ニュースレター第13号(2005/4)

<はじめに>

文部科学省の所管公益法人である日本原子力文化振興財団(原文振)は、2004年6月15日付けの『プレスレリーズNo.111』として、『劣化ウラン弾による環境影響』という表題のパンフレットを発行し、マスコミ・報道関係者に配布しました。
日本原子力文化振興財団とは、原子力発電の国民的合意形成を目的として設立された機関ですが、日本の方針はあくまでも「原子力の平和利用」ですから、設立目的に沿うならば、ウラニウムの軍事利用を非難することはあっても、それを擁護するかのごとき文書を配布するなど論外です。
劣化ウラン廃絶をめざすいくつもの団体、個人が抗議や文書の撤回、公開討論などを求めていますが、そのうち劣化ウラン研究会も参加をしている「劣化ウラン兵器禁止・市民ネットワーク(市民ネット)」の取り組みを紹介します。


劣化ウラン兵器禁止・市民ネットワークが「原子力文化振興財団」に公開質問状を提出

報告;劣化ウラン研究会・福島和夫

さる2月15日、劣化ウラン兵器禁止・市民ネットワーク(市民ネット)は原子力振興財団を訪問し『劣化ウラン弾による環境影響プレスレリーズNo111』についての公開質問状を提出しました。すでに昨年8月に社民党から政府にたいして『プレスレリーズNo111』について質問主意書がだされ、文部科学省の責任追及をおこなっていますが、今回は原子力文化振興財団(以下、原文振と略す)に直接行ってきました。
当日、原文振の出席者は横手専務理事と今野企画部副部長でした。市民ネットにたいする”素人は黙っていろ”といわんばかりの姿勢に市民ネットの参加者は憤慨していました。また「UNEP(国連環境計画)とIAEA(国際原子力機関)の報告書のみを参考にした。」との発言には意図的な情報操作をしているといわざるをえません。原文振は「昨年発行された漫画の不正確な情報を正すため(プレスレリーズを発行)」と、わたしたち劣化ウラン研究会が協力して発行した漫画に危機感をもっていたことを明らかにしました。
まだ交渉ははじまったばかりですが、会員やこの問題に注目しているすべての皆さんが力をあわせて「プレスレリーズNo111」の撤回をさせるためにがんばりましょう。なお、原文振の正式回答は4月中とのことです。

公開質問状の主旨

原文振がプレスレリーズでめざしたことは劣化ウラン弾が人体や環境にたいして与える影響はほとんどなく、安全性を強張することに目的があると言えます。「日本の自衛隊がイラクのサマワで人道復興支援活動をしているが・・・・・劣化ウラン弾によって隊員が放射線の影響がでるのではないか」と前書きでふれながら、なんら自衛隊員に注意を喚起していません。その一方でイラクで激増している白血病やガンの発生について「劣化ウラン弾の影響ではない」と、マス・メディアをつうじて宣伝しようとしたものの、多くのメディアはこの発表をほとんど無視しました。
劣化ウラン弾の恐ろしさをその戦禍をうけた人々の側にたっている劣化ウラン兵器禁止ネットワーク(以下市民ネットと略す)は劣化ウラン弾の影響を無視しようとする原文振に「抗議の意志」を表明しています。市民ネットは「劣化ウラン問題と深刻な人的被害を一日も早く解決し、イラクの人々の苦しみを解消したいという立場」にたって原文振に「レリーズNo111」の撤回をもとめています。
市民ネットでは劣化ウランの影響と災禍について「解決すること」を主張していますが、医学的な治療という観点からすれば、対症療法が現在の医療技術の限界といわれています。ウラン238は半減期が45億年という気の遠くなる程の長さを持つような放射性物質で、体内被曝の治療は極めて困難と言わざるを得ないこともあり、使用の即時禁止が強くもとめられます。

「原文振の位置づけ、役割」をめぐる質問

財団法人原子力文化振興財団(原文振)は文部科学省の所轄にあって、原子力基本法や財団の規則にもとづいて、「役割、位置づけ」が決定されています。そこで市民ネットは財団の規則「寄付行為第三条」にある「明るい文化社会の形成」と「原子力基本法第二条」にある「平和目的」の文言に着目して、原文振が劣化ウラン弾の安全性を主張していることは原文振の「役割、位置づけ」に反していると問題にしています。
劣化ウラン弾の安全性を主張することと劣化ウラン弾の使用を容認することとは問題のレベルが違います。しかし原文振の主張は兵器としての有効性を容認して戦車や建物の内部で数千度の高温のもとで焼き尽くされる兵士や民間人については全く思いをはせていません。戦争の手段としての劣化ウラン兵器について否定しないことが「プレスレリーズ」に貫かれているといっていいでしょう。

原文振の主張における判断基準についての質問

すでにふれたように「劣化ウラン弾に関する漫画に対応」(横手理事;談話)といっています。当時、劣化ウラン弾に関する漫画は二冊(合同出版と講談社から)発行されていました。いづれの本についても具体的な記述と引用はありません。その上で「UNEPとIAEAの報告」に依拠したもの(横手理事)です。『レリーズNo111』は汚染の可能性や肺ガンの恐れを「イラクでのリスクはほかの地域より高い」と認める一方で「体内に取り込まない限り」と条件づけて「安全性」を主張しています。市民ネットは原文振の主張では劣化ウランの危険性を述べたものとして考え、条件付けることに問題を指摘しています。このような主張は原発の推進派が「放射能を閉じ込めているから安全」というものと方法論的には全く変わらず、「全て安全」になってしまいます。
また、アフガニスタンでの調査結果(アザフ・ドラコビッチ博士のもの)や米軍の発表から、さらに、UNEP(2004年、4月)の「イラクでの汚染の可能性」についての報告やWHO(2003年1月)の「劣化ウランの除去の必要性」やECCR(ヨーロッパ放射線障害委員会、2003年1月)の「体内被曝の危険性」を市民ネットは引用しつつ、「原文振が把握しているのか」と質問しています。なぜなら、原文振にとって都合の悪い「意見」が全て無視されているからです。これらのことは原文振が「原子力文化の向上」といいながら、「原子力推進」にとって「阻害」と判断するものを切って捨てるという姿勢を浮き彫りにしています。

個々の主張を巡る質問

市民ネットは原文振にたいして「これまでのウランによる影響の研究から・・・白血病・ガンに結び付く理由はほとんど考えられない」「極めて安全なウラン」と言う主張の根拠と研究資料の存在を質問しています。また、原文振が「ボスニアにおける劣化ウランの除染」の事実を認めたうえで「劣化ウランの安全性」をいうこと自体が自己矛盾だと批判しています。さらに「α線の測定方法」について、空気中では数センチメートルしか飛ばないアルファ線を1メートルも離れたところでは「検出できない」ので「安全」と主張することは「虚偽記載」にほかならないし、「劣化ウランの影響はない」という原文振の主張について、イラクのバスラ地域での白血病の増加や胎盤通過についての事実をもとにして、主張の根拠を明らかにするよう求めています。
以上の質問で、市民ネットは「レリーズNo111」が非科学的であり、意図的な情報操作を目的にしたものであることを明確にしました。

劣化ウラン研究会は市民ネットの追及を応援します

劣化ウラン研究会は昨年1年間市民ネットに参加し、また個々の会員はその所属する市民団体において、平和を実現し劣化ウラン兵器を禁止しようと活動してきました。このことは「劣化ウラン禁止署名」が数万名にたっしたことや日本での「劣化ウラン兵器禁止の国際署名」が10万名をこえたことにしめされています。これを励みにしながら、様々なところで自主的、創意的な取り組みがおこなわれています。今回の原文振にたいする公開質間だけでなく、抗議声明や反対の声明を自らの所属する団体でもおこなっていただけることを訴えます。そのことが劣化ウラン兵器の災禍にあっている人々ヘの応援となるにちがいありません。今回の質問状は多くの人達の協力によってつくられました。この質問状をさらに深めていくためにも、会員の方ばかりでなく多くの方からの意見や見解を市民ネット劣化ウラン研究会のほうにお寄せ下さい。

<抗議先>
原子力文化振興財団
〒103−0012
東京都中央区日本橋堀各町2−8−4
Tel:03−5651一1571
Fax:03−3639−6636
理事長・秋本勇巳


オーストラリア軍兵士がウラニウムにさらされる懸念

ルーク・マッキルビーン
2005年3月9日

オランダ軍と交替して日本の自衛隊を「護衛」することになったオーストラリア軍、しかし劣化ウランの脅威はオーストラリアでも問題となっている.そのことを報じた短信を翻訳し紹介します。

暴露の危険

イラクに派遣されたオーストラリア兵が残留しているウランで製造された兵器と接触する可能性がある。
オーストラリア陸軍はイラクに派遣された450人の部隊が、ウランを含む有毒物質にさらされる可能性を調べている。
部隊は湾岸戦争の際に米軍によって残留劣化ウランなどのごみ捨て場であったと推測されている南イラクのアル・ムサンナ州に配備されることになっている。
オーストラリアの陸軍偵察チームがウランの存在および他の安全にとって脅威となる物質を調べるためにイラクに派遣されており、今週その報告がなされる予定だ。
国防当局も、日本軍工兵を護衛するために5月にイラクに送られる予定のオーストラリア軍(ADF)部隊の兵士に対するウランの脅威を調査していたことを確認した。
ヘラルド・サンの質問に対して国防省は「我々の人員の安全と健康はADFの最も高い優先順位である」と文書で回答した。
「ADFはイラクで劣化ウランを取り巻く問題に認識を持っている。現在詳細に今度の展開と関係する、広い範囲を調べるためにイラクに偵察チームを派遣している。ADFは、その評価を受けて派遣部隊に可能な限り安全を確保することが出来るための必要な処置をとる。」
ロバート・ヒル国防大臣も上院に対してオーストラリア軍兵士への危険を減らすために汚染された地域の「調査」を陸軍が行なっていたと言った。
オーストラリア部隊が帰還する際に、放射能汚染に対する検査を行うべきかどうかについてヒル大臣は適切な助言をするつもりだと語った。
オーストラリア部隊の派遣により交替で帰国することになる1400名のオランダ部隊では、劣化ウラン弾体が彼らの宿営地の付近で発見された後に、その事実を組合に訴えている。


ファルージヤの抹殺
戦争犯罪と劣化ウランの使用

クリストファー・ポーリン
アメリカン・フリー・プレス(AFP)
2004年12月2日木曜日午後6時09分

ファルージヤの戦争犯罪と劣化ウランの使用について、アメリカン・フリー・プレスのクリストファー・ポーリン記者は、地獄を再現した米国政府、そしてそれを報じないメディアも厳しく批判しています。
この記事を一部翻訳紹介します,昨年の記事ですが、今日ではほとんど当時の様子が語られていないため、重要な報告となっています。米国もそうですが、日本でもまともに伝えられていない重大な事実です。
クリストファー・ポーリン記者は、同じくアメリカン・フリー・プレスにおいて、9・11にペンタゴンに突入した「物体」による放射能(劣化ウランなど)の汚染について紹介する記事も書いています。

管制下に置かれた報道はファルージヤの犯罪事実抹消を無視

報道管制に置かれた報道機関は、ファルージャで行われている米国の包囲攻撃および襲撃により犯された破壊も、戦争犯罪を示す自明の証拠に言及することも徹底的に避けてきた。
アメリカ人が感謝祭の準備をしている11月8日の時点で、ファルージャで攻撃に曝されたイラクの推定10万人の住民は、自分たちの家に閉じ込められたまま米軍によって外部から遮断され、新鮮な食物も水も電気も無い状態に置かれ、生存の危機に瀕している。
一方、もともと35万人以上の人口規模があった都市ファルージャでは、何週間もまだ埋葬されないまま腐敗し、ふくれあがった死体を犬が食べていた。
数千人に達するファルージャの家族は、米軍が救助物資の到着を妨害した結果、危機的な人道状況にあると伝えられている。イラク赤新月社(IRC)人道救援輸送隊も、2週間以上にもわたり米軍兵士によって妨害され続け、11月25日の時点でやっと都市の中心部に住む住民に救援を届けることが許可されたと伝えられている。
感謝祭に、米軍は赤新月社(IRCS)の輸送による数千の食料品梱包、毛布、テントおよび医療用品の市内搬入を許可し、一箇所のクリニックを一時的に負傷者を収容する病院に変更することを許可した。しかしながら、スイス・ジュネーブにある国際赤十字委員会(lCRC)のラナ・シダニは11月30日の時点でアメリカン・フリー・プレスに対して「多くの文民」が、まだ支援または医療を受けるのを阻害されていると語った。
11月5日、ファルージャで米国の作戦が始まった最初に、町の中央にあるナッザール地区の病院が米軍の航空攻撃と砲兵隊砲撃の結果「瓦礫と化した」。「ただその外見だけが、ナッザール救急病院という看板と共に損害を免れた」とロイターは伝えている。
「ファルージヤの主要病院が医療用品を備蓄するのに使っていた近くの施設も破壊された」と目撃者がロイターに語った。地上攻撃が始まったとき、ファルージャの主な病院は米軍によって占領された。これらの戦闘は国際人道法の明白な違反である。
「遺体はどこでも見ることができるし、食品の包みを受け取るときに、人々が泣いていた」と、IRCのムハンマッド・アル・ヌリ報道官がバグダッドで言った。「とてもひどいことだ。これは人類にとっての大災厄だ。」
アル・ヌリ報道官は路上に放置されている多数の死体のために市に入ることが困難で、ICRSの推定では、ファルージャにはまだ6000以上の死体が放置されているという。
AFPはバグダッドの占領当局報道情報センター(CPlC)でジェイ・アントネリ少佐にファルージヤの6000の死体というICRSによる見積もりは信用できるかどうか尋ねた。「我々は死んだイラク人の数を数えない」と、アントネリが言った。同じ質問をされて、ICRCのシダニは「我々は知らない」と言った。
アントネリは「米軍は決して救援輸送隊が負傷者のところに到達するのを妨害してはいない。MNF(多国籍軍)が彼らの安全または安全を保証することができなかったから、我々は救援輸送隊に、市に入るぺきではないと勧告したに過ぎない。」と言う。
「国際赤十字委員会(ICRC)はファルージヤの人道状況を非常に懸念している」とシダニが言った。ICRCがファルージヤにおける市民の苦しみを軽減するために何をしていたか尋ねられて、シダニは「我々は各国に国際人道法の下での、彼らの責任を患い出させようとしている。」と答えた。
アメリカ合衆国および英国という、戦争を続けイラクを占領している政府はICRCに最も大きい貢献をしている2つの国であり、現地活動の予算の42パーセント以上を提供していることは指摘されるべきである。
2004年11月26日、イラク赤新月社の総裁サイド・イズマエル・ハキ博士により率いられたバグダッドからの2回目の輸送隊がファルージャに救援物資を届けた。「ファルージャ、まさに破壊された場所、家も残っていない。」とハキは言った。「人々がどうやったら町に戻ることが出来るだろうか、私には見当もつかない。誰も自分の家さえ見つけられないだろう。」
ファルージャの米兵が、ベトナム戦争以来最も激しいと描写した都市攻撃に従軍しているとき、統制下にある報道機関は、抵抗するスンニ派の町の破壊された映像あるいは論議を徹底的に避けた。例えば、米国テレビニュース番組は、戦闘第2週にあたる時期にはファルージャでの広範囲にわたる破壊を論じるより、むしろ.デトロイトでバスケットボール選手とファンとの間の乱闘騒ぎに集中して多くの時間を割いていた。
第8海兵連隊第l大隊の指揮官フランドル中佐は彼の部下にこんな「激励演説」をしているのが撮影されている。
「敵は顔を持っている,奴はサタンと呼ばれている」とフランドルが言った。「そいつはファルージャにいる。そして我々はそいつを破壊するのだ。」2004年11月中にイラク国内で少なくとも136人の米軍兵士が殺され、800人を超える負傷者を出した。大部分はファルージャであった。イラク侵略が2003年3月に始まったときから最大の犠牲を払った月および作戦なのである。

何のために?

戦闘期間の間ファルージャにいた「タイム」誌のバグダッド支局長マイケル・ウエアは、米軍がファルージヤで行っている戦聞で「我々が止めようと努力している悪夢を引き起こして」いると語った。
ウエアは11月24日に「私がいたとき、アメり力兵の少年たちが死ぬのを見た」とNBCニューズのクリス・マシューズに話した。
「つまり、男が至近距離から発射したロケット発射式手りゆう弾によって吹き飛ばされて死んだ。なぜだと考えないわけにはいかない。一体何のために?」
「ニューヨーク・タイムズ」はファルージャで米軍が行なった行動を報告し、その中で作戦行動が陸戦法規の明確な違反を構成するとは指摘せずに、米国の陸軍野戦教範27−10に書かれている戦争犯罪の一応の証拠と見ることができるとした。
例えば、「ニューヨーク・タイムス」の記者エドワード・ウォンが2名の特派員と共に2004年11月20日に書いた記事では、来海兵隊が屋上に狙撃兵と機関銃手を配置し、モスクを要塞に変えていたと報告している。それからウォンは、受動態の書き方で米軍が人道救援輸送隊を阻止したとは書かないで「中立のグループも市に入ることが出来なかった」と続けている。そのうえウォンは「電気および水が断絶されていた」と書いた。
会社のモットーが「出版するのにふさわしいすべてのニュース」である「ニューヨーク・タイムズ」は、米軍が34万人の人々が住む都市への水および電力の供給を断っていたことを読者が知る必要があるとは考えなかった。米軍がファルージャヘの電力と水の供給を絶っていたかどうか尋ねられて、占領当局情報センターのジェイ・アントネリ少佐はこう書いている。
「多国籍軍は、イラク暫定政府の認可を受け、アル・ファジュル(夜明け)作戦が始まったときに、ファルージャ市への電力供給を遮断した。給水システムは意図的に遮断してはいない。しかしながら、攻撃の間に設備に若干の傷害があった。」
アメリカン・フリー・プレスは、国防総省のジョー・ヨスワ中佐に、米国の軍事行動でモスクを要塞として使用していたことは事実かどうか尋ねた。「それはできない」と∃スワ中佐は言った。「どんなことがあっても。我々は攻撃地点としてモスクに狙撃兵を配置しない。」占領当局情報センターのアントネリは言った。
「多国籍軍はモスクを「要塞」としては使用しない。彼らが攻撃されていて、そして自己防衛のために撃ち返す場合に限って、多国籍軍およびイラクの保安部隊はモスクから発砲することができる。」
ファルージャからの難民アブ・サバは、リン爆弾を見たと報告した。
「彼らはキノコ雲のような煙を立てる気味の悪い爆弾を使った。その時、小さい小片が煙の長い尾を引きながら空から落ちてきた。地上で爆発すると、30分から1時間くらい大きな炎を上げて燃え続けた」とアブ・サパが言った。「誰でもこれらの炎に触れたら、体は何時間も燃え続けた。」
ファルージャからの目撃者が同じく「融けた」死体を見たことを報告した。

「使い捨ての兵隊」

戦争が始まって第一週目のCNNで、ファルージャでビルに向けて劣化ウラン(DU)ミサイルが発射されているように見える映像が映し出された。AFPは国防総省に対し、劣化ウラン兵器がファルージャで使われているのかどうかを尋ねたところ、同省(の報道官ジョー・ヨスワ中佐)によれば、劣化ウランはM−1エイブラムス戦車の標準的な砲弾であるとして、その使用を事実上認めた。
ファルージャの米海兵隊員は、爆発した劣化ウラン弾により発生した(重金属と放射性の)毒ガスに非常に近い場所にいる。そこでAFPはヨスワ中佐に対し、兵士を劣化ウランの毒から防護するための対策を何か取っているか尋ねた。ヨスワ中佐は、劣化ウランの使用によって引き起こされる危険性については、気づいてさえいないようだった。
元ローレンス・リバモア国立研究所で核科学者だったマリオン・フルクはAFPに対し、劣化ウランで汚染した戦場に派遣されている米軍兵士は「使い捨て軍人」だと思うと語った。ファルージャでも、そしてほかのところても、劣化ウランに暴露された海兵隊員は将来ガンやその他の健康被害を受け、さらにその子らが先天性の疾患に罹る危険性に直面する。

ファルージャの抹消

イリノイ大学国際法のフランシス・A・ボイル教授によれば、「ファルージャの抹消」は重大な戦争犯罪である。「ファルージャの抹消は急速かつ継続している」と、ボイルは11月15目の記事に書いている。現在進行形の戦争犯罪、ファルージャの抹消。「1945年のニュルンベルク憲章の条項6(b)は重要な部分で、ニュルンベルグ戦争犯罪を都市や町または村の「理由がない破壊」と定義する。この決定的な定義によれば、ファルージヤのブッシュ政権による破壊は、それによって裁かれ処刑されたナチスの戦争犯罪を構成するのである。」
不幸にも、劣化ウランの致命的な脅威は、まさに以前からの私たちの警告そのままに起きています。私たちのホームページにある劣化ウランのコーナーを訪問して、このひどい現実に関する論説を読んでください。デニス・クシニッチ下院議員からのビデオグリップも掲載されています。これを見てもらえば、隠されている現実が明らかとなるでしよう。


ニュースクリップ

アッバース・アリ・アルマルキー君が亡くなる

(2005年2月12日毎日新聞)

とても悲しいニュースです。
2004年に来日し、約10ケ月にわたり名古屋大学付属病院で治療を受け、イラクに帰国した6歳のアッバース・アリ・アルマルキー君が2005年2月6日に亡くなっていたことが、主治医のフサーム・マフムード・サーリフ医師から名古屋市の市民団体「セイブ・イラクチルドレン名古屋」(小野万里子代表)に送られた電子メールで判明しました。
サーリフ医師からの連絡によると、アッバース君は帰国後も元気に過ごしていたが、5日夜に突然発熱。翌6日朝に父親の手で病院に連ばれた時には意識はなく、そのまま亡くなったそうです。悪性血液疾患の再発ではなく、感染症の疑いがあるとのことです。
小野さんは「日本の支援で元気になったアッバースは、白血病の子供たちの希望の星だった。語り尽くせない悲しみを感じます」と毎日新聞の取材に答えています。

ボランティア通訳で選手の交流を支援した西村陽子さん

(2005年2月26日毎日新聞)

「アラブの子どもとなかよくする会」の西村陽子さんが、長野県で開かれていた「スペシャルオリンピックス(SO)冬季世界大会」で、ヨルダン選手団のボランティア通訳として活躍していたことが紹介されています。
2003年6月、イラク戦争後のバグダッドに入り、劣化ウラン弾の被害を受けて白血病になった子供たちのために、隣国ヨルダンで購入した医薬品を半年間にわたって届けたりという支援活動の一端や「障害者が多くの人から拍手を受けるSOの理念は世界平和に通じる。大会を機に多くの交流が進むことを願っている」とのコメントも紹介されていました。

秋日大学の貯蔵室で劣化ウランが発見される

(2005年4月6日毎日新聞)

秋田大学放射性同位元素センターの貯蔵室に、硝酸ウラン約474グラム、劣化ウラン約0.8グラムなどが無許可で保管されていたと文部科学省が2005年4月6日に発表しました。
容器は段ボール箱に入れられビニール袋で何重にも包装されていたため、周囲への汚染は無かったと見られます。保管されていた場所は放射線障害防止法で管理区域とされたところでしたが、原子炉等規制法に基づく使用許可は受けていなかったとのこと。
このウランは試薬として使われていたものとみられますが、この段ポール箱は1989年に大学の別の建物から運ばれたもので、放射線測定器具が入っていると考えられていたようです。
この事件で象徴的なのは、わずかな劣化ウランであっても無許可保管などが法令に違反するということ、さらに文部科学省はこの事件を受けて職員1人を現地に派遣し、安全管理の徹底を求めだということです。
言うまでもなくイラクにはトン単位で劣化ウランが放置されたままであり、この極端な違いを日本政府のみならず国際社会はどう捉えるのかが問われるのです。

ニューヨーク・タイムズ意見広告運動の報道

(2005年4月9日共同通信)

2005年5月にニューヨークで開かれる核拡散防止条約(NPT)再検討会議を前に、広島の市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」が核廃絶に向けた明確な計画の策定を求める意見広告を地元紙ニューヨーク・タイムズに掲載するために、広島市内の街頭でカンパを呼び掛ける行動を行いました。
予定している意見広告は新聞半ぺ一ジ大で、原爆投下直後の広島市内の写真を掲載し「投下翌日のグラウンド・ゼロ」と表現、ブッシュ米大統領と米国民に「苦しみが終わることのない戦争被害者のことを考えてください」と呼び掛けます。
掲載予定は4月末で、かかる費用は約500万円。
共同代表の森滝春子さんが「核戦争が再び現実味を帯び、NPTは危機的な状況にある。意見広告は影響が大きく、各国代表にも訴えられる」と訴え。同会からも被爆者ら18人を再検討会議に派遣することにしています。
同会ではこれまで、イラクの劣化ウラン弾被害調査などにも取り組んできました。
意見広告のカンパ間い合わせ先は、電話082(502)3850まで。

自衛隊イラク派遣訴訟団弁護士の現地調査

(2005年4月10日毎日新聞)

2005年4月10日に「自衛隊イラ7派兵差し止め訴訟」の原告と弁護団による「ヨルダン・アンマン調査団」が帰国し名古屋市内で記者会見を行い調査概要を発表しました。
調査団は愛知、山梨、北海道、大阪の弁護士ら8人で米英軍の行為が国際法違反であることや、自衛隊の活動状況やイラク国民の反応について証言を集めることを目的として2005年3月25日から4月1日までヨルダンに滞在し、イラク人ら約15人に聞き取りをしました。
会見では、調査に参加した愛知訴訟団の原告、弁護士の3人が「米軍の劣化ウラン弾で破壊された戦車の残がいなどが近隣国に持ち出され、放射能汚染が拡大している。オランダ軍撤退は、放射能被害を受けたことが理由の一つ。自衛隊は、攻撃を受けないようサマワの複数の部族長に巨額の金銭を贈るなど、復興に必要な事に支出していない」などの証言を紹介しました。
会見した川口創弁護士は「現地の状況が十分報道されない中、裁判官に現状を伝える重要な証言が得られた」と評し今月中に全国弁護回会議を開いて協議のうえ、各訴訟共通の証拠として結果を提出する予定。


資料紹介

最新出版「初めて明かされる!サマワ帰還米兵、イラク住民の劣化ウラン被曝」

イラクウラン被害調査緊急報告集会・記録
UMRC;アサフ・ドラコヒッチ博士講演会 in OSAKA 2004.4.14

この小冊子は2004年4月14日に大阪で行われた、ウラニウム医療研究セン夕ーUMRC所長のアサフ・ドラコビッチ博士の講演会の記録です。
ドラコビッチ博士の来日は、2003年11月に続いて2度目でした。2004年4月の訪日は、アフガニスタンの第1次と第2次のウラン汚染調査に続いて、2003年9〜10月にUMRCが行った、イラク市民の汚染調査の結果やサマワ帰還米兵の汚染調査等の結果を報告することが目的でした。
ドラコビッチ博士の報告は、アフガニスタンでの第1次と第2次の調査のショッキングな結果から始まりました。UMRCの現地調査チームは、アメリカの空爆にさらされたアフガニスタンの人々が、これまで見たことがないような高い濃度のウランに汚染されていることを発見したのです。
ドラコビッチ博士のイラク調査に関する報告は更に驚くべきものでした。2005年4月3日に「ニューヨーク・デイリー・ニュース」がスクープしたサマワ帰還米兵の劣化ウラン被曝、バグダッドやバスラなどイラクの住民の劣化ウラン被曝、そしてわずか2週間調査に携わっただけのUMRCスタッフ白身の被曝。これらの驚くべき事実は、米英軍が大量に使用した劣化ウラン/ウラン兵器によってイラクの環境が深刻に汚染されていることを知らせています。
この小冊子には、2004年4月のドラコビッチ博士の報告やプレゼンテーションの全内容とともに、サマワ帰還米兵問題の関係資料を掲載しました。劣化ウラン研究会は、いかなる困難な中でも真実の追究をやめないドラコビッチ博士とUMRCの活動に、微力ながら、引き続き支援を続けていきます。この報告集もその支援の一環で、収益はすべて分析費用に寄付されます。是非ともご一読ください。

お申し込み、お間い合わせはUMRCイラク・ウラン被害調査カンパキャンペーン事務局まで。
ご希望の方は、宛て先と希望冊数をお知らせください。
資料集と振り込み用紙をお送りします。代金は後払いで結構です。
A4版77ページ販価700円


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