20.  電動車椅子が来ました。それから在宅酸素療法のその後 (2004/12/14記入) 

「News」欄のNo.102に載せた2004年の私の賀状の中で、まったくの私的な面では、今年こそ、私は電子ピアノを、連れ合いには電動車椅子を入手しようと思っています。 どちらも73歳からはじめる「冷や水手習い」です。……」と書きました。この私的公約のうち、電動車椅子のほうが実行されました。
 機種の選定でいろいろ悩んでいたのですが、12月に入ってしまったので、やっとこれだというものを決めました。左の写真のような車椅子が、先日、我が家に到着しました。「日進医療器」製の「電動車いすネオピーツー」という製品です。電動となると、かなりの容量の電池が必要ですから、相当な重量、堅固さです。車は手動の車椅子より太く小さく、六輪です。速度は6〜3キロで、6キロでは歩いてついてゆけぬ速さです。フル充電で連続走行距離が15kmだそうですから、これは充分です。
 これを選んだのは、この車椅子は二つに分割できて、「車のトランクに楽々収納」という売り文句に引かれたからです。家の近所だけで使用するのでしたら、車に積む必要などはないのですが、通院先でも使用しようとか、桜や紅葉をちょっと離れた公園へ見にゆこうとかいうことになると、車に積めるということが必要になります。
 しかし、全重量が30kg近くあるので、二つに分けても、はたして車のトランクに「楽々収納」させることが、私に出来るかどうかが不安なのでした。1週間ほど前に、近くの介護用品などのレンタル店から実物を持ってきてもらい、試してみました。分割や組み立ては、素人にも簡単に出来たのですが、やはりとランクに詰め込もうとするのは簡単ではありませんでした。重量は、電池のついている重いほうでも、なんとか私にも持ち上げてトランクに入れ込むことは出来たのですが、問題は大きさです。二つに分割したものが、一緒にはどうにもとランクに収まらないで、蓋が閉まらなくなってしまうのです。入れる際の組み合わせ方などの「コツ」があるのでしょうが、持ってきたレンタル店の業者の人といろいろやってみたのですが、うまくゆきません。結局トランクに入れるのは一つだけにして、当面はもう一つを後部座席の上に載せることにしました。そのうち、またいろいろトライして入れ方を工夫してみようと思っています。
 家の前の道路で、連れ合いが乗って試運転をしてみました。操作方法は難しくないのですが、しかしやはりかなりの練習が必要なようです。スピードも左右への方向変更もすべて上の写真の左側に立っている棒の先端にあるジョイスティックでやるのですが、その加減がすぐにはうまく飲み込めないようです。まっすぐに走るのがなかなか容易ではなく、すぐ左右にぶれて曲がってしまい、それを元へ戻すのもいろいろ試行錯誤です。しかし、これは練習を少しやれば、いずれ慣れると思います。そうでなければ使えませんから……。
 というわけで、次はもう一つの公約、私の電子ピアノですが、はたして今年中に実現できるかどうか……。前回書きましたように、在宅酸素療法のための費用が、保険で1割負担なのですが、それでも電気代を含めて年に20万近くかかります。それに、この電動車椅子のレンタル料がやはり1割負担でも年に3万ほどです。これが今後支出増となる上に、厚生年金や国民年金の支給額は削られ、介護保険料は上がり、現在の生活水準を維持しようとすれば赤字転落は必至です。
 おまけに、使用保証期限が10年ほどのエアコン、風呂のガスボイラー、床暖用のボイラーなどが、まるで申し合わせたかのごとく、一斉に故障しだしたのです。修理に来た業者からは、センサーなど部品の一部を交換することでとりあえずは直るでしょうが、しかしもう13年もお使いになっているのですから、いつ他が壊れても不思議ではなく、それに修理用の部品も在庫切れの可能性があります、そろそろお買い替えをお考えになったほうが……というようなことを言われます。見積もりを聞いてみると、風呂用のボイラーの交換で約40万円、床暖房用のボイラーもほぼ同額、ということです。となると、電子ピアノどころではありません。
 それに、電子ピアノを入れる置き場所の問題もクリアできていません。今仕事をしている部屋に置くつもりだったのですが、「市民の意見30の会・東京ニュース」の編集などを引き受けて仕事の分量が増えて以来、掃除が出来ません。仕事部屋は本やパンフレット、さまざまの資料、メモなどが山積で、床の地肌が見えなくなっています。うっかりさわると雪崩がおき、手のつけようもなくなります。これを片付け、整理しない限り、電子ピアノなど担ぎこまれても置くところがありません。この掃除がはたして年内にできるかどうか、私的公約の半分は、どうも違約に終わりそうな予感がしています。
 在宅酸素療法の ほうですが、前回のべたカニューラにつなぐチューブの付け替えは、どうやら慣れてきたようで、最近はSOSのベルも鳴らなくなりました。外出用の酸素ガスボンベの扱いはまだ一人ではダメなのですが、家の中にいる限り、一人で何とかできるようになりました。いささかホッとしています。
 家の中のチューブの配管を見たテイジンの係りの人は、これは凄い、こんな本格的な配管をやった人はいませんよ、と驚いたふうでした。模範用として一度写真を撮らせてください、などとも頼まれました。とにかく、退院前に用意をしておかなくては、と朝の4時までかかって配管などをやったのですから、だいぶ苦労でしたが、こう言われると悪い気はしません。それで、写真にとって、定期健診の際に、病院の呼吸器科の主治医にも渡しました。やはり、これは凄い、こんなの見たことない、と言われました。それで、少し自慢をしたく、 ここにその何枚かを掲げます
【写真説明】上左、2階廊下にある酸素供給器本体と、各階につながるチューブの付け替え部分。上中、2階天井の配管。上右、1階天井の配管。下左、1階階段昇降機のレールに沿う配管。下右、三階の先端部分、ここにカニューラがついている。