95 「長生きをする意味があるか」という知人の メールのこと、など。(2013年10月12日 掲載) 

 以下は、ほとんど私の近況の、ほとんど愚痴ばかりですので、ご用とお急ぎのある方は、全部無視してくださいますよう。

  「長生きをする意味があるか」: 
つい先日、私よりも年配の文芸評論家の知人からメールを送られてきました。彼は、 さらに年配の数学者の知人との間に電話で長話をしたそうで、そのときの話題は、もっぱら長生きということについてだったそうです。
 最初は、こんな老齢なカラダで長生きをする意味はどれだけあるのか、とは明らかさまにはなかったけれど、会話の底流にはそんなペスミスティックな思いが流れていたそうです。「吉川さんにとっても、戸井(十月)、中川(六平)、五味(正彦)と、まるで申し合わせでもしたような、若い人たちが手に手を取っての旅立ちには、さぞ深い思いをもたれたことと推察します」とそのメールにはありました。ですが、最後には、彼は、吉川も含め、80台や90台に入っているのだったら、「こうなったら、少しでも生き延びて、世の行く末を見極めて、ほんの少しの引っ掻き傷でも残してやりたいと あらためて思いますね。すっかり足萎えの老人になってしまった私に、何ができるかという思いはありますが、私たちを越えて先にあちらに行ってしまった連中のことも考えながら、やれることをやっていきたいと思います……」と終わる言い方でした。
 また、偶然に同じ頃になったのですが、別のやはり先輩の国文学者・作家からは、「小生、すべての成人病(高血圧、糖尿病、前立腺炎)をかかえ込んでいますが、元気でやっています。百歳現役をめざして」という手紙をいただきました。
 そうなんだろうな。知人たちからのこのメールや手紙を、あれこれ考えたあと、やはりそうなんだろうなと思い、メールをくれた彼には電話をして、そんな返事をしたのでした。
 健康状況はとても悪化しています: 私も、この数ヵ月、健康状況は急速に悪くなり、本当に「足萎えの老人」になっています。6月のデモ参加の翌日からひどい腰痛が続いており、まず100歩も歩くのがやっとで、そのあとは、しばらく休まないと先へ歩けなくなります。車を動かすのは可能なのですが、5階の私の部屋から降りて(もちろんエレベーターですが)、少し離れた駐車場まで行くの も辛くなるのです。痛みのためではしょうが、腰がかなり前へ曲がり、前方を見るのではなく、自分の靴の先ばかり見て歩くような姿勢です。このまま腰の曲がったままで治らないのか、それとも、腰痛が終われば、 また腰が伸びてくれるのか、心配になっています。それに、前回も書きましたが、キッチンの流しの前に立って、茶碗や皿を洗う姿勢がとても辛いのです。5分も前に曲げて水を使っていると、腰の痛みはひどくなり、しばらく椅子 で休み、一服しなければなりません。料理は好きになっているのですが、続けられるのかな、という心配も出ています。 また、しゃがんだり、低い腰掛から立ち上げるのかとても困難です。脚に力が出ず、どこかに手をつけるものが傍にあったり、上の何かから手を引っ張るようなことがないと、立ち上がるのが難しくなっています。
 2ヵ月に一度ある「市民意見30の会」の機関誌『市民の意見』の発送作業や、その編集委員会の会議、毎月ある事務局会議などには、毎回参加してきたのですが、ここ半月ほどは欠席させてもらっています。9月末には、9回目に あった西東京市での反原発デモにも、残念ながら参加できませんでした。 そして、今日は毎年参加をしていた小田実さんの記念集会も、ついに欠席になってしまいました。腰痛が一向にとれないのです。
 一度は救急車の助けも頼みました: 10月1日でしたが、午前3時、もう寝ようと思っていたら、右腕が痺れ、右手から物が掴めないようになりました。いつも言われている脳梗塞再発の影響の状況そっくりでした。30分ほど様子を見ていたのですが、治りません。 やはり早速の治療が必要だな、と思い、何とか入院の準備と、下着や人工膀胱への手当て用の器具などをバッグに詰め込み、119番に電話をしました。20分で救急車が着き、あちこち の病院へ連絡電話をやったあと、4時ほどに市内の病院に送られました。すぐにMRI検査を始められ、脳梗塞治療用の点滴も行なわれました。報告すればまだ書くことはかなりありますが、省略して結論だけを述べておきます。ありがたいことだったのですが、MRI検査の結果 は、手の痺れなども脳梗塞の再発のせいではないことは確認できたのです。点滴の終わった午前9時過ぎ、帰られるのなら退院して帰宅してもいいぞ、と言われ、タクシーで自宅に戻れました。まったく徹夜になりました。2日後の朝、この病院から借りていたMRI検査の写真フィルムを持って、以前から脳梗塞の治療をつづけていた元来の病院に予約し、診断を頼みましたが、やはり、脳梗塞ではないという判断でした。 手の痺れなどの原因はいろいろありうるので、すぐ結論は言えないが、もしかすれば、
腰椎圧迫骨折の影響かも しれないという話もありました。そして、午前2時や3時まで起きているのではなく、遅くも0時までには就寝しなさい、脳梗塞の薬だけはかなり続けなさい、などと言われました。そのあと、途中で昼食をとったあと、このフィルムを今度の病院へ返すために寄り、そのあと、予定があった 整形外科クリニックに、リハビリに行きました。とにかく、この数日間、病院やらクリニックやらを回るだけで、それ以外、生きている意味のあることは何も出来ずに日が経つばかりでした。MRI検査は安くないのですね。私は1割の健康保険になっているのですが、それでも5千円以上でした。
 なんと、ハードディスクが壊れ、パソコンがストップしました: 悪い時は悪いもので、いつも使っていたDELLデスクトップのWindows7のパソコンがまったく動かなくなりました。メールのやり取りも、もちろん、ストップです。DELLにすぐ相談し、いろいろ検査もしてみたのですが、結論は、ハードディスクが破壊されており、修理しても、パソコンは工場から出した時の状態に直すことは出来るが、これまでのアプリもまた、すべてのデータも消えてしまうとのことでした! この私個人の ホームページも、また、やはり私が編集してきた旧ベ平連関連のサイトも、全部消えてする恐れもありました。しかし、私がインターネットで参加している「JCA・NET」が、その両方ともデータを保有しており、すぐにCD2枚に入れて送ってくれました。しかし、それ以外のアプリやデータは、別のパソコン会社に担ぎ、復活できるものすべてを取り出す作業を頼みましたが、4万円以上も必要でした。
 これまでのWindows7もかなり長くなってきているので、エイッとWindows8の入った新しいパソコンも買い直すことにしました。家計簿はひどい赤字になっています。しかも、新しいWindows8は、かなりこれまで のパソコンのものとユーザーインタフェースが違ってきているので、しばらく慣れるまでは、うまく使えません。今、このサイトを今書いており、編集したり、アプロード したりするなどは、なんと、それよりもっと前のWindows Vistaの古いパソコンを使っているのですよ。新パソコンを自分なりに使えるようになるには、しばらくは時間がかかりそうです。
 料理はちゃんとやっているのですよ: お見舞いの電話をくれる知人たちは、腰が痛いそうだが、 食事はつくっているのか? 大丈夫なのか?などと聞かれます。毎日配達してくれる宅配の弁当もあるじゃないか、と推してもくれます。確かに、毎日のように、新聞と一緒に 宅配食事のチラシが届いてきます。内容も、値段もまずよさそうだな、と思うものもあったのですが、その良さそうな宅配の会社は、社長が自民党で、使っている労働者たちにひどい搾取を続けている会社だと知りました。PARC(アジア太平洋資料センター)の機関誌『オルタ』10月号にも、「ブラック企業大賞2013」が掲載されており、その4社のトップとして、「一般投票賞」の賞状が、私がこの宅配は良さそうかなと思っていた「ワタミフー ドサービス株式会社殿」宛に出されています。
  同賞状には、「貴社は2008年6月に正社員だった森美菜さんを、厚生労働省が定める過労死ラインをはるかに上回る長時間労働によって、わずか入社2ヶ月で 精神疾患と過労自殺に追い込みました。……その後も貴社は責任を一切認めることなく、創業者である渡邉美樹前会長ら、貴社役員は遺族からの求めに応じず、いまだに面談も謝罪も拒否しています……」とあります。で、やめました。
 やはり、腰が痛くても、不可能になってしまうまでは、何とか、自分で料理はつくっていこうか、と思っています。最初に紹介した「百歳現役をめざして」という知人は、「ゆたかな食事メニュー、やはり吉川さんと驚いています」と書いてくれているのですね。
 例えば、今日の朝食を紹介してみま
しょうかね。                                              
 

