池宮城紀夫さん(土地所有者・土地所有者代理人)

 私は伊江村の平安山シズさんの代理人、ほか全地主の代理人として、そして私嘉手納飛行場の滑走路の地主のひとりでございます。もう残り時間も少ないので、長時間収用委員の先生方お疲れでしょうから、最後のまとめを数分でやりたいと思います。

 まず、きょう私が一番けしからんと思っていますのは、防衛施設局の局長がここに来てないということです。

 この50年間、27年間米軍がブルドーザーで銃剣で取り上げ、その泥棒の強盗を追認して、25年日本政府は地主の皆さん、そしてわれわれの土地を奪い取っているわけですよ。そして日本の安全のためになお使いたいと。そんなに使いたければ、申請者である局長はどうして堂々とここに来てわれわれにちゃんと説明しませんか。ここにも日本の官僚制度の腐った現実をまざまざと見せられた思いです。

 収用委員の先生方は、1時半から本当にわれわれの意見に耳を傾け、そして公平中立に審理をしていこうと。そういう真摯な態度表明をしていただきました。その収用委員会の皆さんに対して局長が出てこないというのは、無礼千万これが日本国家の姿です。

 収用委員会にお願いします。第2回からこれだけ本当にわれわれの土地がほしければ、施設局長は堂々と出てこいと。委員会として次回から局長が出頭することを強く要請していただきたいと思います。

 それから戦後52年目になります。もう私は最初の公用地法以来付き合ってきているんですが、本当にこれほど不条理な現実に自分自身のそして、反戦地主の皆さん方が不条理な状況に押し込まれいるというのをつくづく感ずるわけです。収用委員会の先生方も大多数の先生が戦後生まれのようですが、52年目、なおかつ私も物心ついたころには基地のまわりで、その中で育ってきました。そして私が生きている間に、本当にこの基地がなくなるのかと思うと死んでも死に切れないですわ。

 宜保先生が本当に元気な間に土地を返してもらいたい。

 それから、今回、大田知事が先頭になって、沖縄の基地の整理縮小を突きつけていきました。そしてそれに呼応して全国から安保条約の見直しということで、忘れていた日本の国民の皆さんも沖縄を思い出して、今共に闘っているわけですが、橋本・クリントンの会談の中で基地の整理縮小に努力するということでやってきたわけですが、しかし、その実態はどうですか。普天間基地を返すことにしますと。しかし、その返す先は県内へのたらい回しですね。そして東海岸を埋めて、2,000億とも5,000億とも言われている、海に架設(仮設?)ヘリポートをつくるというわけです。しかしこの25年、沖縄の海は全部殺されてきました。そしてまた東海岸も殺そうというわけです。とんでもない話です。ここできょうの施設局、使用の申請の利用にこう書いてあります。日米安保保障体制は我が国を含むアジア太平洋地域の平和と安定にとって不可欠な枠組みとして機能しており、また我が国への駐留は我が国の安全並びに極東における平和及び安全の維持に今後とも寄与するものであると。そういうことであれば、一体、この国の言っているのが嘘っぱちであることはわれわれがこの50年、沖縄の現実を見ればすぐ分かります。沖縄に米軍基地、そして復帰後自衛隊が入ってきました。われわれの戦後50年、本当に平和になりましたか、とんでもない、私は嘉手納周辺の6ヵ所市町村の907名の原告の皆さんが、もう14年前ですか、静かな夜をせめて夜7時から朝7時まで、静かに寝かしてくれと基地撤去はいりません、そういう爆音差止訴訟を起こしております。福岡高裁でやっております。私は弁護団長をしております。あの爆音にさらされていた、それを何とか今、嘉手納や読谷、そしてこの沖縄市の皆さん、何とかかんとか50年生きてきているわけです。

 ところが国は、この原告の皆さん方が提起したときにどう言いましたか。原告の皆さん方は異常な感覚の持ち主であると。この発想は、きょうの陳述にもあるわけです。地主や一坪反戦の皆さん、わずか0.4%、少数であり、皆さん方は異常者であると。その発想ですね。それじゃ、爆音訴訟の907名の皆さんは、地域の皆さんを代表して、この静かな夜を取り戻すのに今頑張っています。この原告の中に読谷村長もいます。前北谷町長もいます。そして、国会議員の上原康助代議士も原告のひとりであります。皆さん、国から言わすれば異常な感覚の持ち主、そういう人たちが自治体の長、そして国会議員になっているわけです。とんでもない話です。

 それこそ、この50年間、そしてもう52年になりますが、そしてまた、きょうの申請にも、この日米安保体制はもう永久に続くようなことを言っているわけです。そのために沖縄のこの基地が必要だと。本当に安保条約が必要であれば、具体的には普天間の移設のヘリポートが必要なら、東京湾につくってください。そして、きょう東京から、あるいは大阪からいらしている皆さんがいるかもしれません。それを東京湾に一度引き取って、東京1,000万の人間が具体的に安保が見えるようなところから、もう一度考えていただきたいと思います。それが嫌なら、本当に沖縄から、日本から、基地を出ていってもらう以外にないと思います。

 そして、先ほどから言われていますが、特別立法、もう5月14日まで間に合わないからということで、政府は本日が終わると、特措法の一部をいじくって、審理中は不法占拠にならないような法律をつくろうとしていますが、これこそ先ほどから縷々皆さんが説明したように、盗っ人たけだけしいわけです。

 これはどういう法律かと言いますと、私の家に泥棒が上がりこんできて、「出ていけ」と言ったら、泥棒は入る権利はないわけですから、だから泥棒なんです。そしたらその泥棒に、家主の私が「出ていけ」と、「いやいや出ていくが、しばらく出ていかないための法律を今つくっているので、もうしばらく留めおいてください」という、そういうことです。とんでもない話です。もうこれは憲法第29条、あるいは憲法第31条で、これは小学生が考えても、とんでもない形だけの法律です。そういう法律が憲法に違反し、われわれの正常な感覚からとても相入れない問題だと。

 そういうことを政府が近々、もしやるとしたら、それを阻止するために、それを全国に反対運動をまた広げていこうではありませんか。

 そして、収用委員の先生方、橋本総理は国会で機会あるごとに迅速な審理を期待しているというようなことを言っていますが、そういう形で圧力をかけて、陰に陽に先生方に圧力をかけてきていますが、そういうことを絶対にわれわれ県民・国民は許さない。自信をもって、本当に沖縄の未来をかけて、先生方のお一人お一人が、沖縄の歴史に刻まれていく、この大切な審理を担っていることを、今さら私が申すまでもなく、そういう本当の平和、沖縄のためには何が必要かということを慎重に、慎重に、そして十分に審理を尽くしていただきたいと思います。終わります。

 どうもありがとうございました。


兼城会長

 ご苦労さまでございました。

 土地所有者の持ち時間、既に2時間を超過しておりますので、これで所有者の意見陳述は終わらせていただきたいと思います。

 それでは、収用委員会から申し上げておきたいことがございますが、今回の審理について、開会の冒頭で収用委員会の考え方を申し述べてきましたが、それにつけ加えることがございます。

 平成8年12月26日付けの、土地所有者団体からの収用委員会に対する申し入れについては、平成9年2月7日の収用委員会と土地所有者団体との調整会議において回答いたしております。また、平成9年2月14日付け要請のありました申入事項の2点については、次のとおり回答いたします。

 まず、第1点についての各施設ごとの審理については、審理対象としては全施設一括して行い、土地所有者等の意見陳述については、施設ごとに行いたいと考えております。

 2点目の対審構造については、可能な限り申し入れの趣旨に沿いたいと考えております。そのためには、皆様のご理解とご協力が不可欠でございますので、円滑な審理運営が行えるように、よろしくお願いします。

 ちょうど時間が16時53分になりましたので、本日の審理を終了いたします。

 なお、次回の公開審理は、沖縄市民会館において、平成9年3月12日、水曜日、午後1時30分から開催いたします。入場受付は、午後0時30分から開始します。

 本日は、皆様お疲れさまでございました。これをもって本日の審理を終了いたします。

 どうもありがとうございました。


 出典:沖縄県収用委員会 公開審理議事録
    OCRによるテキスト化は仲田さん(XC8H-NKD@j.asahi-net.or.jp)
沖縄県収用委員会・公開審理][沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック