2001年の収穫ベスト3




 毎年年末になると、今年もしくは下半期に出版された本のベスト3みたいな企画が各紙誌で行なわれるのだけど、今年(2001年)もどこも僕には原稿依頼してくれないので(泣)、ここで勝手に発表することにする。順不同。

●魚住昭『特捜検察の闇』(文藝春秋)
 かつて『特捜検察』(岩波書店)で検察をヒーロー的に描いて見せた著者が、対照的な2人の弁護士の逮捕を通じて、検察という組織の変容を明らかにする。『特捜検察』については「検察のチョーチン本にすぎない」なんて評価もあるようだが、そうした一面だけの印象で本書を読もうとしないとすれば、もったいないと思う。
●エリック・シュローサー『ファストフードが世界を食いつくす』(草思社)
 ファストフードが破壊するのは、人々の健康だけではない。食文化そのものであり、精神であり、労働の価値である。グローバリゼーションにともなうファストフード産業の拡張は、社会的損失によって支えられているという著者の指摘に納得。ニコルズ・フォックス『食品汚染がヒトを襲う』(草思社)を読んだときも思ったのだが、日本の食品評論家たちによるファストフード批判は薄っぺらすぎる。
●森達也『スプーン』(飛鳥新社)
 著者は、オウム真理教を追ったドキュメンタリー映画『A』や『A2』で知られる映像作家。森によってリアルに描かれる、3人の超能力者たちの日常や森とのやり取りを読んでいると、僕たちにとって「信じる」ということはいったいどういうことなのだろうと考えさせられてしまった。

 なお文庫本部門(?)では、斉藤美奈子『紅一点論』(ちくま文庫)、岩瀬達哉『新聞が面白くない理由』(講談社文庫)、日垣隆『情報系 これがニュースだ!』(文春文庫)といったところ。
 あえて友人たちの仕事は省きました。01.12.17(02.3.28に修正のうえUP)

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