沖縄県収用委員会 第9回審理記録

弁護士・梅田章二/三田恵美子


当山会長:つぎにキャンプシールズ関係に移ります。梅田章二さん。

梅田章二:

 え、弁護士の梅田でございます。今日の収用委員会の審理は、非常に時間がスムーズにいきまして、キャンプシールズの意見陳述に十分な時間を残していただきましたことにまず感謝をしたいと思います。

 えー、キャンプシールズの意見陳述につきましては、この基地には、対象となっておる土地がひとつ、島袋善祐(しまぶくぜんゆう)さん。正式なお名前は、しまぶくぜんゆうさんというふうにおっしゃるそうですけれども。その方1名でございます。したがいまして、今日の陳述にあたりましては、キャンプシールズ全体の基地の機能、基地の概況、そして、その中で島袋さんの土地がどのように使われているのか、まずその辺を明らかにしながら、島袋さんの土地が如何に、えー、基地の使用とは無関係で、必要のない、土地で、基地の目的としては必要のない土地であるということを明らかにして、速やかなる返還を求めたいと言う点があります。

 もう一つの点は、島袋さんの土地自体が、特定をしておらない、しかも、防衛施設庁が主張している位置は、実は島袋さんの土地が現実に存在しているところと違うという点をスライドなどを含めながら、明らかにしていきたいと思います。

 この点につきましては詳細は、新進気鋭の三田弁護士のほうから、くわしくスライド15枚を含めて、説明をしていただきます。

 その後、島袋本人のほうから、なぜ島袋さんが土地を返還して欲しいのか、その理由をですね、いろんな、今日は大きなものもあるようです、いろんな材料を使いながら、しかも、スライド8枚も準備しておりますので、その点でくわしく陳述をしたいと考えております。それでは、三田先生。よろしくお願いいたします。

三田恵美子:

 え、私は土地所有者の代理人の三田恵美子です。今からキャンプシールズ内の島袋善祐さんの土地、沖縄市字知花曲茶原2291の土地について意見陳述いたします。まず、米軍がキャンプシールズ内の島袋善祐さんの土地を利用する軍事的必要性がまったくないことについて述べます。スライドをお願いします。

 え、キャンプシールズは沖縄市の東部、東南植物園と沖縄自動車道との間に位置しています。那覇防衛施設局長の使用認定申請理由書きによれば、キャンプシールズは、海軍機動建設大隊等が使用し管理事務所、機械工場、隊舎、家族住宅等が設置さていると記載されています。しかし、梅林宏道氏の「情報公開法でとらえた沖縄の米軍」という本によれば、「キャンプ・シールズは、海軍の建設大隊、いわゆる「シービー(海の働きバチ)」の配備基地である。しかし、現在の配備兵力はきわめて少ない。かつてはミシシッピ州のガルフポートやカリフォルニア州ポートウエネメの海軍建設大隊センターから海軍移動建設大隊が配備されていたが、現在はハワイのパールハーバーの太平洋建設大隊から、わずか2名の分遣隊が派遣されているのみである。」と 紹介 されています。次のスライドをお願いします。

 これが、キャンプシールズの全体図です。島袋さんの所有する土地は青く丸で示された点、今指している点ですね。この点におおよそ存在しております。次のスライドをお願いします。これは、キャンプシールズ内にある、島袋さんの土地の周辺の状況を示したものです。このスライドの中央に赤く示されている、台形の土地がありますが、これが防衛施設局が島袋さんの土地だと、決めつけている土地です。

 実際の島袋さんの土地はもっと東側。だいたい、その、今、指している辺りですね。このスライドでいうところの、今、指しているこの点、にあります。

 島袋さんの土地の特定の問題については、後ほど詳しく述べます。次のスライドをお願いします。これは周辺の状況について図示したものです。黒く枠で囲ってあるところ、この四角く示されているところが、そこが防衛施設局が島袋さんの土地と主張している土地です。これでも分かるとおり、問題となっている土地の周辺はソフトボール場やバレーボールコート、として使用されています。これらの施設は、スポーツ施設であって、本来の海軍機動建設大隊等の機能とは無関係の施設です。

 次のスライドをお願いします。

 かつては、島袋さんの土地の付近には、今、後ろのほうに映っています、カマボコ型の兵舎が建てられていましたが、現在はありません。次のスライドお願いします。

 現在は、その敷地の一部に簡単なつくりの倉庫、今スライドで出ている倉庫が建てられています。次のスライドをお願いします。これは、その倉庫内の写真です。コーラやセブンアップの瓶を詰めたケースが保管されているだけです。

 次のスライドをお願いします。これは、その倉庫の周辺の状況です。倉庫以外にはなにもないことが分かります。ちなみにこれらの写真は、勝手に侵入して撮したものではありません。次のスライドお願いします。

 昨年の12月に島袋さんや弁護団が基地ゲートに守衛に自分の土地に見せて欲しいと、申し入れまして、米軍のMPの案内で基地内に立ち入った際に映したものです。次のスライドお願いします。

 これが、その時の様子を伝える新聞記事です。このように、容易に立ち入りを許し、写真撮影を自由に行うことができたことから見ても、キャンプシールズは、少なくとも島袋さんの土地の周辺一体は、軍事的機能がないことが明らかであります。民間空港であっても軍事的機能を一部でも有しているような場所については、写真撮影を許していない。一方で、島袋さんの土地の周辺については、あのように立ち入りを認め写真撮影も自由に認めているということから見ても、軍事的機能がないことがはっきりを分かります。