 

 

 米飯、わかめと蒲鉾の味噌汁、鮭の焼づけ(左の写真、以下はその順で右へ)、里芋のそぼろ煮、椎茸とこんにゃくのピリ辛炒め、竹輪ときゅうりの昆布酢の和え、そして千枚漬けでした。それほど悪くはないでしょう? 先に引用した手紙で褒められたので、ここ数日のレシピ(夕食だけ)も書いておきましょうか。
 @野菜ジュース缶、カリカリ梅と青じそ・ちりめんじゃこの混ぜご飯、鮭の野菜味噌汁、赤魚のみりん干し、蕪の柚子香り漬、A野菜ジュース缶、ささ身入れとろとろ中国粥、竹輪ときゅうりのごま酢和え、B野菜ジュース缶、筍ご飯、ほうれん草の味噌汁、牛肉のしぐれ煮、帆立と大根のなべ照り焼き、きゅうりとニンジンの浅漬け、大根たまり漬け、椎茸昆布、Cきのこ炊き込みご飯、豆腐と青梗菜のスープ、厚切りれんこんのオリーブ油ソテー、鶏の炙り焼き(ブラックペッパー),さつま揚げときゅうりの酢の物、D野菜ジュース缶、米飯、中国風かき玉汁、青梗菜と桜えびの豆板醤炒め、鶏の和風照り焼き、椎茸昆布、沢庵、などなどです。Aの中国粥、Bの牛肉のしぐれ煮、帆立と大根のなべ照り焼きは、我ながらかなり旨かったと思っています。ただ、食欲はあるのですが、分量がとてもえらく少なくなり、これはよくないなと思っています。
 
新聞は2紙を採るのは無理ですね: 昨年の9月から、それまでとっていた『朝日新聞』のほかに『東京新聞』もとるようにしました。内容はかなりいいと 思ったからです。しかし、2紙の新聞をよく読むというのは、かなり大変、というよりは、私には無理でした。脳梗塞以後、読書のスピードがかなり遅くなっていることもあり、読むというよりはページをめくるだけみたいなことになってしまいます。日によっては、『東京』は最後ページの「きょうの運勢」(これは面白いと思っていました)と詳しい説明記事のあるTV紹介のページを見て、あとは文化欄、書評欄ぐらいしか見ないことも多くなりました。 一緒の『朝日』も同じようになってきて、2紙をとったほうが、かえって新聞をあまり読まなくなるということになったのです。それで、残念ですが、1年後の9月末で『東京』はまた配達をやめてもらうことにしました。
 新聞との関連ですと、9月15日の『朝日』読書欄に吉岡忍さんの「戸井十月の世界」という文が、また、室謙二さんの『アメリカで仏教を学ぶ』の紹介が載っていましたね。また14日の『朝日』にも「惜別」欄に戸井十月さん についての文が出ていました。また15日『朝日』朝刊には、「ベトナム国交樹立40年」とのページがあったのでしたが、その中の「日本との交流」年表には65年で、ベ平連のデモの写真が出ていました。これとは関係はないのですが、同じ新聞に出ていたものでは、同日に「高齢者の『粗食』に注意」というページがあり、「肉・脂の不足 老化早める」と、肉など動物性を多く食べるべきだと強調し、「ふくらぎが細くなっていないかなどをチェックすると良い」とあります。私の場合はそれだな、と思えてきました。腕もふくらぎも、えらく細くなっています。何とか、秋で涼しくなってきているのだから、もっと食欲、食べる量を増えさせないといけないな、と思っています。6月には43kgで、体重はずいぶん減ってきたなと思っていたのですが、9月末には、なんとジャスト40kgになっています。このままだと、体重はなくなってしまいそうです。
 こんなことを書いているということは、やはり、上述の知人の意見と同じように、先に行ってしまった連中のことを考えながら、やれることをやって生きていくのだな、と思ったわけなのですね。

 さて、本当に、あまりにも私況のみの駄文を続けました。読んでくださった方には、申し訳ありませんでした。