有事法制反対ピースアクション

航空自衛隊のイラクからの撤退を求める申し入れ書

航空自衛隊小牧基地司令上田益三様
航空自衛隊小牧基地の隊員・家族の皆様

 1990年8月2日、イラクは隣国クェートを軍事侵略した。8月6日当時のアメリカのブッシュ大統領は「砂漠の盾作戦」の発動を決定し、翌日サウジアラビアへの米軍は兵を発表した。このイラクのクウェート侵略に対する非難決議が国連でなされたが、イラクはクウェートから軍隊を引き上げることをしなかった。翌1991年1月17日アメリカを中心とした多国籍軍はイラク攻撃を開始した。湾岸戦争です。全世界が米軍のトマホークミサイル、ピンポイント爆撃そのものの映像を見て、そしてイラクの文事施設、都市施設、燃え上がる石油精製施設、油まみれのペルシャ湾の映像をテレビを通じて目のあたりにしました。

 13年後の2003年3月20日、アメリカ・イギリス軍は「イラクに大量破壊兵器がある」フセイン大統領とテロ組織アルカイダと関係がある」を理由としてイラク攻撃を開始した。このイラク攻撃は国連決議もありませんでした。現在では、アメリカ・イギリス政府ともイラク攻撃の理由とされた「イラクの大量破壊兵器」も「大統領とアルカイダの関係」も誤った情報・創られた情報であることを認めています。アメリカ・イギリスによるイラク侵略戦争と言われる所以です。しかしながら、アメリカ・イギリス両軍は今なおイラク占領を続けています。このイラク侵略戦争を国際的にも真っ先に支持したのは日本の小泉首相です。そして「イラク特措法」によって陸上自衛隊がイラクのサマー和に「人道復興支援」という名目で重装備をもって派兵され、航空自衛隊は「安全確保支援活動」と言うことで小牧基地からC130輸送機3機が隊員とともに隣国クウェートに派兵されました。

 この6月20日、小泉首相はサマーワからの陸上自衛隊の撤退を決定しました。しかしながら、航空自衛隊は撤退ではなく、空輸活動のさらなる拡大がアメリカから求められているという。クウェートの基地からバグダットへ、さらに北部のアルビルへとアメリカ軍への兵站活動が求められているという。

 アメリカ・イギリスの行ったことはイラクの石油確保のためのイラクへの侵略であり、占領です。ベトナム戦争と同様、これはアメリカの府の歴史であり、イギリスにとっても歴史の汚点です。イラクが16年前に行ったクウェートへの侵略と同様の侵略をアメリカ・イギリスが行い、日本政府がこれを支持したことがこの航空自衛隊の兵站活動のもとです。

 輸送任務の拡大は空自隊員への危険拡大そのものです。イラク派兵に正義や道理があるわけではありません。このようなイラクへの派兵で自衛隊員が死傷してはなりません。

 イラクでの航空自衛隊の輸送活動の実態をつぶさに知っている自衛隊小牧基地司令及び隊員の皆様こそ、自衛隊のイラクからの撤退を求めてください。撤退を求める意見具申を小泉首相にしてください。

〈ノーモア南京〉名古屋の会


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