軍用地を生活と生産の場に!
沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック ヤンバルクイナ
http://www.jca.apc.org/HHK/
東京都千代田区三崎町2-2-13-502
電話:090-3910-4140
FAX:047-364-9632
郵便振替:00150-8-120796

辺野古保全、法の外 米軍運用を重視

2013年12月1日 08:40
  •  

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた国の公有水面埋め立て承認申請について、県環境生活部は29日に県土木建築部へ提出した意見の中で、米軍には国内法が適用されず、基地内の問題に日本側が関与できない現状では、適切な環境保全ができないことを明確に示した。基地特有の問題に切り込んだことに、専門家は、同時並行的に進む那覇空港第2滑走路建設に伴う埋め立て事業との差別化につながり、軍事基地と民間施設を別々に論じる下地になると注目している。(社会部・福元大輔)

 ■「日ごろの思い」 土建部に意見を提出した後、県の担当者は「最後の項目を見てほしい」と説明を始めた。最後となる18番目の意見では「米軍基地から派生する環境問題への対応」を取り上げている。

 県や関係市町村が、米軍基地内の環境保全に関する取り組みを確認する仕組みがないことや、基地内への立ち入りや迅速な調査が困難なことなどを挙げ、辺野古に普天間の代替飛行場が完成した際に、環境保全措置が万全ではない状況に懸念を示していた。評価書への知事意見では触れていない踏み込んだ内容だ。

 米軍基地内の環境問題では、ことし8月に宜野座村のキャンプ・ハンセンで起きたHH60救難ヘリの墜落でも、県や村は現場での環境調査を米軍に要請しているが、まだ実現していないのが現状だ。

 普天間飛行場の訓練でも騒音規制措置(騒音防止協定)やオスプレイの飛行ルールが順守されず、住民生活より米軍の運用が優先される状況が続いている。

 環境生活部の幹部は「日ごろの県の思いを込めた」と強調する一方、那覇空港第2滑走路との関係については「それとこれとは別。それぞれで審査している」と述べるにとどめた。

 ■那覇空港と違い 第2滑走路と辺野古の代替施設は、公有水面を埋め立て、滑走路を建設するという事業目的が同じだ。埋め立て面積も160ヘクタールとほぼ同じで、知事の判断時期も近い。そのため、両事業全体を審査する土建部は「審査基準の平等性」を重視している。

 これに対し、環境影響評価審査会の宮城邦治会長は「第2滑走路は国が、辺野古の施設は米軍が運用。県内では基地から派生する環境問題が非常に大きく、その点で環境保全のあり方が異なる」と指摘。特定秘密保護法案にも触れ、「ますます情報が取れなくなる可能性があり、基地内が日本側にとってサンクチュアリ(聖域)になれば環境問題が放置される恐れがある」と危機感を示した。


   
電子メール:hankach アットマーク jca.apc.org

jca-net