hon-small-orange.gif (121 バイト) このお奨め本はお買い得! 木村毅 『ドゥホボール教徒の話――武器を放棄した戦士たち』 (恒文社)  (1999/09/13掲載)

 

 作家、木村毅(きむら・き 1984〜1979)さんの著書の一つに『ドゥホボール教徒の話――武器を放棄した戦士たち』 (恒文社)という本があります。これは、ロシアに存在した絶対非暴力の立場にたつドゥホボール教徒について詳しく紹介した本ですが、トルストイの有名な小説『復活』が、実は、このドゥホボール教徒2万人以上をロシアからカナダに移住させる費用捻出のために書かれたものだったなど、以外に知られていない事実も紹介されています。憲法第9条の支持者だった著者が、情熱を込めて、この絶対非暴力主義の教徒たちのことを研究、紹介した書物です。反戦、非暴力の立場に共感する人びとの必読書の一つだと思います。

 この本は1979年4月に初版が発行されたもので、私はそのときに買ったのですが、とにかく20年も前の本ですから、とっくに絶版になっているものとばかり思っていました。ところが先日、他の人びとに紹介する必要もあって、出版元の恒文社に問い合わせたたところ、在庫はあるとのこと、しかも、値段は、初版が出版されたときが1500円だったのですが、今では50円あがっている1550円だというので驚いたのです。

 とにかく、この本は、布製ハードカバー308ページ、しかも箱入りの本で、今でもその通りで売られているのです。この書店のあまりの良心的値段のつけ方に一驚しました。今、この本を普通の書店が出すとしたら、5000円以上の値がついても不思議ではないと思います。私は、早速5冊注文しましたが、市民運動の仲間たちの間で、たちまち売れてしまいました。まだ在庫はあるそうです。絶版にならないうちに、お近くの小売店にぜひ注文されるようお奨めします。