですよ。思想信条の自由を含めまして。それと、今のお話を聞きますと、収用委員会が普天間の前回の裁決の文書の中で、「当収用委員会は、企業者が一切の任意交渉をしない場合には、原則的には却下事由に該当するとの立場をとる」という文言があります。前回の普天間の4年間の裁決決定をした下りの文章です。この事項も無視するということですか。

○当山会長  今のご質問、そこまででいいですか。

○ 長嶺律雄 はい、今の答弁に対してのです。

○当山会長  施設局、どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側)    

 まず、その結社の自由との関係でございますけれども、私どもはその契約交渉を行わないことが、結社の自由云々ということについて何らの阻害をしているものではない、あるいは妨害をしているものではないというふうに考えております。そのことを、まずお答えをいたします。

 それから、これは土地収用法の解説でございますけれども、土地収用法の小澤道一さんという方が書かれた解説の中に、「起業者は、土地所有者、関係人と一切の任意交渉をすることなく裁決の申請をすることができるか」という仮設の設問を行いまして、これについての解説が書いてございます。その中を読みますと、「前述のとおり、法定協議制が廃止されたという経緯から見て、これを可能とする見解もあり得るが、元来、収用とは権利者の意思に反する権利の取得及び消滅をいうものであり、また、本法にも斡旋・和解及び協議の確認という任意取得を推奨する制度が置かれている趣旨から見ても、設問については消極に解すべきものと考える。ただし、権利者を覚知し得ない場合や被所有者の言動から見て、任意取得が不可能であることが客観的に明らかであると認められる場合は、この限りではない」というふうに書いてございます。私どもは、こういったことから見て、おっしゃられるようなことには当たらないというふうに考えております。

○当山会長  長嶺さん、どうぞ。

○ 長嶺律雄 

 防衛施設局は、私たちの会員は2千数百人います。それぞれ個々の会員の言動について、どういう根拠に基づいて判断しているんですか。私は、種々雑多な人間がいますということを言ったんですけど、一例を挙げます。名護市長の岸本建男氏は、新聞でも一坪会員だということを明確に表明しています。彼との交渉はしたんですか。別のことを聞きますけど、彼の就任後、防衛施設局は名護市の土地と契約したことありますか。ありませんか。

          (「岸本市長と契約したのか」と言う者あり)

○当山会長  施設局、どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側)  

 ただいま普天間基地の土地について裁決の申請をし、そのことについて審議をいただいているところでございます。この土地について、−坪共有地主の皆様につきましては、先ほど来ご説明といいますか、私が申し上げました、その軍用地を生活と生産の場に変えていくことを目的とするその地主会に所属され、契約拒否運動を拡大する等の活動をされており、あるいはその活動に共感された方々というふうに承知をしておりますので、そういった方々については、契約交渉は行っておりません。

○当山会長  長嶺さん。

○長嶺律雄 

 確認したいんですけどね。今年誕生した伊波洋一市長も、県議会の中で−坪反戦地主ということを、立場を明確にしまして市長になっています。皆さんは、宜野湾市の市有地との契約書、名護市の市有地との契約書はありませんか。答えてください。

○当山会長  施設局、どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側) 

 本日行われております審理は、普天間飛行場の土地について審理をされているものだというふうに理解をしております。したがって、普天間基地の一坪共有地主の方々についてお答えをすれば、先ほど来申し上げてますように、契約交渉は行っておりません。

○当山会長  長嶺さん、どうぞ。

○長嶺律雄  

 私は、任意交渉の中身を聞いているんですよ。その一例として挙げているんですよ。名護市の市有地について契約書があるということは、任意交渉をしたということではないですか。そのほうを確認したいために、今聞いているんですよ。

○当山会長  

 長嶺さん、ちょっと待ってくださいね。我々も理解がしにくいので。普天間基地に、名護市有地があるという趣旨ですか。

○長嶺律雄 

 違います。一坪反戦地主について、「一切任意交渉をしない」と言ってます。非常に差別的な対応をしています。じゃ、名護市長も一坪反戦地主の会員です。

○当山会長  名護市長ですね。

○長嶺律雄  はい。

○当山会長  それは、普天間基地の一坪反戦地主ですか。

○長嶺律雄  

 いや、嘉手納基地か普天間基地か、調べないとはっきりわかりませんけれども、−坪反戦地主の会員です。今、向こうの言っていることは、この審議の中身は普天間基地についての審議ですけど、一坪会員とはとにかく事前交渉は一切やりませんという言い方をしているわけです。その言動から見て。

○当山会長  

 長嶺さんは、ご存じですか。名護市長が、普天間基地の地主かどうか。

○長嶺律雄  ちょっと、そこ確認してません。

           (「関係ないじゃないか」と言う者あり)

  とにかく、普天間基地についての申請文書ですけど、一坪の反戦地主とは「任意交渉はしない」と言っているわけです。

○当山会長  

 もし、普天間か嘉手納かわからないけど、どっちかの地主であるというんであれば。

○長嶺律雄  間違いありません。

○当山会長  

 そうであれば、その件について調べてもらって、次回、3月は嘉手納も入りますので、そのときにお答えいただいたらどうですか。今の件ね。

○長嶺律雄  

 よろしいですよ。じゃ、私の質問も次回までに答えてくれませんか。

○当山会長  どうですか、施設局。

○長嶺律雄  

 宜野湾市有地と名護市有地との契約はありませんかと。

○大澤施設部長(起業者側)  

 ただいま会長から、岸本名護市長の土地について嘉手納か普天間のいずれかの一坪共有地主であるかどうか確認の上、ご質問を用意していただくという整理をさせていただいて、先ほど来ずっと申し上げていることと関連ございますけれども、求釈明の形で文書でご質問いただければ、次回の会合でお答えをしたいと思います。

○当山会長  

 じゃ、それも質問事項の追加で、ひとつよろしくお願いします。

○長嶺律雄  あと1点ですけど、よろしいですか。

○当山会長  はい、長嶺さん、どうぞ。

○長嶺律雄 

 前回の公開審理の対応となった問題ですけど、1991年3月12日は第2回公開審理が開かれた日です。この1991年3月12日に防衛施設局は、石原正一(ショウイチ)さん方を訪ねています。那覇防衛施設局のキタヤマ事務所長と横浜防衛施設局のスガヌマ施設課長が、午前6時に訪ねて契約をしていただければありがたいことなんですがと申し入れています。そういう申入れをちゃんとしています。なぜ、那覇より遥かに遠い清水市まで行って契約の話をしたの。私は、那覇市に住んでいます。あれほど事前交渉、任意交渉してください、契約の話をしにきてくださいとお願いしているのに、私のところに来ないんですか、施設局は。

○当山会長  今のはなぜ来ないかという理由ですか。

○長嶺律雄  はい。

○ 当山会長 施設局。

○大澤施設部長(起業者側) 

 大変恐縮でございますけれども、ただいまのご質問について事実関係を含めて資料を持ち合わせておりませんので、大変恐縮でございますが、先ほどのご質問と併せて求釈明をいただけるような形で、次回会合でお答えをさせていただきたいと思います。

○長嶺律雄  関連してもう1点言います。

○当山会長  はい、長嶺さん。

○長嶺律雄  

 同じ清水市に住む亡くなった一坪反戦地主でもありません、石原正一(マサカズ)さんとこの人はいいます。名前は同じように「正一」と書きます。先はどの石原正一(ショウイチ)さんと同じように。この人の遺族の方には契約の話だけではなくて一生懸命、契約説得の努力までしたことが、施設局が県収用委員会に提出した証明書の中で、明確に自分たちでこう説得したと記述しているんです。言い張っているんですよ。なぜ一坪反戦地主でもない遺族の方に、遠く清水市まで行って契約の説得の努力を行うんですか、なぜ私のところに来ないんですか。なぜ、那覇市内にもたくさん地主がいると思いますけど、なぜ契約の話に来ないんですか。

○当山会長  はい、施設局、どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側) 

 大変恐縮でございますけれども、ただいまの質問についても先ほどと同様にさせていただきたいと思います。

○当山会長  はい、それも調べていただきましょう。はい、長嶺さん、まだありますか。

○長嶺律雄 

 先ほど、少し喋ったんですけど、今回の普天間基地については前回の裁決書、平成8年(権)第10号ですかね、平成8年(明)第10号そちらの裁決書の文書ですけど、この中で平成10年9月3日から4年間の使用裁決を行いました。この裁決書の10ページ第4項で、収用委員会は、任意交渉について論じています。この中で当収用委員会は、起業者が一切の任意交渉をしない場合には、原則的に却下事由に該当するとの立場をとると明言しています。そうして、ただし、被収用者の言動等から、(これ一坪反戦地主会の会員の土地所有者と思いますけど)任意取得が不可能であることが客観的に明らかな場合には、この限りではないと断言しています。そして、こちら側が例としてあげた新崎盛暉や城間勝に任意交渉しないのは違法ではないかとただしたのに対し、県収用委員会は新崎盛暉及び城間勝の場合は、同人らが−坪反戦地主会の指導的立場において客観的に見て交渉協議成立の見込みのない状況にあり、起業者が同人らと任意交渉をしなかったからといって、ただちに違法とはいえないものであると明記されています。城間さんと新崎先生は悪役の代表みたいになってしまっているみたいですけど、このことは地主の所属している組織、地主の思想信条でもなく、具体的にその日常的な行動と役割、そのうち実態に基づいてただちに違法とは言えないと判断したものと理解できます。
  すなわち、この判断は、地主の結社の自由も侵さず、思想信条による差別も行っていません。先ほど、一坪会員、私も言葉を変えて言いますと、普天間基地の土地所有者の中には、一例として岸本名護市長や伊波洋一市長を挙げたように、施設局に協力的と思われる地主もおり、その言動、活動対応は種々雑多です。嘉手納基地も含めて2.000数百名いる土地所有者についてどのようにその行動対応を把握して、その実態を把握するつもりですか。そのことを収用委員会にもお尋ねしたいんです。具体的な行動対応を…。

○当山会長  施設局への質問ではないんですか。

○長嶺律雄  

 はい。それは同じように、言動等からいっていますから、施設局の質問にもなります。

○当山会長  

 収用委員会は結局、皆さんの双方から出た意見と証拠から判断していく以外にないので、今、こちらで意見申し上げることはできないです。1番最後にしかこれ判断できないです。

○長嶺律雄  はい、分かりました。

○当山会長  

 今、施設局のほうへの質問は結局、そういういろんな方がいらっしゃるのに、どういうふうにそれを判断して交渉する、しないということをやったかという質問ですか。

○長嶺律雄  

 −坪反戦地主会とどういう根拠で断定しているんですかと。

○当山会長  断定しているかですね。はい、施設局、どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側)  

 −坪反戦地主会の皆様におかれましては、その団体の活動といったものを記者会見等で公表されているというふうに承知をしております。そうした中で報道等された内容等から、先ほど申し上げたようなことを認識をしているということでございます。

○当山会長  はい、長嶺さん。

○長嶺律雄  

 一坪会員は老齢化に伴って、その権利の登記も行われています。孫や娘とか。それは継承する方もいますし、継承したくないといっている方もいます。でも、強制収用する対象の土地の名前には載っているわけです。今、一切に、とにかく−坪会員であるということはどう断定をするかという答えはまだもらってませんけど、おそらく名簿に載っているのは、その共有者名簿に載っているのは断定すると思うんです。でも、その人間の中にはいろんな人がいます。先ほど言ったように、種々雑多な人がいます。それを一斉に任意交渉しないというのは、あまりに人を馬鹿にした話じゃないんですか。

○当山会長  長嶺さん。

○長嶺律雄  

 そのことを施設局に、僕、聞きたいんですよ。

○当山会長, 

 長嶺さん、できれば先ほどの伊波さんとか、岸本さんとかそういう具体的にやってないと思われる人たちが分かるんであれば、具体的に質問していただいたほうがいいと思いますけど。お調べになって、質問状を出されたらどうですか。

○長嶺律雄  

 はい、分かりました。最後ですけど、裁決書の中で当収用委員会は前回の裁決書の中で、起業者が一切任意交渉をしない立場には原則的に却下事由に該当する立場をとると明言されていますけど、普天間の裁決文書の中で。特措法と二度にわたる改悪があったんですけど、その立場は現在も変わりませんか。お答えをできたらお願いいしたいんですけど。

○当山会長  

 この場はですね、判断をまだ示す場じゃないんですよ。審理をして、一番最後に収用委員会の委員のそれぞれの意見を統一して決定を下しますので、今この場でそのお答えはできかねますね。当時と構成メンバーも違います。同じ顔ぶれじゃないですよ。ご覧になってお分かりになると思いますけど。ですから、それは一番最後に判断は示しますので。

○長嶺律雄  

 一応、今のことについては地主として、ぜひその立場を継続していただきたいということをお願いいたしまして、一応閉じたいと思います。

○当山会長  ご意見、承ります。それでは、城間さん、どうぞ。

○城間勝(普天間飛行場土地所有者)  

 関連して施設局に聞きます。皆さんは一坪反戦地主会には、一律に交渉しないというんですかね、そういうことを言ってきているんですが、この−坪反戦地主会の会員であるというのは、どのようにして特定をしているんですか。

○当山会長  施設局、どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側)  

 私ども、会員であるか否かについて特定をしているということはございません。


○城間勝  

 −坪反戦地主会、皆さんの中で、ちょっと待ってくださいね。裁決書の申請理由をちょっと見てみます。ちょっと今、裁決申請の理由のところで皆さんが述べていますが、一坪反戦地主会に所属する方々の、いわゆる一坪共有地主に対しては、一坪反戦地主会に所属する方々等、いわゆる−坪共有地主に対してはその所属する会の設立目的や、活動内容等からして客観的にみて云々ということはできるんですね。これで一坪反戦地主会に所属する云々というのがあるんですが、その一坪反戦地主会に所属するというのは、どのようにして特定をしているかというのを聞いているわけです。

○当山会長  施設局、どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側) 

 私ども、先ほどもお答えをいたしましたが、−坪反戦地主会の皆様は記者会見等において土地を特定し、その活動をされているというふうに承知をしております。具体的にだれが反戦地主会の会員なのか、あるいはそれに共鳴された方なのかといったことについていちいち特定しているわけではございません。

○当山会長  城間さん。

○城間勝   

 分かりました。皆さんは、一坪反戦地主会は会として記者会見して云々とやっているんですが、その会員がだれだれが会員であるかというのは分からない、特定できないと。じゃどうしてどのようにして交渉しないというんですか、一坪反戦地主会の会員である人たちには交渉しないということがいえるんですかと。その対象も決めないでおいて、交渉もしないという、これはどうして特定できるんですか。ちょっと、イフーナー(変)じゃないですかね。

○当山会長  施設局、どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側)  

 一坪共有地主会の皆様方は、土地を決めて、その土地を多数の方が共有なさるという活動をされているというふうに承知をしております。したがって、その土地を共有されている方々は、どなたかということはわかりませんけれども、一坪共有地主会に入られているか、あるいはその活動に共鳴をされている方々だというふうにお答えをしているところであります。

○当山会長  

 城間さん、ちょっと引き取らせてくださいね。ちゃんとかみ合っているかどうかということが、一つあるものですから。結局、おっしゃっていることはわかりますが、要するに、だれが一坪の共有地の、一坪地主会の会員なのか、あるいは反戦地主会の会員なのかというのは把握はしてない。抽象的には「交渉しない」とはおっしゃっても、一体だれなのかというのは把握されてなかったのかと聞かんとしていると思うんですよ。それは、どうなんですか。

○大澤施設部長(起業者側)  

 それは、その土地の所有者というふうに名前が書かれている方々、登記簿にされている方々が、その活動に共感をされあるいはそういう活動を自ら推進されている方々だというふうに認識をしております。

○当山会長  

 そうすると、登記簿謄本から判断されたというふうに聞いてよろしいわけですか。

○大澤施設部長(起業者側)  そのとおりでございます。

○当山会長  城間さん。

○城間勝  

 皆さんは、登記簿謄本からその地主の共有者である人は、みんな一坪反戦地主会の会員であると。そういうふうに認定をしている、特定をしているという、そういうふうに理解していいですか。

○当山会長  施設局、どうぞ。

○大帝施設部長(起業者側)  

 その方々が、一坪共有地主会の会員か否かについては、特定をしておりません。少なくとも、そういう方々が入っていることと、その活動に共感されている方々が入っているものだというふうに考えております。

○当山会長  城間さん。

○城間勝 

 今、−坪反戦地主会の会員であるかどうかというのはわからないと。共有者の中から、だれが一坪反戦地主会の会員であるかということはわからないと。そういうことなんですね。そういうことですか。一坪反戦地主会の会員というのは、皆さんは特定はできないという、やっていないということですね。確認をしたいんです、もう1回。

○当山会長  どうぞ、施設局。

○大澤施設部長(起業者側)  

 一坪共有地主会の会員の方々がどういう方々かということについては、私ども承知をしておりません。

○当山会長  城間さん。

○城間勝  

 そうであれば、交渉をだれだれとしないということは、いわゆる共有地主の、共有の土地に載っている人たちと、だれだれと交渉しないということを決めるのは、どういう具合にして決めるんですか。

○当山会長  施設局、どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側)  

 その土地が、一坪共有地主会の皆様が中心になって、−坪共有運動というものを行われている。その土地の所有者になられている方々は、少なくとも運動に共鳴をされている方々だというふうに考えております。

○当山会長  城間さん、どうぞ。

○城間勝  

 それは、皆さんが勝手にそのことを認定したということだけなんですね。例えば、一坪反戦地主会の中においては、最初、一坪反戦地主会の趣旨に賛同して入った岸本建男名護市長など、残念ながら途中から皆さんの仲間になっていってしまって、彼は私たちの土地の共有者であるんですよ。そういうこと等も含めて、あるいは実際上、一坪反戦地主会の会員でない人たちもいるわけです。実際上はいる。先ほど長嶺律雄さんが言ったように、亡くなってやっている人たちいます。あの共有者の方々。いろいろな人たちがその中にいるわけです。そういうものを、一律に共有者であるから、一坪反戦地主会の会員であるという特定することは、それは無理があるんじやないですかということを言っているわけです。それでもって特定ができないんじゃないかと。

         (「一坪には権利はなくなるのか」と言う者あり)

○当山会長  

 質問なんですけど、ご意見と質問がごっちゃになりそうなので。

○城間勝  

 それからもう一つ。一坪反戦地主会というのは、共有者の中には−坪反戦地主会だけではないんです。関西の人たちというのは別の組織があって、そこでの人たちもいるわけですね。いろいろいるわけですね。こういうものを、今言ったように、一律に一坪反戦地主会の会員ということで、交渉の対象にしないということで、皆さんはやってきているんですが、これは無理がある。これは決めつけることはできないということです。このことを一つ指摘しておきたい。それから、もう一つ。従来、皆さんは一坪反戦地主会の、今回ではないですよ。従来、−坪反戦地主会の会員にも交渉をしてきたんじゃないですか。

○当山会長  従前の質問ですね、今。

○城間勝  はい、従前の。

○当山会長  従前は、という意味ですか。

○城間勝  

 従前は。前の強制使用、何回もずっとやられてきているんですが。

○当山会長  

 前回まではやっていたのにと、こういう意味ですね。

○城間勝  前回までは。

○当山会長  

 やったんじゃないですかというご質問ですね。施設局、どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側)  

 ただいまのご質問については、事実関係等、具体的に正確にお答えする必要があるかと思いますので、大変、恐縮でございますが、収用委員会におきまして次回の会合で、私ども回答いたしたいと思います。

○当山会長  

 そのへんは、ちょっと正確を期す意味で、先ほどの宮城さんも含めて、あとで質問書を出してくださいね。

○城間勝  

 これは何度も公開審理の中でやられてきていることですが、1987年の強制使用の手続き以来、一坪反戦地主会と防衛施設局が交渉をやってきています。私も交渉をやられたことがあります。ただ、それが最近、前回から、途中から怠け出してきている。やらなくなっている。やる人とやらない人が出てきたと。今回は全くやらないというふうに変わってきている。経緯はそういう経緯があるということ。これは、収用委員会の皆さんに、皆さんが新崎盛暉と城間勝は会の代表であるからやらなくてもいいといった、あの裁決のことがどんどん悪用されていって、一坪反戦地主にかかわりを持っている者は交渉しなくてもいいという。あとは、これはそのまま反戦地主にかかわる者はみんなやらなくてもいいと。そういうふうにどんどんやられていく。私たちは、そういう懸念を今持っております。

○当山会長  今のご意見ですよね。

○城間勝  それは、意見です。

○当山会長  質問をなさってください。

○城間勝 
 
 質問は、今の点について、事実確認をきちっとやってもらいたいということで、次回その回答を求めていきたいというふうに思います。以上です。

○当山会長  ご苦労様でした。
  
 それでは、先ほどの宮城さんの件もございますけれども、できるだけ早目に別途、求釈明申立書を出していただかないと収用委員会もわからなくなりますので、よろしくお願いしますね。それでは、阿波根弁護士、第4番目の質問事項。

○阿波根代理人(普天間飛行場土地所有者側)    

 私の質問したいことは、使用裁決の申請理由の中にある、その申請理由にはこのように書いてあります。これ普天間飛行場についてなんですけれども、「平成14年9月2日に、貴収用委員会の裁決による使用期間は満了した普天間飛行場及び那覇港湾施設の一部の土地については、土地所有者との賃貸借契約の合意が得られるように努めたが、合意を得ることができなかった」。ここではございませんね。ちょっとごめんさない。その次のページですね。

 「使用の裁決の申請をした土地」、本件土地のある普天間飛行場は、「昭和47年5月15日、沖縄の施政権が我が国に返還されるにあたり、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約。安保条約6条に基づく施設及び区域並びに日本国におけるアメリカ合衆国の軍隊の地位に関する協定」、地位協定ですね。この第2条第1項に施設及び区域として、「閣議決定の上、提供された」ということを書かれております。この閣議決定なんですけれども、この地位協定第2条によって、アメリカが使用する場合は、地位協定上定められています。ちょっと条文を読んでみます。

 地位協定の第2条、「合衆国は相互協力及び安全保障条約第6条の規定に基づき、日本国内の施設及び区域の使用を許される。個々の施設及び区域に関する協定は、第25条に定める合同委員会を通じて両政府が提起しなければならない」という定めがあります。

 この定めに従って、合衆国が許される日本国内の施設及び区域については、その具体的にはこれは閣議決定をすると。そしてその後に、日米安保協議委員会で決まるということになると思うんですけれども、その間議決定を行った日はいつなのか。それは、普天間飛行場についていえば、これはどういう経緯で閣議決定がなされたのか。普天間飛行場についてはどの範囲まで、この閣議決定ですね。使用されるということで決められたのかということについて、質問いたします。

○当山会長  施設局、どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側)    

 本年3月13日の公開審理におきまして、使用の裁決の申請理由説明の中で、ただいまお読みいただきましたとおり、私どもから、「普天間飛行場は昭和47年5月15日、沖縄の施政権が我が国に返還されるにあたり、日本国とアメリカ合衆国の間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国おける合衆国軍隊の地位に関する協定第2条第1項の施設及び区域として、閣議決定の上、提供された」とご説明をしておりますけれども、このここでいう閣議決定の日は、昭和47年5月13日であります。普天間飛行場に係る閣議決定の内容につきましては、使用目的を飛行場として国有、民有の土地約494万5,000uを、アメリカ合衆国が使用を許される施設及び区域として提供する等について決定をしているところであります。

○当山会長  阿波根弁護士。

○阿波根代理人  

 この閣議決定をするときに、普天間飛行場として、その施設として提供される範囲、その施設の区域については、例えば沖縄県の意見を聞いて決めたのか、あるいは地主の意見を聞いて決めたのか、あるいは閣議決定する前に、どういうような要望があったかご存じないでしょうか。

○当山会長  施設局、どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側)  

 私、ただいまのご質問についてお答えできるようなことについて承知をしておりません。

○当山会長  阿波根弁護士。

○阿波根代理人 

 閣議決定があった後、次の段階で、どの段階でアメリカ合衆国と日本国が、普天間基地についてどの範囲まで使ってよろしいという、そういう約束は、どの段階でどういう取り決めでなされたでしょうか。

○当山会長  施設局、どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側) 

 具体的に、正確にお答えできているかどうか分りませんけれども、閣議決定を行った後に、日米の両国政府の代表が協定書にサインをするという形で行われていると思います。さらに、その日にちは昭和47年5月15日だと思います。

○当山会長  阿波根弁護士。

○阿波根代理人  

 具体的には、日米間においては昭和47年5月15日の合意があったということですけど、これはどういう合意でしょぅか。名称は。

○当山会長  施設局どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側)  

 正確にそのとおりかどうかということについては、再度、確認をさせていただくことがあるかと思いますけれども、地位協定第2条に基づく施設及び区域の提供等に関する協定というものだと考えております。

