付紙1 

事実関係経緯

 登記名義人石原正一氏(以下「真の共有者」という。)が死亡したものと受け止め、同姓同名の別人の法定相続人を手続対象者としていた経緯は次のとおりである。

昭.59.12.1.

 本件土地について昭.59.12.1.付け売買を原因として471名により一坪共有地化が開始された。

昭.61.7.1.

 真の共有者(住所:静岡県清水市◯◯◯丁目◯番◯号)は、他の54名とともに、新崎盛暉の持分の一部(持分1/1,044)を売買により取得した。

昭.62.3.30.

 前述売買を原因として真の共有者に持分一部移転登記がなされた。

昭.62.9.中旬.

 真の共有者の住所地である清水市役所に、土地登記簿の記載に基づき真の共有者の氏名及び住所を記載して住民票の交付を依頼した。

(昭.62.10.12.)

 清水市役所より、石原正一(静岡県清水市◯◯◯番◯号)は、昭.61.9.19.に死亡している旨記載の昭.62.10.12.付け住民票除票の交付を受けた。このため、真の共有者は死亡しているものと受け止めたものである。

昭.62.11.10.

 死亡している石原正一の法定相続人を調査するため清水市役所に戸籍謄本の交付を依頼した。

(昭.62.11.14.)

 清水市役所より、死亡している石原正一の法定相続人が記載された昭.62.11.14.付け戸籍謄本の交付を受けた。(同人の法定相続人石原◯◯、石原◯◯、石原◯◯、石原◯◯を手続対象者として、所有者等追跡調査関係書類を整備し、以後毎年の追跡調査では、この法定相続人を手続対象者として実施した。)

平.7.3.3.

 今回の手続着手に当たり、法定相続人に意見照会した。これに対し、法定相続人から意見書の提出はなく、また、心当たりがない等との問い合わせもなかった。

平.7.4.17.

 内閣総理大臣に使用の認定を申請した。

平.7.5.9.

 内閣総理大臣の使用認定の告示がなされた。

平.7.5.9.

 使用認定土地にかかる調書・図面の縦覧を開始した。

平.7.5.10.

 法定相続人に対して使用認定があった旨を通知した。

平.7.5.11.

 使用認定があった旨を公告した。

平.7.5.15.

 土地調書及び物件調書の作成のため、法定相続人に対して立会署名押印を要請(立会日:6月3日〜4日)した。

平.7.6.3〜4.

 法定相続人による立会及び署名押印はなかった。(暑名押印は、後日、嘉手納町長が実施した。)

平.8.3.29.

 法定相続人を共有者として沖縄県収用委員会に裁決申請した。(本時点の本件土地の共有者数1,120名)

平.8.6.6.

 沖縄県収用委員会は、裁決申請書を受理した。

平.8.7.26.

 法定相続人に対し契約説得交渉を行った。これに対し、法定相続人たちは、「亡くなった主人の意志の様であるので、私共としては契杓を拒否する」旨返答した。

平.8.9.18〜10.2.

 沖縄県知事により裁決申請書の公告・縦覧がなされた。これは、隠れた権利者を発見する等のためのものある。なお、真の共有者、法定相続人、一坪反戦地主会等から本件についての意見の提出等はなかった。

平.8.10.24.

 沖縄県収用委員会は、裁決手続き開始を決定した。(本時点の本件土地の共有者数1,131名)

平.8.10.25. 

 前述の裁決手続開始決定を受け、土地登記簿の所有者変更の登記を嘱託した。

平.8.10.31.

 登記所からの要求により清水市役所に戸籍附票の交付を依頼した。

(平.8.11.5.)

 清水市役所より、平.8.11.5.付け戸籍附票の交付を受けた。

平.9.2.21.

 第一回公開審理が開催された(本時点の本件土地の共有者数1,124名)

平.9.3.11.

 一坪反戦地主会の新崎盛暉代表世話人らが、沖縄県収用委員会に裁決申請している土地のうち、嘉手納飛行場の一坪共有地主の1名について、本人が健在であるにもかかわらず、既に死亡した同姓同名の別人の相続人を所有者として手続が進められている旨を公表した。

平.9.3.11.

 清水市役所住民課に、電話で静岡県清水市◯◯◯丁目◯番◯号における石原正一の住民登録の有無を照会したところ、登録されている旨の回答を得た。このため、同日、横浜防衛施設局を通じて、同人の住民票を入手した。

平.9.3.12.

 静岡県清水市◯◯◯丁目◯番◯号の住所地において真の共有者と面談し、同人が嘉手納飛行場に土地を共有している旨等を聴取した。

平.9.3.12.

 第2回公開審理が閏催された。

平.9.3.14.

 清水市住民課長から、清水市が誤った住民票除票を交付した理由について、交付を行う際、避旦当者がコンピュータの端末機を「イシハラショウイチ」としてではなく「イシハラマサカズ」で操作したためと思われるとの連絡を受けた。

平.9.3.21.

 土地登記簿と住民票の確認、本人との面談による同人の発言内容、清水市の住民票除票交付の原因などこれまでの調査の結果、静岡県清水市◯◯◯丁目◯番◯号に居住する石原正一が真の共有者であると判断し、沖縄県収用委員会に対して、所有者取り違えの経緯・事情等を疎明するとともに、裁決申請書類の補正文書を提出した。(本時点の本件土地の共有者数1,121名)

平.9.3.27.

 第3回公開審理が開催された。

平.9.5.9.

 沖縄県収用委員会は、裁決申請書類の補正を認めず、本件土地について一部(持分)却下の裁決を行った。

 


審査請求書(970605)

弁明書(沖縄県収用委員会)][裁決申請却下(970509)][沖縄県収用委員会・公開審理