不戦へのネットワーク 有事法制反対ピースアクション

 ブルーインパルス飛行反対の意思表示と防衛省への申し入れを行ってください
(2009年7月6日/不戦へのネットワーク)

名古屋市長 河村 たかし 様

 航空自衛隊小牧基地は本年秋の航空際においてブルーインパルスの展示飛行を計画しています。ブルーインパルス飛行は地元住民、自治体(春日井、小牧)の反対で飛行がおこなわれていませんでした。本年着任した谷井修平司令は飛行に意欲を示しました。基地協力会を中心にした飛行要望の署名活動を行わせ、地元住民の要請ということを口実に展示飛行を行おうとしています。

 谷井司令の意図はインタビューでもあきらかです。航空自衛隊の海外派兵=米軍協力の拠点である小牧基地の存在感を内外に強くアピールしたいというものです。

 春日井市は地元住民、自治体あげて反対の意向を示しています。小牧基地が戦闘機の配備や機能強化をおこなわないことを願っているからです。自衛隊は安全性が高いT―4練習機で通常の倍以上に整備し、自衛隊最高のパイロットが操縦していると説明しています。にもかかわらず何度も墜落事故をおこしているのです。浜松では民間にも被害がでました。機体性能とパイロットの技能の限度ギリギリでおこなうアクロバット飛行は危険なものです。海外でも事故が多発しています。

 騒音も非常にはげしいものです。昨年岐阜基地での飛行の際基地担当者に「すごい騒音だね」といったところ彼は「そうですか、私はうるさくありません」と答えました。会話ができないような騒音のなかでも平気でこのようなことをいう自衛隊を信じることはできません。

 小牧基地は県営名古屋空港の滑走路を借りて使用しています。(共有では断じてありません)
ブルーインパルスの飛行は民間定期便の離着陸の合間を縫って行われます。C-130などの飛行展示などもおこなわれ非常に過密なスケジュールの中で行われます。民間機の運行にも影響がでますし、なによりも民間機を巻き込んでの事故の可能性も大きいものです。騒音もすさまじいものであり、休日の市民生活のさまたげになります。

 小牧基地は昨年だけでも大きな事故を頻発しています。空中給油機一号機は整備ミスなどで飛行が半年以上できない状態でした。二号機は岐阜基地に緊急着陸し火災をおこしました。
 C-130輸送機は滑走路逸脱をはじめ部品落下を繰り返し、不具合での飛行中止を何度もおこしています。春日井、小牧、豊山の二市一町はそのたびに基地に安全確保の申し入れをおこなっていますが事故は減るどころか、重大な事故の可能性が増えているのが現状です。小牧基地は安全対策を怠っているというほかないのが現実の姿です。

 他にも三菱で整備中のF2戦闘機の墜落や米軍戦闘機の緊急着陸など軍用機は非常に危険なものです。
 ブルーインパルスの飛行は小牧基地の危険性をさらに増大させるものです。

 小牧基地のあり方について地元二市一町は「輸送と教育」という従来の役割に限定するように再三防衛省に申し入れています。旧名古屋空港の中部空港への移転にともなって小牧基地の存在感が大きくなることへの危惧です。

 しかしながら防衛省―自衛隊の対応は地元の意向を完全に無視したものです。
 空中給油機の配備では「給油もできる輸送機」などと誰がみてもうそでしかないデタラメな言い分を押し通しました。前線の負傷兵回収のための機動衛生隊の新設やC-130への空中給油機能の追加などどんどん基地機能は強化、拡大しています。人員も数百人規模で増えています。

 これらの強化は航空自衛隊の海外派兵―米軍協力の必要性にあわせておこなわれています。
 自衛隊は一方的に管制塔も移転します。名古屋空港の設置管理者である愛知県には非公式にも一切の通告もなく決定し、予算化しました。今年度中に工事が始まります。管制塔は当初、米軍基地側(現在の小牧基地)にありましたが、旧名古屋空港を民間空港として発展させる象徴として名古屋空港側に移転した経緯のあるものです。にもかかわらず再度基地側に移転するのは小牧基地が県営名古屋空港も支配下に置こうというものに他なりません。実務上の必要性をどんなに強調しても隠すことはできません。県の担当者が新聞報道ではじめて管制塔移転を知るというのはどう考えても正常なあり方ではありません。秘密裏に予算処置をするなどということは自衛隊の横暴です。

 名古屋市は小牧基地の問題についてあまり関心をよせてこなかったように見えます。しかしながら県営名古屋空港と小牧基地は密接な関連があり、名古屋空港敷地が市域にかかる以上今後関心を高める必要があるのではないでしょうか。敷地の問題だけでなく、名古屋空港は名古屋市の交通政策、産業政策にも深くかかわっています。市民生活においても名古屋空港―小牧基地離着陸の航空機は名古屋市の広い範囲を飛行し騒音問題や事故危険性など深いかかわりがあります。

 二市一町と同様に小牧基地問題を地元の問題として取り組むようにお願いします。小牧基地は世界規模での米軍の戦争の協力基地、航空自衛隊海外派兵前線基地として強化されています。
名古屋高裁はイラク派兵に違憲判決をだしました。安全で平和な暮らしの保障が自治体の最重要の仕事だと思います。市民自治の大前提です。

 ブルーインパルス飛行の中止を名古屋市が求めるのはその第一歩になることです。

不戦へのネットワーク  2009年7月6日


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