          (「5・15メモがあるだろう」と言う者あり)

○当山会長  阿波根弁護士。

○阿波根代理人  

 地位協定の第2条については、具体的な施設の使用条件等については、合同委員会で取り決めますという定めになっています。合同委員会で、普天間飛行場の具体的な使用区域、施設の区域を決めたのは、日米合同委員会なのか、それとも日米安保協議委員会なのか。それは、どちらでしょうか。

○当山会長  施設局、どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側)  

 ただいまのご質問についてお答えできるようなことについて、私、ただいま承知しておりません。もし、差し支えなければ次回の会合でご質問いただく形でお答えをさせていただきたいと思います。

○当山会長  阿波根弁護士。

○阿波根代理人  

 いずれ日米合同委員会できめようが、日米安保協議委員会で決めようが、いずれにしても沖縄の県民の意見を聞かないでその範囲を決めたと。地主の意見を聞かないでその範囲を決めたということは間違いない事実と思うんですけど、どうでしょうか。

○当山会長  施設局、どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側)  

 ただいまのご質問については、先ほどお答えをしましたように、それを具体的に承知をしておりませんので、改めて求釈明の形でお出しをいただければお答えをさせていただきたいと思っております。

○当山会長  阿波根弁護士。

○阿波根代理人  

 いずれにせよ、やっぱり地主の意見を聞かないというやり方は、沖縄の基地の復帰、日本政府がアメリカに提供したときからその姿勢は変わっていないと思います。先ほどの一坪反戦地主会の一坪共有地については、意見を聞かなかったということなんですけれども、私は普天間飛行場の宮城正雄さん、先ほどから意見があったんですけれども、宮城正雄さんは一坪反戦地主の会員ではありません。宮城正雄さんはいわゆる反戦地主会の会員ですね。反戦地主の会員の正雄さんに対しては、賃貸者契約の交渉に行ったんだということですよね。−坪の会員だと思われる方については契約交渉しなかったということなんですけど、これは結局は、反戦地主の基地反対の気持ちが一坪よりも何か弱いとみたのかな。

○当山会長  今のご意見ですか。

○阿波根代理人  結局、そうじゃないと思うんですね。

○当山会長  いい機会なので質問してください。

○阿波根代理人  

 そうじゃないと思うんですね。そんなことはあり得ないです。やっぱり基本は反戦地主より一坪会というものじゃなくて、基本は反戦地主会のメンバーは掌握できると。しかし、−坪地主会についてはいろんな人がいて、きちんと手続きをすることがこれは難しい、できっこないということを、何というか、怠けて、きちんとした手続きをしていないというのが本音であって、会の設立の目的から云々して契約交渉をしなかったということは、やっぱりそれは論理的にもおかしいと思いますね。だから、施設局はこういう手続きをする場合には、やっぱりその関係者、地主の意見を十分聞くという姿勢は常にきちんと守っていただきたいというふうに考えます。
  おそらく、この沖縄基地の提供の仕方自体から沖縄県民の意見を聞かないで一方的に政府のほうで決めていくというようなやり方、それを踏襲して、現在、防衛施設局もそのようなやり方をしているかもしれませんけれども、それはいけません。やっぱり法律があるわけですから、法律に従ってきちんとやる。今後、反戦地主会の土地についてもー坪反戦地主会の土地についても、やっぱりきちんと手続きを踏むと。まずは基本的には契約交渉するというような姿勢を貫いていきたいと思うんですけれども、防衛施設局がこのような姿勢で、今後、強制使用の手続きをきちんとやるというようなことをここで約束してもらいたいと思うんです。

○当山会長  

 今のは先生のご質問事項ではないところですが、よろしいですか。どうですか、施設局。

○大澤施設部長(起業者側)  

 ただいまの点につきましては、私どもあらかじめいただいている求釈明事項にない事項だと思いますし、また、ご意見ということだろうと思いますので、そのことについてはこの場で承っておきます。

○当山会長  阿波根弁護士。

○阿波根代理人  はい。

○当山会長  それでは、第5番目の有銘政夫さん。

○有銘政夫(普天間飛行場土地所有者)    

 私の質問は、メモしてある5番目ですけれども、その前にどうしても確認しておかないと話がちぐはぐになったり、かみ合わなかったりしたら困りますので、その前に確認をさせてください。
  
 今回は、求釈明といってもきょうからですから、きょう出た言葉なんですが、なじまないというのが出てました。これは前回の公開審理の前にだいぶ論議されたことなんです。なじまない。これは非常に問題です。だから、ちょっと、ぜひきちっとやってほしいんですが。私は、なじまないという言葉の一般的な意味合いとか、解釈については知っているつもりです。常識的には。だけど、ここで防衛施設局側から審理になじまないと言われたら戸惑っちゃうわけです。だから、なじまないという言葉の意味、意味するもの、これちょっと解説してもらえませんか。こちらは一生懸命なじみたいし、なじんでいるつもりで公開審理の場にいるわけですから。なじまないと言われると、一体だれがどうなっているのか分からないんです。だから、一般論としては知っているつもりです。僕の常識が間違いかもしれませんので。なじまないという言葉のもつ意味をちょっと解説していただけませんか。よろしくお願いいたします。

○当山会長  

 有銘さん、施設局がこれは審理になじまないと使っている意味を聞いているわけですよね。

○有銘政夫  そうです。

○当山会長  施設局、どうぞ。

           (「日本語の意味だよ」という者あり)

○当山会長  一般的な辞書の意味じやないでしょう。

○有銘政夫  それは僕は知っているつもりです。

○当山会長  施設局がどう使っているかですね、意味を。

○有銘政夫  はい。

○大澤施設部長(起業者側)  

 先ほど、私、こういうふうに申し上げました。ご質問の内容につきましては、使用の裁決の申請にあたって提出されることとされております裁決申請書及びその添付書類並びに明渡裁決の申立てにあたって提出することとされている明渡裁決の申立書及びこれとともに提出することとされている書類に記すべき内容とはかかわりない事項であり、また、収用委員会が権利取得裁決及び明渡裁決においても裁決しなければならないとされている事項のいずれにも該当しないものであることから、なじまないものと考えておりますというふうに申し上げました。ここでいう審理になじまないものということについていえば、私は辞書に書いてあるとおりの言葉で使いました。

○当山会長  有銘さん、どうぞ。

○有銘政夫  

 それでは、いいでしょう。今のような認識だったらね。それで、質問する前にメモをしておきますけれども、先ほどからある問題は、この裁決申請書に出ている文言について、そのもつ意味について正しているわけですよ。だから、なじまないと言われるならば、この申請書を書き変えてもらわないといかん。そういう指摘を今後やります。それには応じるということにつながらなければ一方的ですから。

 それと、私もこれから質問しますけれども、これは皆さんが私たちの土地を強制的に使用する、僕らは強奪といいますけど、そのこと自体が問題なんだから、それについてなぜかというのは全部答えるべきだと思っております。しかし、それも法律で定めたとか、閣議決定とか、いろんなことがこちらに書いてあるわけですから、それについて尋ねているのであって、それがなぜ私たちの土地が強制的に強奪されなければならないかということを地主として、地権者として聞いているわけですから。なじまないならばこれを引っ込めて返してほしい。返せばなじむ必要ないですよ。だから、その意味で聞いていますから。私の質問に対してなじまないという言葉だけは謹んでください。以上、前置きをして質問します。

○当山会長  5番の質問、なじむように何とか…。

○有銘政夫  

 5番のですね、これ内容二つありますから、前段と後段に分けます。SACO合意で5年ないし7年後に、普天間飛行場を返還するとの合意がなされましたが、この期限はすでに切れています。今の時点においても、このSACO合意は有効性があるのか、ないのか。

○当山会長  まずその点からいきましょうか。施設局、どうぞ。

○大澤施設部長(起業者側)   

 私ども、平成11年12月の閣議決定におきまして、普天間飛行場移設に係る政府方針という、のを決められてございます。この中で決められた事柄に基づきまして、現在、代替施設の建設に向けて作業が進捗をしている、進展をしているという状況にございます。こうしたことはSACOの合意の趣旨に沿ったものだと考えております。                                                 

○当山会長  有銘さん、どうぞ。

○有銘政夫  

 それだけですか。この申請書、読んでみましょうね。よろしいですか。「今後」、この括弧付きのところだけです。2ページですね。このページはひょっとして印刷のときのページだから、全部違っているかもしれない。2ページとこれには書いてあります。

  「今後、5年ないし7年以内に十分な代替施設が完成し、運用可能となったのち返還する」。こうあるんですよね。この文章はどうなっているかといったら、「5年ないし7年以内に完成し、返還する」。こうなっているんですよ。あと、内容はいくつかついています。その内容は「5年ないし7年に完成し、返還する」。これ間違いないことですよね。だけど今、5年ないし7年についてどうかと聞いたら全然触れてない。あのとき、確かに橋本総理のときだったと思いますね。県民の耳にはっきり伝わってきたのは、5年ないし7年の間に返還する。これ日米での合意ですよ。こんなはっきりした事実が今、もう過ぎているにもかかわらず、そしてこちらにもそういう文言をちやんと書いてある。その責任はどうなるのかということにつながるんですね。もう一度答えてもらえませんか。5年ないし7年というのは、お構いなしでは、これとんでもない話。わけわからなくなりますよね。

○当山会長  5年ないし7年というのは。

○有銘政夫  生きているか。

○当山会長  今、どう考えればいいかという趣旨ですか。

○有銘政夫  そうです。これ、一番重要なことですよ。

○当山会長  どうぞ、施設局。

○大澤施設部長(起業者側)    

 まず、ことしの3月13日に、私どもが申請理由等についてご説明をさせていただいた中で、政府としては当飛行場の移設・返還に向け、「本協議会」と書いてございますけれども、代替施設建設協議会での議論も踏まえながら、代替施設建設の着実な推進に引き続き全力で取り組んでいくこととしているが、その実現までには、今後、相当な期間が見込まれることから、当初予定の5ないし7年以内の返還は困難な状態になっており、そのため返還までの相当期間、引き続き本施設を飛行場施設として存続させる必要があるというふうにご説明をしているところでありますことを、まず申し上げたいと思います。