 次のスライドをお願いします。次に島袋さんの土地の特定について、述べます。

 この四角く囲ってある、Aという土地が防衛施設局が島袋善祐さんの土地だと言っている土地ですが、この土地の右側にあります、Bという土地、これが本来の島袋善祐さんの土地の位置です。その根拠は3点あります。第一は、島袋さんの記憶です。基地の南側を沿って走っている県道26号線の南側に比謝川という川が流れています。島袋さんは、自分の土地は、比謝川の流れが北西から西北西へ変わっている、スライドで示してあるCと言う位置の真北に位置していたと、記憶しております。

 また、南側の北方に見える、スライド・・、あ、そのスライドですね、その後ろのほうに見えております山の形、位置などからもそのことが特定できます。第二は次のスライドです。

 このスライドです。これは1977年5月18日、島袋さんがキャンプシールズの自分の土地ににんにくを植えている写真です。看板の下の方ににんにくが見えてますね。にんにくを植えている写真です。

 この年5月15日、午前零時をもって公用地法はその効力を失い、それに変わるべき法案も成立していなかったので、反戦地主の土地は一斉に不法占拠状態になりました。安保に風穴を開けた4日間と言われています。島袋さんの行動は、当時地元紙や全国紙でも大きく伝えられましたが、朝日新聞はこのように伝えております。

 「防衛施設庁とアメリカ軍に告ぐ、ここは私の土地です。許可なく立ち入り、使用を禁ず。と大きく書いた看板が」スライドにも映っていますけれども、「米軍基地のど真ん中に立った」。そればかりか、「緑の芝生がたちまち耕されて赤土の畑に・軍用地をめぐる混乱が続いている沖縄で18日、一人の反戦地主が家族連れで快挙を成し遂げた。立ち会った防衛施設局職員や、米兵が唖然とする中で、地主は俺の土地だと、余裕綽々だった。沖縄市知花の農業、島袋善祐さん40才、この日、午後一時頃、近くの米工兵隊基地・キャンプシールズ南ゲートに大型トラクターを運転して現れた。奥さんのさだこさん33才と3人の子供をつれ、2羽のアヒルもお供した」と、報道しています。

 この写真に写っている山林、後ろのほうに見えています山林は、今もそのままに残っています。この山林に接して、島袋さんの土地があったのですから、先ほど図で見た山林からやや離れた土地とは違うと言うことがはっきりとわかります。

 第3は、いわゆる、 旧公図に示された島袋さんの土地の位置です。次のスライドお願いします。このスライドは旧公図です。この図は1947年の土地所有権申請書に基づき作成されたものです。これによって、正確な位置が特定できるものではありませんが、土地の配列形状などは、わかるというものです。

 これによると、今ちょっと濃く見えているあの台形の土地、これが島袋さんの土地です。その、右側、東側にあるのが、ちょっと見難いんですが、山林、樹木が山林になっているんですね。これによると、島袋さんの土地は、山林に隣接していることが分かります。これらの証拠から、島袋さんの土地は、島袋さんの記憶通り、防衛施設局が島袋さんの土地であると特定している場所からは、大幅に東側に位置することになります。そこにはなにも施設はなく、その場所は空き地となっているのであります。

 ところで、土地収用法38条は収用委員会の審理において、土地所有者が土地調書や物件調書の記載事項が真実に反していることを立証することができるということを定めています。島袋さんの所有している土地とされている土地は、真実の島袋さんの所有地と異なっていることは、島袋さん自身が現地で容易に説明することができます。ところが、収用委員会が、土地収用法65条に基づいて、代理人と地主立ち会いのもと、現地において、土地および物件を調査することを決定したのにも関わらず、米軍は地主とその代理人の立ち会いを拒否しました。

 さきほど述べましたように、現地に立ち入っても基地の運営上はなんら支障が生じません。それにもかかわらず、立ち入りを拒否したのです。防衛施設局は、土地の位置形状、面積などについて、土地調書や物件調書に記載されている事実が真実である旨を立証すべきであるのに、その立証もできていません。その加えて、さらに米軍は島袋さんの立証を妨害し、収用委員会自身の地主立ち会いの上での調査を妨害したのですから、このことによる不利益は米軍の側、防衛施設局の側が負担するのが当然です。

 次のスライドをお願いします。これは、いわゆる地籍明確化法に基づく地籍明確化作業の一環として作成された編纂地図確認書です。え、赤く囲まれているところですが、2291は島袋善祐さんの所有されている土地であることは、先ほども申し上げた通りなんですが、しかし、島袋善祐の、ユウの字にちょっと注目して下さい。この確認書では、ころもへんに谷と言う字が、書かれているんですが、実際の島袋善祐さんの、祐の字は、しめすへんに右、を書く、祐の字です。自分の名前を間違えて署名する人はおそありませんから、この確認書は偽造のものであることが明らかです。だれが偽造したのかは不明ですが、これにより、地籍明確化作業が如何にずさんなものであったかが示されています。  

 次のスライドをお願いします。

 これは、現地で地主立ち会いの元に作成された現地確認書です。赤く示されているところ、これも字が間違っているんですけれども、これには島袋さんは確認印を押していません。従って島袋善祐さんの土地は未だ位置が特定されていないまま残されているのです。

 以上述べた通り、そもそもキャンプシールズの基地機能が極端に低下しており、特に島袋善祐さんの土地およびその周辺は、軍事的機能がまったくなく、コーラを大量を保管する倉庫や空き地となっています。この土地を収用する必要はまったくないのであります。土地の強制収用が財産権を侵すものである以上、収用は必要最小限にとどめなければならないのであって、必要性がないにも関わらず、収用することは許されないのであります。さらに加えて、島袋さんの土地は誤って特定されております。このような収用しようとする土地の正確な位置の特定さえできていないような、裁決申請は却下されるべきです。以上です。

(拍手)

当山会長:それでは最後になりますが、島袋善祐さん。どうぞ。


  出典:第9回公開審理の録音から(テープおこしは比嘉


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