イラク不法占領に対する国際的要求

フォーカス・オン・グローバル・サウス
2003年5月9日
ZNet原文


1946年、ニュルンベルク裁判は、次のようは判断を下した。「侵略戦争を始めることは、ただの国際犯罪ではない。すべての悪をその内部に蓄積しているという点において、他の戦争犯罪とは区別される至高の国際犯罪である」。

これに従い、私たちは、次の点を求める。

米国と英国によるイラクの不法占領を直ちに終了し、全ての外国兵士、軍事顧問官、代表、軍機材と武器を直ちに撤退・撤去させること。

私たちは、以下の点を主張する。

イラクの人々の将来を決定する絶対的な主権はイラクの人々にあり、国際的な支援の必要性についての全ての決定は、イラクの人々のみによってなされるべきこと。

米国と英国のイラク占領は不法であり、占領軍により設置されたいかなる行政的組織も暫定政権も不法であること。それゆえ、占領軍とその代表によってなされたいかなる決定も、イラクの人々に対する拘束力を持たないこと。

国連が管理しているイラク石油口座が、不法な戦争と国連の経済制裁によりもたらされたイラクへの損害の再建に要した費用の支払いに用いられてはならないこと。この基金は、イラクの人々が選んだ正当かつ人々を真に代表する政府が作られるまで、イラクの人々のための信託基金として維持すべきこと。

国連とその諸機関、各国政府、非政府組織(NGO)などが、イラクに対する不法侵略と不法占領を合法に見せかけるような役割を果たしてはならず、また、不法侵略と不法占領から利益を得てはならないこと。人道援助は、占領軍の軍事的・政治的・経済的目的を促すための支援に使われてはならないこと。

国連と各国政府、NGOは、自らの資源や公共的資金を、侵略・占領軍の法的及び道徳的義務である占領下の人々に対する人道援助と再建その他の開発活動に、使用してはならないこと。また、イラクの人々の権利であることについて、「援助」と規定してはならないこと。

イラクのあらゆる天然資源と公共施設に対しては、イラクの人々が主権を有していること。侵略占領軍とその民営部門の協力者たちは、天然資源開発から得た利益や基本的な社会サービスと施設の建築から得た利益を誰がコトロールするか決める権利を、全く有していないこと

米国主導のイラク侵略によって引き起こされた物理的・社会的・経済的・心理的・環境的・文化的・遺産的破壊に関する再建と補償と賠償に要する全ての費用は、侵略者が担うこと。

国連安保理のもとでの経済封鎖により引き起こされた物理的・社会的・経済的・心理的・環境的・文化的及び遺産上の損失と損害、苦痛に対する賠償は、国連安保理の常任理事国が支払うこと。

さらに、12年間にわたる経済制裁と2003年の侵略により、物理的・経済的・心理的損失とトラウマを負った全ての人々に対して、賠償を支払うべきこと。それにあたっては、個人及び集団の申し立てにより、独立の賠償法廷がそれを行うこと。

私たちは、以下を求める。

ジュネーブ条約とニュルンベルク裁判の原則に従って、ジョージ・W・ブッシュ、ドナルド・ラムズフェルド、ディック・チェイニー、ポール・ウォルフォウィッツ、コンドリーザ・ライス、コリン・パウエル、トミー・フランクス、トニー・ブレア、ジャック・ストロー、ジョン・ハワードをはじめとする者たちの戦争犯罪を調査し裁くこと。

侵略国に対して、主権国家に対する不法な先制攻撃により、国際的な制裁を加えること。

米国政府は、全ての主権国家に対して武力による威嚇及び武力行使を断念すること。

2003年5月7日
フォーカス・オン・グローバル・サウス
(タイを拠点とするNGO)


この宣言に対する賛同の署名は、下記(英語)から行なって下さい(妨害のためページが移動しました)。
http://www.focusweb.org/guestbook/
それでもアクセスできない場合、直接、賛同の署名を送ることができます。その場合には、お名前、住所(国・県・町)、"I endorse the statement"と書いて、n.bullard@focusweb.orgに送って下さい(2003年5月13日に教わりました)。



ちょうど5月11日、「有事法制とイラク再建復興」を巡る討論番組がNHKで放映されていたようです。現在、「再建復興」という名のもとに、イラクの社会資本・天然資源の大規模な略奪が開始されています。日本政府は、この略奪に相乗りし、また、これを機に、自分も略奪占領に積極的に参加できるよう、有事法制を強化しようとしています。有事法制反対の意見を、首相官邸へ送りましょう。官邸のfaxは03-3581-3883、また、オンラインご意見箱からも意見を送ることができます。

「進歩的」な人の中にも、サダムが独裁者であり残虐であることを考えると、米英によるイラク攻撃については、簡単に「テロにも戦争にも反対」などと言うのを躊躇するといった人がいます(私自身は別の意味でこのような単純化は嫌ですが)。そうした人々は、米英日のプロパガンダと政治意図とを混同しています。サダムを攻撃するというのは、プロパガンダに過ぎません。この侵略は、統制権・略奪に関するものであり、攻撃は、イラクの人々に対して行われたものであり、そして、今も、イラクの人々に対する、経済的・社会的攻撃が、暴力による攻撃とともに進められているのです。。
益岡賢 2003年5月11日 

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