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書名:  ヒロシマ・ノワール
著者: 東 琢磨
価格(税抜): 1,900 シリーズ:  発行: 2014年6月 ISBN: 4-7554-0247-0

なぜ広島には幽霊が現れないのか。
私たちが「合理的」「客観的」「中立」「科学的」と思い込み、あるいはそれ
らにとらわれているなかで、こぼれおちているものはなにか。
亡霊のように私たちを縛る過去の技術。被爆。被曝。不可視の放射能。見えざ
るものの存在に目を凝らす。

インパクト出版会
1900円+税
ISBN978-4-7554-7554-0247-0


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『ヒロシマ・ノワール』目次


一部 ヒロシマ・ノワール
    パールハーバーとヒロシマのあいだの映画・文化史、そして

ヒロシマ・ノワール 7
   1 非道な出来事
    ‖ 香港からフィルム・ノワールへ ‖ internal/infernal ‖
潜入/貫入 ‖ 
    ‖ 体制翼賛型少数者の街で ‖ 
   2 フィルム・ノワールと戦争の記憶
    ‖ ジョン・ヒューストンと沖縄戦、そしてあらわれるものたち ‖
抵抗と裏切りの記憶 ‖
    ‖ 亡命者たちから『狩人の夜』へ ‖ 「つくったのはあなたたち
だ」 ‖ 
   3 女たち、男たち
    ‖ 取り憑く女、破滅させる女、結節させる女 ‖
    ‖ 男になる/であるという狂気、消費を拒絶する狂気 ‖

ヒロシマそしてグローバルヒバクシャ 47
    ‖ 広島の経験 ‖ ヒロシマそしてグローバルヒバクシャ ‖
    ‖ ふたたび広島へ:軍都の経験と歴史を掘る ‖



二部 ヒロシマではなぜ幽霊が現れないのか
ヒロシマではなぜ幽霊が現れないのか 59
「人間ならざるもの」「非人間的なもの」から「平和」を考える
   0 はじめに:『ひろしま』、死者たちとともに
   1 原発事故前後の状況について
   2 石原吉郎とイツハク・カツェネルソン:シベリアの収容所とワルシャ
ワ・ゲットーの言葉
   3 人権(人間の権利)human rightsとは? rightとjustice、あるいはcare
   4 非人間的なものから
   5 幽霊の方へ:広島の灯籠流し
   6 大洪水に抗して踊ろう:ル・クレジオと折口信夫
   7 幽霊とお化け、新たな不安のフィギュア
   8 子ども、人間ではないもの、おためごかしの正義論を越えて
   9 ムーミン、戦争の記憶、難民の共同体
   10 水木しげる、玉砕、「集団自決」
   11 見えるけど見えないものを見ること、見えないものと向き合うこと

「幽霊」をめぐってのやや長めの追記 100
   1 幽霊(的存在)を見つける ー広島と沖縄
    ‖ 広島をめぐる子どもの本二冊 ‖ キジムナーのいるところ、とき ‖
    ‖ 大道あやに導かれ、お地蔵さんと資料館の人形たちへ ‖
    ‖ 沈黙、生きもの、「破局」と脱復興 ‖
   2 「幽霊論」という構え
    ‖ お地蔵さんに耳を澄ませる、石が耳を澄ませる ‖
    ‖ 人形撤去の不遜 ‖ 幽霊というテーマを再提起する ‖
三部 あいだのさなかで

ヒロシマ4と命てんでんこのあいだで 130
    ‖ 忘却を記憶する ‖ 「ヒロシマ4」と名づける ‖ 「命てん
でんこ」に耳を澄ます ‖
    ‖ 一〇〇年の時空を測る ‖ 地獄のなかで立ちあがる特別な共同
体から ‖

サンキュッパ・ブルーズ 東北で竹中労を幻視する。 152
    ‖ 東北に行く ‖ 竹中労的身体の抗争 ‖ 「ザ・ゾーン」に捧
げるうた、うたの予感ヘ ‖

東北お見舞い道中 163
    ‖ 上関 チューデン野郎が 関の山 ‖ 「ホットなオレが溶けち
ゃうぜ」 ‖
    ‖ 東海村 入れてやらない ほうそうかい 郡山 御用にするぞ
こっちから ‖
    ‖ お見舞いのつもりが なんだか逆にお見舞われ ‖

広島から東北を思う さまざまな境界線に抗うために 171
    ‖ 広島からの遠さ、「ヒロシマ」からの問い ‖ 「被災地」の境界 ‖
    ‖ 貫き延びる境界に抗う線を ‖

参照・引用文献、参考映像作品 180

あとがき 188--