現地立入の斡旋申入の補充書

一 現地立入りを求める対象土地の範囲

 原則として、裁決申請対象土地すべてについて立入りを求めたい。
但し、黙認耕作地等施設のフェンスの外にある土地及び楚辺通信所在の土地を除く。

二 現地立入りの方法、人数

 対象土地の所有者及び代理人(一地主につき三名ないし五名の代理人)が立入り、現地を調査する。

 収用委または申請人が立入りに同行することは構わないが、右立入りの目的は、あくまでも、地主が先に提出した意見書の内容を補足する意見陳述の準備のためのものであるから、収用委または申請人の立入り同行が不可欠なものとは考えていない。

三 現地立入り実施の古日時及び時期について

 平日でも、日曜・祭日でも可。

 実施時期は、可及的に早急に実施したい。

 各施設ごとに時期を分けて実施することも構わない。

四 現地立入りを求める理由

 土地収用法第四○条は、裁決申請書には、「土地を使用しようとする場合においては、その使用の方法及び期間」を記載した書類を添付するこを申請者に義務づけている。

 ここでいう「使用の方法」は、対象土地が何の目的でどのような使用をするかについて、具体的に記載すべきだと言われている。

 ところで、本件裁決申請にかかる土地の多くは、施設のフュンス内にあり、地主は、当該土地が米軍により如何様な方法で使用されているか、確認できない。

 また、土地収用法第四七条の三は、明渡裁決書には、「土地にある物件の積類及ぴ数量」を記載した書類及び物件調書の提出を申請者に義務づけている。そして、物件調書には、「物件がある土地の所在、地番及び地目」、「物件の種類及び数量並びにその所有者の氏名及び住所」を記載しなければならない。

 右明渡裁決申請書及びその添付書類、とりわけ物件調書の記載内容について、土地所有者としても、これが現地と照合するものであるか、チェックする必要があるが、多くの申請対象土地がフェンス内にあるため、これを実施する方法がない。

 土地所有者らは、一九九五年五月一九日及び同年五月二十三日付の書面をもって、土地調書、物件調書の立会署名要請に対する応答に先立ち、現地立入調査の申し入れをしたが、那覇防衛施設局はこれを拒否した。

 さらに、地主らは、一九九六年二月二十九日付の書面でもって、現地立人についての協力方を求める要諸を那覇防衛施設局に対してなしたが、これについても協力を得ることができなかった。

 従って、本件裁決申請事件、明渡裁決申請事件については、一部の土地(楚辺通信所)や黙認耕作地地域内にある土地を除き、ほとんどの土地について、土地所有者によるその現況(実際の使用方法、地上物件の有無、数量、所有関係)についての確認ができていない。

 本件審理を、円滑かつ実質的に実のある内容にするためにも、土地所有者による現地立入調査は不可欠である。

 なお、立入調査が認められた場合、土地所有者としては、調査に際し、各土地ごとに弁護士を配置し、整然と実施したいと考えている。

   一九九七年三月一○日

                     

         土地所有者ら代理人       
有   銘   政  夫
照   屋   秀  傅
新   崎   盛  暉
阿 波 根   昌  秀
伊 志 嶺   善  三
島   袋   勝  也
前   田   武  行
三   宅   俊  司
新   垣      勉
池 宮 城   紀  夫
加   藤      裕
仲   山   忠  克
芳   澤   弘  明
吉   田   健  一
河   内   謙  策
西          晃
諌   山      博


 出典:一坪反戦地主会
沖縄県収用委員会・公開審理][沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック