求釈明申立補充書

 先に本年三月三日付で提出した求釈明申立書につき、釈明事項を次のとおり補充する。

一 強制使用裁決申請理由書中に「沖縄県所在の施設及び区域は、昭和四七年五月一五日、沖縄の施政権が我が国に返還されるにあたり、閣議決定の上、両国代表が協定を結籍している」(三頁)との記載が存するが、同記載に関連して次のとおり釈明を求める。

  1. 1 去る三月八日に、地元紙に「五・一五メモ」の全文と称するものが、報道されたが、「五・一五メモ」とは何か、正式名称と原文を明らかにされたい。
  2. 「五・一五メモ」どは、どのような法的根拠に基づいて、誰と誰との間で作成されたもので、法的にどのような性格を有するものと国は理解しているのか、明らかにされたい。
  3. 「五・一五メモ」に記載された各米軍施設・区域の使用方法は、本件強制使用認定申請の際に、使用認定申請及び認定の前提、理由となったものか、明らかにされたい。
  4. また、右「五・一五メモ」記載の各米軍施設・区域の使用方法は、本件強制使用裁決申請の前提、理由となっているものか、明らかにされたい。

二 釈明を求める理由

  1. 1 強制使用認定申請は、米軍用地収用特措法第四条により申請書に申請理由を記して、使用認定を行うようになっている。
    同申請理由は、本件土地を強制使用するための具体的必要性と本件土地を米軍に提供することが同法第三条の「適正且つ合理的」であることを具体的に理由付けるものとして記載されるものである。
    右具体的必要性及び「適正且つ合理的」な土地利用を判断するためには、本件土地の所在する各米軍施設の使用方法につき、日米間でどのように合意されているかを確定することは、極めて重要である。
  2. また、本件強制使用裁決申請書には、裁決申請理由が記載され、同理由中において、本件各土地の使用方法が具体時に記載されることになっている。
    右本件各土地の使用方法の具体的特定は、収用委員会が本件裁決申請にあたって裁決申請の却下の是非、裁決の場合の必要な限度での使用期間、使用区域を判断するにあたって必要な前提事実となっている。
  3. よって、本件地主(被使用者)らは、強制使用裁決申請者たる那覇防衛施設局に対し、前記のとおり釈明を求める。

     一九九七年三月十一日

         土地所有者ら代理人       
有   銘   政  夫
照   屋   秀  傅
新   崎   盛  暉
阿 波 根   昌  秀
伊 志 嶺   善  三
島   袋   勝  也
前   田   武  行
三   宅   俊  司
新   垣      勉
池 宮 城   紀  夫
加   藤      裕
仲   山   忠  克
芳   澤   弘  明
吉   田   健  一
河   内   謙  策
西          晃
諌   山      博

   沖縄県収用委員会 御中


 出典:一坪反戦地主会
沖縄県収用委員会・公開審理][沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック