Update 2000.1 24 12:24

吉野川 住民投票投票率55%!

賛成9367 反対102759 !

完全勝利!さあ、後に続こう!日本が変わる!


吉野川の市民パワーをつなげよう!日本を変えよう!官僚大国から本物の民主主義の国へ!


「日本の財政破綻を招く公共事業の大転換を求める緊急アピール」
 ----徳島市の住民投票をきっかけに政治に呼びかける
              21世紀環境委員会声明(2000年1月23日)

 2000年1月23日に行われた徳島市の住民投票は戦後史に残る大きな出来事にな
った。
 この住民投票は、公共事業を問う日本最初の住民投票だった。そして、徳島市
民は、困難とみられていた投票率50%以上という壁を乗り越え、圧倒的な反対
票を投じて建設省が計画した吉野川河口堰を拒否した。
 今回の住民投票にいたる過程で特筆すべきことがある。それは、徳島市民が、
専門家を招き、あるいは自ら研究を重ねて、建設省の可動堰建設の理由に数々の
疑問があることを証明したことだ。われわれの目からすると、建設の理由は市民
に論破されている。  
 市民が主張したように、せいぜい寿命百年のコンクリートの可動堰よりも、2
50年も重要な役割を演じ続けてきた第十堰の補修と堤防のかさ上げの方が、費
用も安く、かけがえのない自然環境を守り、しかも短時間で分水、取水、潮止
め、洪水などの対策を完成することができる。
 建設省は、堰建設の理由として挙げてきた水道・工業用水の取水を断念するな
ど計画は支離滅裂になっている。1000億円を超える費用と10年かかる建設
期間を考えると、可動堰はムダな公共事業と断じざるを得ない。それを明らかに
した徳島市民に敬意を表する。
 そして、現在でも疑問の多い、あるいはムダな公共事業が全国で行われてい
る。それは堰やダムばかりではない。利用者が多く見込めない高速道路であり、
新幹線であり、空港、港湾である。
 公共事業の暴走は、国と地方と合わせて600兆円を超える公的債務の主要な
原因となり、国と地方の財政を破綻の淵に追い込んでいる。日本を蘇らせ、破滅
に追い込んだのは、昔は軍事費であり、現在は公共事業である。
 こうした危機的な状況にあるにも拘わらず、今回の住民投票で明らかになった
のは、政治の無力さだった。主役は市民だった。
 時代は官僚支配から、政治の時代に移っているという。これまで、公共事業は
計画から個所付けまで官僚主導のもとで行われてきた。各政党は、これを機に市
民たちの協力を得て、主義主張の相違を超えて、公共事業による「日本沈没」を
未然に防ぐため、国会冒頭から直ちに行動を起こすべきである。
 具体的には、法律の制定を含めて次ぎのような行動を直ちに行うべきである。

 1)国会が、少なくとも大型公共事業については、計画の段階から一つひとつ
審議する制度をつくり、着工後も定期的に見直すよう法整備を行う。
 2)計画発表後、5年経っても着工されない公共事業は中止する(サンセッ
ト)法律を策定する。
 3)国会はまた、道路法、河川法など個別事業法についても、地方分権、補助
金の縮減、規制緩和、環境評価などの各面から抜本的な改正を行うべきである。

 4)公共事業を異常に膨張させるお墨付きとなっている「全国総合開発計画」
と「公共投資基本計画」は廃止すべきである。ちなみに、全総は閣議決定、基本
計画にいたっては閣議了解という、国会、つまり国民を無視した非民主的な手続
きで策定されてきた。
 5)今回の住民投票は、現地を知り尽くした住民の力量を証明した。一定の有
権者(たとえば20%)の請求で、公共事業や代替案の賛否を問う住民投票がで
きるように法整備をすべきである。
 
 21世紀環境委員会メンバー:天野礼子(アウトドア・ライター)、五十嵐敬
喜(法政大学教授)、宇井純(沖縄大学教授)、内橋克人(評論家)、岡本厚
(雑誌『世界』編集長)、河野昭一(京都大学教授)、筑紫哲也(ジャーナリス
ト)、保母武彦(島根大学教授)、水口憲哉(東京水産大学助教授)


やった!ホントに、吉野川の住民投票、勝利確定! 長良川、諫早、全国のダム事業を揺り動かすこの吉野川の勝利の意味は実に大きい。しかし、良くやった。みんなの行動にありがとう!徳島市民のみなさんの勇気ある行動にありがとう!

ホントに日本は変わる。世界中で最悪のダム大国、日本が。川の民への変換への大きなステップ。

さて、水を司る龍の年、初っぱなからとても大きな力を僕らは獲得した。

さあ、この波を全国に広げよう! 川を、水をしっかりと守ろう!かけがえのないいのちを支えるこの川を、この水を。21世紀の僕らの未来のために。

さあて、月山ダム問題もがんばるぞ!


毎日インタラクティブでは、WEBにて開票結果を教えてくれています。http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/details/yoshino/


沖縄から知花さんも参上。路上で歌でよびかけ。この他、空から飛行機で投票を呼びかけたりするやからもあらわれ、自由な個性でのよびかけが続いた。

17:38 駅前での街頭宣伝を終えバスで帰路についた。午後5時30分。住民投票投票率、40%を越えると連絡がはいる。不在者投票を含めると45%の投票率。まだまだ気は許せないが、これはイケル。徳島から日本が変わる。2日間だけお邪魔しただけだが、今回の吉野川の運動は、非常に幅の厚さを感じさせた。だれかがワンマンで舵取りをしているわけではない。みんながやれることを持ち寄って集まって、非常に高いレベルで結合していた。事務局も非常にいい雰囲気をつくり、決してあわてることなくしっかりと事を運んでいた。そこに全国各地から、沖縄からも、神戸からも、神奈川からも、しっかりとした志をもった人が集まっておのおのの役割をしっかりと果たすというカタチの理想的な選挙戦が繰り広げられていた。すごい市民運動のパワーを確かにしっかりと受け取った気がする。さあ、最後までみんなにがんばってほしい。そして届け!徳島の人へ。この思い。

徳島市、午前10時30分。朝少しだけパラパラと雨が降ったが、曇りで昨日よりあたたかい。まずまずの天気。

住民投票50% を是が非でも突破したい。住民投票の会は、あいかわらず、ボランティアのみんなの熱気で盛り上がっている。昨日は、プラカードもち、ボードウォークで高校生たちのセブンアワーズ・イン・トクシマ、そして僕らは、住民の家庭を一件一件まわり、「ピンポン・ローラー」をおこなった。今日も引き続き、街宣からなにからかにまで、とにかく少しでも投票のアピールをする一日。とにかく全力投球徳島市民のみなさん。この吉野川の問題は、全国の川のこれからの問題でもあるんだ。ぜひ投票を!

9時半現在、6.687%の投票率!さ、これから!大勝負! 全国のみなさん。親類、友人に電話を!祈りもください!


国政の政治家たちの動き(Mさんによるメールより転載)
●自民党の綿貫民輔議員は、「明日(二十三日)の住民投票などくそ食らえだ」「住
民の真意は議会制民主主義に表れている。それを支持いただき、正々堂々と(改築計
画を)推進すべきだ」と次の衆院選に出る予定の候補者の後援会で言ったそうだ。
この人は議会が住民投票条例の独自案を提案し可決させたことを知らないのだろうか

住民の真意が議会制民主主義に表れると信じるなら、議会が「吉野川のことは、住民
がどうしたいのか聞いてみよう」と判断したのだと、それこそが住民の真意である
と、潔く認めるべきだ。

●民主党は、度重なる中山建設大臣発言や青木幹雄官房長官発言、住民投票ボイコッ
ト運動などに対し、民主主義の危機であると判断し、反撃を開始しました。

○民主党ネクスト・キャビネット(次の内閣)は、21日、「吉野川第十堰建設の是非
を問う住民投票への参加を呼び掛ける決議」を発表。「ぜひとも投票に参加し、利益
誘導型政治からの決別を宣言していただきたい。」投票ボイコットに対しては「推進
の立場であれば、その旗を高く掲げ、正々堂々と投票で決着をつけるべきだ」と批
判。

○民主党の菅直人政調会長、同21日記者会見で、中山正暉建設大臣が住民投票のこと
を「民主主義の誤作動」と述べたことに関して「誤作動しているのは建設相の方では
ないか」と吠えた。「河川管理は建設省だから建設相が中央集権的にものごとを決め
るという発想自体が、公共事業の在り方の最大の問題点だ。地方分権を推進する方向
にまったく反する」と指摘。

○鳩山党首徳島入り22日。
徳島市内を練り歩いて住民に投票を呼びかけ。
(http://www.topics.or.jp/gazou/News/n0001233.jpg)


草島、21日の晩に東京出発、22日徳島市いり。住民投票の会に応援にきています。現地スタッフの手際の良さに感心しながらお手伝いしてます。 今日は、ビラ配りとかちどき橋に11時と4時にずらりとプラカードを持って並ぶなどのアクションを予定。徳島に親類、友達のいる人はぜひ電話して投票をよびかけてください。


これこそ正しい吉野川河口の可動堰の見方!

今、97年の改正河川法の

「環境重視や住民参加の理念」が問われている!

第十堰2000.1.23 この堰を作った先人は、どんな気持ちでこの投票を見つめているのか。

堰、つまりは、ダムなのに、青石と、砂礫でできたこの堰はとても美しい。そして、上流のいわゆるバックウォーターは非常にきれいで澄みきっている。水の浸透、わき水を妨げない、バランスの保たれた建造物だ。先人の知恵の結晶というべき堰だ。

こんなのIRNのフィリップが見たら大感激するに違いない。この自然に融合したスゴイ建造物を、税金をつかって壊し、おまけに長良川をヘドロの汽水域にした長良川河口堰のような堰をつくるなんて、実にナンセンスだ。先人たちに恥ずかしい。

朝日新聞、1/18論壇 (法政大学教授・五十嵐敬喜)より

徳島県の吉野川に建設省が計画している可動堰をめぐる徳島市の住民投票が1月13日に告示され、23日に投票が行われる。

建設省は投票を前に、この計画に疑問をもつ住民たちと公開討論会を開き、住民投票を有意義なものにすべきである。また、住民投票の結果、住民の多数が「ノー」といったら、大義名文、すなわち公共事業の公共性が失われたものとして、即刻工事を中止すべきである。

第十堰は、江戸時代に第十という村落につくられたためにこの名がある。この洗い堰は吉野川の景観を構成する重要な要素であり、徳島市民の憩いの場になってきた。動植物の宝庫でもある。

建設省は、次のような理由でこの第十堰を破壊して、長良川河口堰より大きい、幅7百20メートル、高さ25メートルの可動堰を建設しようとしている。

1、第十堰を越えた水によって堰の直下流の川底が深く掘られ、付近の堤防が危険になっている。

2、第十堰は、老朽化が進み、流失の危険がある。そうなると、本来の目的である旧吉野川への分水機能が失われる。

3、第十堰は洪水の時に上流の水位を上昇させ、150年に1度ぐらいの大洪水があると、堰上流の堤防の危険水位を超え、堤防決壊の恐れがある。

一方、可動堰化に疑問を抱く住民たちの主張はこうであった。l

1、第十堰に1970年代半ば、急に川底の「深掘れ」が起きたのは、堰周辺で当時始まった大量の砂利採取が原因だ。その後、「深掘れ」による堤防被害の危険に気がついた下流の住民の要望でコンクリートブロックが投入されたので、危険はすでに回避されている。

2,老朽化というが、特産の青石でできていた第十堰に改修の名の下に張り付けられたコンクリートが老朽下しているだけで、コンクリートを張り直せば間に合う。石積みの第十堰こそ建設省が近年推進するようになった「近自然工法」の貴重な手本であり、保全・維持すべきだ。コンクリートの可動堰はせいぜい60年から百年の寿命しかないが、第十堰は250年にわたってその役割を果たしている。

3,第十堰が洪水の時に上流の水位を上げ、「せき上げ」が起きると主張しているが、大きな洪水になれば第十堰は川底に沈んでしまい、障害にはならない。また、建設省が主張する洪水時の水位の計算は必ずしも根拠が明らかではない。仮に建設省の水位計算が正しいとしても、堤防をかさ上げしたり上流に遊水池を設けたりする方が安くて早い対策だ。

論争は果てしない。それではどうしたらよいか。そのカギは河川法の可能性と限界にある。

河川法は明治以来、もっぱら利水と治水を中心にした、いわば土建的河川法であった。しかし97年の大改正によって、百年の歴史の中で初めて、目的に「河川環境の整備と保全」を加え、河川整備計画に「住民の意見を反映させる」ことをもりこみ、これは画期的なものに見えた。

これを受けて建設省も、吉野川の堰問題について住民説明会や対話集会を開くようになった。しかし、建設省は同じ主張を繰り返すばかりで、住民からそっぽを向かれ、昨年11月末の対話集会に出席したのはわずか2人だった。

なぜこのようになるのか。答えは簡単だ。それは改正河川法に環境重視や住民参加の理念があるにもかかわらず、建設省が、「工事を中止する」という選択しをもっていなからである。これではいくら立派な法律をつくっても意味がない。

住民投票というのは、河川法改正に趣旨に反して、疑問だらけのまま一方的に工事を強行しようとしている建設省に対する、住民に残された唯一の意志表示だ。

建設省は、可動堰建設に自信があるのであれば、住民投票の前に住民と討論会を開くなどして堂々と主張したらよい。投票で負けたら「公共性」がないとして工事はやめるしかない。21世紀の公共事業を考えれば、やめるという選択肢をもつことこそ、国民の信頼をつなぐ唯一の方法である。それは2001年の省庁再編で新しく生まれる国土交通省の試金石ともなるのである。

ネオ「川の民」宣言!パタゴニアpatagonia、99春版のカタログに、掲載された文です。

日本の河川について、草島の思いを端的に表しています。