生活環境フォーラムINかながわ 第3分科会
「あしたを拓くワークショップ」報告
 

1、1999年12月4日当日の実施報告

・参加人数:スタッフを入れて26名
・実施内容:
 13:00過ぎ、参加者がそろったと思われる頃開始した。あいさつは羽角。
 始めは、自己紹介とアイスブレーキングのゲームをかねて、名前の始めの文字から始まる形容詞をつけて自己紹介をすることにした(例えば、「私はずかしがりやのすみです」)。すると、参加した皆さんはそれぞれ何か活動している人が多く、自分のことを長く話すので自己紹介にたいへん時間がかかってしまった。
 次に、「4つのコーナー」というゲームをやった。例えば、「トイレは和式に限る」というテーマについて、「絶対そう思う」という人はここへ、「どちらかというとそう思う」という人はここへ、「どちらかというとそう思わない」という人はここへ、「絶対そう思わない」という人はここへというように、部屋の4すみに集まってもらって、自分の意見を表明するゲーム。以下、「寝るときは布団がいい」「日本はいい国だと思う」というテーマを出して4すみに集まってもらい、何人かに理由を述べてもらった。
 こうしてなごやかな雰囲気になったところで本番に入った。
 
 始めはテーマ設定。自分が今興味あるテーマを紙に書いて、互いに見せあいながら同じようなテーマの人が集まって、グループをつくってもらった。
 多少人数調整が必要だったが、「ゴミ問題」「エネルギー問題」「自然保護」の3グループに落ち着いた。
 そして、第1段階はKJ法。スタッフにそれぞれのグループにリーダーとして参加してもらい、模造紙とサインペンとメモ用紙を準備。それぞれのテーマについて、現状や問題点や解決法など、思いつくことをどんどんメモ用紙に書いてもらった。集まったメモ用紙を似たもの同士でグループに分類し、さらに次のステップでの話し合いをしやすくするため、問題点と解決法に分けてもらった。
 
 第二段階はロールプレイ・ディスカッションである。各グループごとに、企業・行政・消費者などの役割を分担してもらい、各人はその役割を演じながらディスカッションをする。これは、役割を演じることによっていつもと違う発想を体験し、いつもは気がつかない問題点に気づくことを目的としたつもりだった。ところが、各グループともたいへんディスカッションが盛り上がってしまい、役割を演じるより本気で討論している感じになってしまった。まだだいぶ時間があったので、しばらくそのまま討論を続けてもらい、頃合いを見計らって次のステップに進んでもらうことにした。次は、役割を演じてどう感じたかを言ってもらい、その上で役割を取っ払って自分たちにできることを考えてもらう予定だった。ところが、これも各グループは先ほどの討論の続きを延々とやってしまい、討論が盛り上がったまま時間を迎えたのだった。
 討論を打ち切ってもらい、各グループごとにどんな内容を話し合ったか発表してもらった。 
 「エネルギー」のグループではいろいろな議論があってまとめられないが、右肩上がりの経済成長の是非、新エネルギー技術の発展がポイント、企業のトップに理解してもらうのが大切、グリーン購入など自分たちができること、エネルギーについては地球規模の視点が大切、などが話題になった。
 「自然保護」のグループでは様々な自然保護に関する活動をしている人が集まっていて、やはり多岐にわたる議論があった。従来型の開発が曲がり角に来ているという話題から入っていった。ロールプレイは、行政、地主、建設業者、消費者、生産者、第三者という役割りを割り振った。行政からは市民の活力に期待する、生産者からは農業生産についての理解を求めるなどの意見が出たり、蛍を見たかったら毛虫も引き受けるような態度が必要、環境教育のためには先生に対しても研修が必要、などの意見が出た。
 「ゴミ」のグループでは、リサイクルビンのメリットデメリットの話題や、ゴミの減量のためには生ゴミの減量が必要、そのためには市民の意識が変わらなければならない、ゴミゼロ社会を目指すには段階的に進めていく、などの話題がでた。


2、反省

 
・企業の人や市民活動をしている人など、様々な人が集まってディスカッションができたので、様々な観点から意見が出て盛り上がり、参加者・主催者ともたいへん勉強になった。
・ということは、いろいろな活動をしている人達の交流の場が少ないということ。もっとこういう場が必要。
・教員と市民団体の交流の場もない。今回交流ができてよかった。
・企業と市民の交流の場もない。互いに不信感を持っていて、建設的な話ができない状態がある。
・こういう活動をしても、他の先生達に伝える手だてがない。多くの先生に伝える方法を考える必要がある。
・ロールプレイで役になりきれず、自分の本音で話してしまった。
・役割を強く押しつけなかったため、中途半端なロールプレイになってしまった。
・自分が抱えているものを表現した後でないと、ロールプレイの役になりきれないのではないか。
・途中で役割を変えて、苦しい立場を経験した方がよい。
・環境教育の手法としてこういうワークショップがどうだろうかとか、学校で実施するにはどうだろうかという話までできなかった。


 
 
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