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          沖縄・自衛隊基地強化を許さない10・9集会報告

 
防衛省は流動化する東アジアの安全保障情勢や国際テロ、災害への対処能力を向上させるとして、陸上自衛隊の定員を現在の15万5千人から16万8千人へ1万3千人増やす方向で調整している。定員増は陸上幕僚幹部の強い意向を踏まえ、防衛省内局で検討。陸幕は日本近海での中国海軍の動きの活発化に伴い、中国沿岸から距離的に近い南西諸島(与那国島、宮古島、石垣島)での島しょ防衛強化が特に必要と考えている。具体的には、中国が領有権を主張する尖閣諸島への対応を視野に、防衛体制が手薄とされる宮古島以西への部隊配備を検討。沖縄本島の陸自部隊を2020年までに現在の2000人を南西諸島を含め20000人規模に増強する構想が浮上している(与那国島に陸上自衛隊沿岸監視部隊約100人を5〜8年後をめどに段階的に配備等)。これを受け政府は、先島へ陸上自衛隊配備を検討する調査費(配備地の選定調査など)として3000万円を計上。また宮古島以西の航空自衛隊の移動警戒隊の円滑な運用のため、携帯型の電波環境技術調査の機材を取得し調査する費用5600万円も計上した。そしてすでに9月26日から陸上自衛隊西部方面総監部は南西諸島の主要な島の現地調査をしていることがわかった。尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件をめぐり日中関係が緊迫化し、尖閣諸島防衛が議論を呼んでいる事、与那国島からは陸上自衛隊の早期配備と尖閣諸島周辺海域の利活用の要請が出ているおり、政府、防衛省は自衛隊配備に積極的であり、先述したように配備調査費もすでに計上し調査も開始している。このように軍事力を増強している中国への警戒感の高まりを追い風に防衛省は組織の防衛と肥大化をも図ろうとしている。(新聞報道から)

 上述のように先島諸島への自衛隊増強(与那国島への自衛隊配備)が現実の問題になって来ているのを受け、「与那国自前の自衛隊配備絶対反対」を訴え町議に初当選した田里千代基さんに『沖縄の将来と現状・・人の交流が平和をもたらす。 自衛隊配備は紛争をもたらす』と題して講演をお願いした。また沖縄問題に詳しい琉球新報記者の滝本匠さんに『沖縄の自衛隊の動向』と題してお話を伺った。
 魚釣島近海での中国漁船衝突事件から尖閣諸島防衛体制強化が声高に叫ばれている昨今の危険な状況を受け、予想を上回る参加者(104人)で会場は熱気に包まれ、真剣な議論が展開された。


「講演する田里千代基さん」

 与那国島は台湾とは約120キロ、フィリピンとは約540キロ石垣とは127キロ、那覇とは540キロ、東京とはなんと3000キロです。アジアの各国と均等の距離にある与那国島の活性化のためにはアジア各国との交流が重要である。昭和22年には島民の人口が12000人だったのが、戦後、政府によるアジアとの交流制限により人口が減り続け、現在は1200人になってしまった。21世紀はアジアの時代である。アジア各国との交流なくして与那国島の繁栄はない。
 国境(島)の安全保障は住民が住み続けることである。住民がいなくなると国境紛争が必ず起きる。自衛隊(軍隊)配置は紛争を激化させるだけだ。軍隊が国境を安定化させたことは過去に一度もない。
 国境に住む人々同志の交流と話し合いが紛争を起こさない最大の方策である。


「講演する滝本匠さん」

 自衛隊の増強は日本独自の思惑ではない。アメリカの厳しい財政状況により米国世界戦略の文脈の中で日本への応分負担(金ー思いやり予算の増額、人ー自衛隊の増強)をアメリカから求められている結果である。
 
沖縄の陸自・第一混成団を第15旅団へ格上げし、人員を1800人から2100人に増員もアメリカの自衛隊強化の求めに応じたものである。

 自衛隊の軍事活動は単独ではなく、米軍との融合が推進されている。

 那覇基地の航空自衛隊主力戦闘機F4を、米軍主力戦闘機と同じF15に変更した。米軍と共同軍事行動が出来るようにするためである。また自衛隊、米軍の無線が同じチャンネルなった。情報交換、共同戦闘行動をスムーズに行うためである。
最近の陸上自衛隊訓練で注目されるのが、アメリカ海兵隊がイラクから持ち帰った簡易手製爆弾(IED)使って第一混成団の101不発弾処理隊隊員等が昨年11月14日、金武町の米軍キャンプハンセン内で訓練を行っていたことである。同処理隊がIEDの処理を訓練するのは初めてである。専門家は自衛隊の対テロ作戦派遣を視野に入れた訓練と指摘している。これはハンセン海兵隊との共同訓練の先取りになっている。IEDは路上爆弾などとも呼ばれ、軍が携行する通常の爆弾と異なり、日常品などから造られ、道路わきに仕掛けらていることが多く、発見しにくい。イラク戦では米兵の死者のうち4割以上が反政府ゲリラによるものと見られるIEDの犠牲になったと言う報告もある。米軍はその対処に頭を悩ませている。


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