「単位制導入問題」
に関する私のコメント

全日制普通科高校の単位制とは
 全日制高校における「単位制高校」とは、基本的に生徒自身が選択科目を決めて
必要な単数を取得すれば卒業できるという高校です。
 なにか、すごぉ〜くいい高校のようですね。
 でも、問題もあります。
 (1)1年次は、ほとんど自由な選択はできません。
    どうして?→それは、考えてみて下さい。入学試験の合格決定が3月で
    4月から授業が始まります。
 (2)2年次の選択科目は、入学した年の5月頃に提出します。
    つまり、1年生の5月に選択科目を決めて提出するわけです。
 (3)当然ですが、希望した科目がすべて履修可能ではありません。
    どうして?→それぞれの科目の希望者・教諭・教室などの制限があるから
    です。
 (4)3年次の科目を選択するとき、2年次で履修しておく必要があった場合は、
    その科目をあきらめるか、もう1年間高校に行く必要があります。
 (5)時間割の関係で、空き時間ができます。
 (6)ホームルームの時間は、ほとんど取れないようです。
    クラス全員が、同じ科目を履修するということではないからです。
 (7)クラスのまとまりが欠ける。

 でも、いい点もあるでしょうに!  そうでしょうね。  以下は、県教委発行の文書から  (1)必須科目以外に多くの選択科目が用意されます。  (2)自分の進路・適正に合った時間割がつくれます。  (3)少人数の授業も多くなります。  (4)進路に合った科目選択ができるので、進路希望が実現しやすくなります。  (5)無学年制ですので留年はありません。  (6)3年間に通算して80単位以上修得すれば、卒業の資格が得られます。  どういう意味か、また実現するにはどういった条件が必要かよく考えてみましょう。
 所沢高校への単位制導入については、県の予算がついていましたが白紙撤回さ れることになりました。この経過などにつきましては、「単位制導入白紙撤回へ の道」という報告集になっております。但し、在庫があるかどうかは不明です。  県教委の方針は、単位制を毎年2校づつ導入していくという方針だったようで すが、その最初の導入時からつまづいたという経過があります。その影響かどう か分かりませんが、そのとき所高と一緒に導入しようとした浦和北高校1校のみ で、その後単位制を導入した高校は埼玉県にはありません。 (但し、この単位制導入より前に埼玉県では伊奈学園に導入されています。)  この件に関しては、導入にいたる経過が民主的ではなかったという点に一番の 問題点があったと思っています。  ところで、この白紙撤回に至る過程で、「全日制普通科高校の単位制」という のは何だろう、教育とは何だろうと考えました。それというのも、私は基本的に 教育というのは「人格形成の教育」が好ましいと思っているからです。  1990年3月タイにおいて、「ユニセフ、ユネスコ、世界銀行、UNDP」 の国際4機関により開催された「万人のための教育会議」で発表された人的資源 開発に関する考え方では、人的資源開発から人間開発へと変化しているというこ とだそうです。  尚、「全日制普通科高校の単位制」につきましては、賛否両論がありました。 ただ、当時は導入時期でもあったため、実施校も少なく手探りの状況であったこ とも確かです。現在、どの程度の高校に導入されているか分かりませんが、導入 校の実態がどのようになっているのか、充分調査することも必要かと思われます。

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