発表!庄内南部広域水道の水質は、地下水とここが違う! 9/21発表 9/26更新

全然違う!ダム水と地下水!


テーブル上のサンプル
地下水浄水:高坂系鶴岡市大字中山甲89-1 h13年6月19日気温20.1度 水温17.3度 (調査 (財) 新潟県環境分析センター025-284-6501)
地下水浄水快適項目:h12年8月28日 気温28度 水温24.3度(調査 (財) 新潟県環境分析センター025-284-6501)
地下水原水:鶴岡浄水場着水井(原水)h13年6月19日09時36分 気温19.5度 水温13.2度(調査 (財) 新潟県環境分析センター025-284-6501)
広域水道浄水:鶴岡量水所 h13年9月10日14時10分 気温24.0度 水温19.8度(調査 (財)山形県理化学分析センター 023-645-5308)
広域水道原水:h13年9月10日11時05分 気温28度 水温19.6度(調査 (財)山形県理化学分析センター 023-645-5308)

●水質基準項目 快適項目などの詳細についての参考ページ(リンク)

広域水道

(浄水)

地下水

(浄水)

広域水道

(原水)

地下水

(原水)

基準値 物質 コメント
基準項目46項目
一般細菌 0 0 960 0 1mlの検水で形成される集落数が100以下であること 病原生物 原水の違いは明らか。
大腸菌群 検出せず。 検出せず。 検出 検出しない 検出されないこと 大腸菌を消すために消毒の処理必要な広域水道源水
カドミウム 0.001未満 0.001未満 0.001未満 0.001未満 0.01 mg/L以下 無機物質・重金属
水銀 0.00005未満 0.00005未満 0.00005未満 0.00005未満 0.0005 mg/L以下
セレン 0.001未満 0.001未満 0.001未満 0.001未満 0.01 mg/L以下
0.001未満 0.001未満 0.001未満 0.001未満 0.05 mg/L以下
ヒ素 0.001未満 0.001未満 0.001未満 0.001未満 0.01 mg/L以下
六価クロム 0.005未満 0.005未満 0.005未満 0.005未満 0.05 mg/L以下
シアン 0.001未満 0.001未満 0.001未満 0.001未満 0.01 mg/L以下
硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 0.1 1 0.1 1.1 10 mg/L以下 これは地下水の方が多かった。原因調査と徹底した地下水管理が必要。多量に含むとメトヘモグロビン血症候群など。
フッ素 0.05未満 0.08未満 0.05未満 0.08未満 0.8 mg/L以下
四塩化炭素 0.0002未満 0.0001未満 0.0002未満 0.0001未満 0.002 mg/L以下 一般有機化学物質
1,2-ジクロロエタン 0.0004未満 0.0001未満 0.0004未満 0.0001未満 0.004 mg/L以下
1,1-ジクロロエチレン 0.001未満 0.0005未満 0.001未満 0.0005未満 0.02 mg/L以下
ジクロロメタン 0.001未満 0.002未満 0.001未満 0.002未満 0.02 mg/L以下
シス-1,2-ジクロロエチレン 0.001未満 0.0005未満 0.001未満 0.0005未満 0.04 mg/L以下
テトラクロロエチレン 0.001未満 0.0005未満 0.001未満 0.0005未満 0.01 mg/L以下
1,1,2-トリクロロエタン 0.0006未満 0.0005未満 0.0006未満 0.0005未満 0.006 mg/L以下
トリクロロエチレン 0.001未満 0.0005未満 0.001未満 0.0005未満 0.03 mg/L以下
ベンゼン 0.001未満 0.0005未満 0.001未満 0.0005未満 0.01 mg/L以下
クロロホルム 0.012 0.0005未満 0.001未満 0.06 mg/L以下 消毒副生成物 浄水処理における塩素消毒によって生成するトリハロメタンの主成分である。クロロホルムには強い麻酔作用があり、肝臓、腎細尿管、心臓などに細胞毒として作用する。腎腫瘍や肝癌などの発ガン性が確認されている。
ジブロモクロロメタン 0.006 0.0003 0.001未満 0.1 mg/L以下
ブロモジクロロメタン 0.012 0.001 0.001未満 0.03 mg/L以下
ブロモホルム 0.001未満 0.0009 0.001未満 0.09 mg/L以下
総トリハロメタン 0.03 0.0026 0.001未満 0.1 mg/L以下 発ガン物質。ドイツの基準値0.035にすぐに届きそうな数値の広域水道。地下水と大きく違う。できるだけ少ないことが望ましい。
1,3-ジクロロプロペン 0.0002未満 0.0002未満 0.0002未満 0.0002未満 0.002 mg/L以下 農薬
シマジン 0.0003未満 0.0003未満 0.0003未満 0.0003未満 0.003 mg/L以下
チウラム 0.0006未満 0.0005未満 0.0006未満 0.0005未満 0.006 mg/L以下
チオベンカルブ 0.002未満 0.0005未満 0.002未満 0.0005未満 0.02 mg/L以下
項目名

広域水道

(浄水)

地下水

(浄水)

広域水道

(源水)

地下水

(原水)

基準値 区分
亜鉛 0.01未満 0.005未満 0.01未満 0.005未満 1.0 mg/L以下
0.03未満 0.03未満 0.09 0.03未満 0.3 mg/L以下
0.01未満 0.01 0.01未満 0.05未満 1.0 mg/L以下
ナトリウム 13 15 11 14 200 mg/L以下 味覚
マンガン 0.005未満 0.005未満 0.017 0.015 0.05 mg/L以下
塩素イオン 32.1 18 23.8 17 200 mg/L以下 味覚
カルシウム、マグネシウム等(硬度) 36 63 35 58 300 mg/L以下
蒸発残留物 92 140 88 140 500 mg/L以下
陰イオン界面活性剤 0.02未満 0.02未満 0.02未満 0.02未満 0.2 mg/L以下 発泡
1,1,1-トリクロロエタン 0.001未満 0.0005未満 0.001未満 0.0005未満 0.3 mg/L以下 におい
フェノール類 0.005未満 0.005未満 0.005未満 0.005未満 フェノールとして0.005 mg/L以下
有機物等(過マンガン酸カリウム消費量) 1.5 0.7 4.5 0.5 10 mg/L以下 味覚 名水と言われる水は 1mg/l以下でないと信用できない。のコメントあり。
pH値 7.1 6.8 7 6.5 5.8〜8.6 基礎的性状
異常なし 異常なし 異常なし 異常でないこと
臭気 異常なし 異常なし 異常なし 異常なし 異常でないこと
色度 1未満 1未満 13 1未満 5度以下
濁度 0.5未満 0.5未満 1 0.5未満 2度以下
快適項目
マンガン 0.005未満 0.002 0.01 mg/L以下
アルミニウム 0.02未満 0.02未満 0.2 mg/L以下
残留塩素 0.2 0.2 0.4 mg/L程度以下 におい
2-メチルイソボルネオール 0.00001未満 0.000001未満 0.00002 mg/L以下
ジェオスミン 0.00001未満 0.000001未満
臭気強度(TON) 1未満 1未満 3度以下
遊離炭酸 1.6 14 20 mg/L以下 味覚 3〜30mg含まれれば水に新鮮でさわやかな味を与える。現状の鶴岡地下水は良好値。広水はダメ値。
有機物等(過マンガン酸カリウム消費量) 1.5 0.5 4.5 0.5 3 mg/L以下 多いと渋み。消毒のために多量の塩素が必要。1以下が望ましい。「名水」は1mg以下。
カルシウム、マグネシウム等(硬度) 36 63 10〜100 mg/L以下 硬度50mg程度が多くの人に好まれる*
蒸発残留物 92 140 30〜200 mg/L以下 100mgぐらい含む水が穏和で円満な味、まろやかな味がする。*
濁度 0.5 0.1未満 給水栓で1度以下送配水施設入口で0.1度以下 濁り
ランゲリア指数 -2.1 -1.6 -1程度以上とし、極力0に近づける 腐食
pH値 7.1 6.7 7.5程度

*小島貞男「おいしい水の探求」によるコメント

水道水の味番付(小島貞男 おいしい水の探求(NHKブックス)より)

「我が国の水道水は、厚生省令によって定められた水質基準や指導基準に合格しているから、飲み水の安全性は十分に保障されているが、味は水源や浄水方法によって、特級品から三級水までの差がある」

特級水:湧水や、良質の地下水を消毒しただけで直接に送っている水道水
1級の「上」水:汚染されない上流の河川水や湖沼水、伏流水を原料とし、緩速濾過法という自然の浄化作用によって精製した水
1級の「下」水:汚染されない上流の河川水や湖沼水、伏流水を原料とし、急速濾過法によって精製した水
2級水:汚染された下流河川水や富栄養化した湖沼水を緩速濾過法によって浄化した水。
3級水:汚染された下流河川水や富栄養化した湖沼水を急速濾過法によって精製した水。

●所見 

水質データを見比べて、現状の鶴岡水源は、小島先生曰くおいしい水の条件1,蒸発残留物、2,硬度 3,遊離炭酸濃度とも、良好の値を示す。ダム水は、遊離炭酸濃度が低く、「おいしい水」用件から完全に外れる。また、「おいしい水を妨げる要因」としての有機物量が、地下水は、良好だが、ダム水は、この値が大きい。それに、発ガン性が指摘されている「クロロホルム、トリハロメタン値が地下水の10倍以上高い。日本の基準値は0.1だが、ドイツの基準値は、0.035だから、基準値に近い値がでている。このトリハロメタンについては、米国で「基準値内でも流産の危険性」というレポートがあがっている。

●要するに、鶴岡市の水道水は、地下水100%水源の水道水からダム水源の急速濾過。特級品から1級「下」~2級品へと2ランクから3ランク、ランクダウンする。

●そして、月山ダム水源地域に家庭雑排水を流している集落があるため、合成洗剤など、急速濾過では取り除けない物質がそのまま流れてくることになりはしないだろうか。

●9月20日、鶴岡市議会建設常任委員会協議会が開かれ、その場でこの水質データの公開と、ダム水源水の試飲がおこなわれた。冷たく冷やしてあったので、はじめはその違いがわかりずらかったが、飲んでみて少し苦みを感じた。それからぬるくなってからは、口にいれて「うっ」とひっかかる感じがした。これでは浄水器をつけたくなる方もいるかもしれない。明らかに違う水だと感じた。

草島進一 WaterWatchnetwork代表


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