TKOPEACENEWS

  5面 NO.1号/99.11.22発行

寺尾差別判決25カ年糾弾!狭山再審要求!
異議審闘争勝利!中央総決起集会決議

 東京高裁第四刑事部・高木俊夫裁判長による抜き打ち的な再審請求棄却決定から四カ月になろうとしている。わたしたちは、高木裁判長が、鑑定人尋問などの事実調べも証拠開示の保障もせず、再審請求を棄却したことを断固糾弾し、東京高裁第五刑事部・高橋省吾裁判長にただちに事実調べをおこない、棄却決定を取消して再審を開始するよう強く求めるものである。
 棄却決定は、可能性、推測、決めつけによって弁護側の主張や新証拠を否定し、確定判決の認定を変更しながら有罪を維持するという許しがたい内容である。審理を尽くさなかったという意味でも、再審の理念と「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則をふみにじり、デタラメ・不当な認定をしたという意味でも、絶対に取り消されなければならない。
 同時に、東京高検の担当検察官は多数の未開示証拠と証拠リストを手元に隠し持っていながら、いまだに証拠開示に応じておらず、われわれは、証拠開示を求めて断固たる闘いの強化をはかならければならない。 昨年11月に出された国連・規約人権委員会の最終見解は、日本政府にたいして、弁護側への証拠開示の保障とともに、代用監獄の廃止、取調べの録音等による可視化、警察・検察・裁判官にたいする人権教育の実施を強く勧告している。法学者や弁護士からも、国連の勧告とそれをふまえた司法改革の声も大きくなっている。われわれは、国連勧告や国際的な人権基準、証拠開示などの制度を活用し、法学者や弁護士、市民による民主的な司法改革の動きと連携して、司法全体を見すえた再審闘争をおしすすめていこう。
 全国各地で、棄却決定と司法反動を許さず人権の確立を求める市民の声はより大きく広がっている。棄却決定への怒りとあらたな闘い、各地の市民的な運動の高まりから、住民の会があいついで結成され、60団体を越えた。広範な市民の声による反撃ははじまっている。意見広告掲載など学者・文化人による狭山支援の輪も広がっている。さらに、カナダからは、同じようにえん罪によって20年も獄中に囚われ無実をかちとったルービン・カーターさんから東京高裁へ公正な裁判を求める手紙とわたしたちへの連帯のメッセージが送られた。
 石川一雄さんは無実を叫び、異議審の勝利をめざして、あらたな決意で全国各地を訴えてまわっている。わたしたちも、あらゆる差別と人権侵害を許さず、人権と民主主義確立をめざす共同闘争、市民的広がりをさらにおしすすめ、狭山差別裁判糾弾闘争の完全勝利をかちとる決意を今日あらたにした。
 不当な高木・棄却決定を断じて許さず、無実を叫びつづける石川一雄さん、弁護団と固く団結し、さらに幅広い国民とともに、異議審の闘いの勝利をかちとり、狭山事件の再審を実現し、石川さんの完全無罪を勝ちとるまで断固闘うものである。
 上決議する。


1999年10月29日
寺尾差別判決25カ年糾弾!狭山再審要求!
異議審闘争勝利!
中央総決起集会 参加者一同

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