 その上で、ただいまの求釈明の5番目の中に、そもそも返還期限を5ないし7年とした理由は何かということとの関連で、お答えをさせていただきたいと思います。普天間飛行場に関するSACO最終報告においては、ご指摘のように、今後5ないし7年以内に十分な代替施設が完成し、運用可能になった後、普天間飛行場を返還するとされております。この、今後5ないし7年以内にということについては、十分な代替施設として海上施設の建設を念頭に置いたものというふうに承知をしております。

○当山会長  有銘さん。

○有銘政夫  

 これ後で論議しますからね。今のことは、もう一度念を押しておきます。どう読んでも、こっちに書いてあるんですよ。皆さん、5年ないし7年以内にですよ。以外ではないですよ。どう結びつくんですか。一体、防衛施設局は、日本語を勝手に解釈してもいいのかな。これが合意文書ですよ。

 そして、もう一つ今後の論議になりますから、念を押しておきますけれども、防衛施設局、政府もそうですが、必ずといっていいほど、何か軍事基地にかかわる問題については、「SACOの最終報告の完全実施」と言っているんですよ。これ5年から7年がなくなったら不完全ではないですか。一番大事なところが抜けても、「完全実施」と言うんですか。このことは、論議しますからね。今の答えでは、いわゆる私はさっき否定しましたけれども、こういうときにこの答弁は「なじみません」という言葉が正しくなるわけですよ。肝に銘じておいてください。次の質問は、今、便宜上分けたんですけれども、同時に答えていただきましたので、これ以上……。

○当山会長  

 有銘さん、あらかじめお願いしたいんですけど、実はこの会館4時までしか借りてなくて、あと5分ぐらいしかないので。

○有銘政夫  

 わかりました。じや、次の質問はもうおさめますか。

○当山会長  次でよろしいですか。次回で。

○有銘政夫  はい。

○当山会長  

 どうしても必要であれば、お願いしてちょっとだけ延ばしてもらうとかいうのを考えますけど、あんまり急いでやって、かえって聞きそびれるよりは。次回でよろしいですか。

○有銘政夫  

 そうですね。6番は、もうきょうは質問よしましょうね。ちょっとだけ、こちらで少しつけ加えておきます。今さっき申し上げたように、非常に大上段なんですよね。先ほどから論議のあった、「我が国への駐留軍の駐留は、我が国の安全並びに極東の」とあったですね。普天間基地については、これは危険だから返還するというのが趣旨だったわけですよ。安全のためにというんだったら、この危険を取っ払うというのは大前提ですからね。大前提だから。今の答弁、考え方は、本当に防衛施設局は何にも考えてない。言っていることとやっていることが違う。本当にむかっ腹立つんですよ。だから、この件について、今言ったみたいに、この矛盾が私たちが提供することによって、皆さんは当然法律に基づいて、それから主権者の立場を考えてということを無視するわけにはいきませんから、こういう文書が出てくるわけですよ。大前提になるときは、「極東の平和、最大の福祉」だなんていうことを言って、そして「安全に寄与する」と言って、そしてあとは全部ごまかして、答弁に困ると「なじまない」と言って逃げる。こういったことが繰り返されると、私たちは防衛施設局に対する、国の方針に対して主権者としては不信感が募るだけです。だから、ぜひそのへんは、今、収用委員会のほうでも公開審理の場を、いわゆる非常にきめ細かくやっていただいくことには感謝をしているところですけれども、ぜひこの「なじまない」という言い方に関連するところでは、少し私たち特段に声を大にして収用委員会にも申し上げますから、そのへんのことを、今の交通整理をすることが大事だということを前提に立って、私たちの「なじまない」という言葉の持つ意味についてのこだわりは、収用委員会のほうでもひとつご一考をいただきたいと思います。防衛施設局としては、絶対にこれ禁句ですから。もし、次から「なじまない」と言うんだったら、全部撤回して、そして何年内に返還するから我慢してくれと、最低限それぐらいのことは腹を据えて公開審理の場に出てきていただきたい。そういうことでないと、本当に今言っていることが、便宜的にやって、何が何でもおまえたちの言うこと聞かんぞと。言外には出してないけれども、そういった趣旨で、私たちにひしひしと伝わってくるものですから、念を押しておきたいと思います。ありがとうございました。

○当山会長  ありがとうございました。

  収用委員会としても、できるだけなじみたいと思っております前回よりは、少しなじんでいるような気がするんですよね。前回、かなりなじまないのがいっぱい出て、恐らく有銘さんのお怒りはそのへんから来ているのではないかと思いますけれども、できるだけお互いの質問と回答が、言っていることと回答とが合うような形で進めばなと思っております。そういうことで、ちょっと時間になってしまいましたが、次回は来年の平成16年3月18日、木曜日、午後1時30分から4時まで。宜野湾市の沖縄コンベンションセンターの劇場棟を予定しております。そのときにまたご意見を承りたいと思います。そのときには、残っております嘉手納の関係がまた新たに加わってきますので、よろしくお願いします。本日は大変お疲れ様でした。