山形県へ


庄内南部広域水道事業についての公開質問状と県の回答(10/20回答分)

2000年 10月 2日

山形県知事 高橋和雄 様

庄内南部広域水道事業について、未だ以下のような点が明らかにされておらず、多くの住民が不安を覚えています。以下の点への早急な回答をもとめます。

@庄内南部広域水道事業の給水契約に関する鶴岡市と県との間で行われている協議の具体的な内容、段階の詳細はどのようなものか。ただちに公開して欲しい。

給水協定(料金の算定期間に関わる年度別の1日最大給水量及び1日平均給水量などを定めるものの年内の締結に向け、もっか受水市町村と協議、調整中です。

A給水開始に至るまでの行政上の手続きスケジュール(予定)はどのようなものか。ただちに公開して欲しい。
上記1の調整が済めば、受水市町村と給水協定を締結し、その後、給水協定の内容を反映させた山形県水道用水料金条例の改正案を県議会に提案する予定です。

B受水開始当初の受水基本料金に関し、受水初年度から鶴岡市の最大契約水量の72,600Gがかかってくるものと理解してよいか。この場合の基本料金単価はいくらとなる見通しか。

基本料金単価は、料金算定期間中における総費用の固定的経費及び施設の給水能力を基礎とする水量により算出されます。現在のところ、総費用について精査中ですので、基本料金単価については、いまだ公表できる段階に至っておりません。
・受水市町村からいただくことになる基本料金の額は、上記により算出された基本料金単価及び各受水市長村の1日最大給水能力を基礎とする基本水量により算出されます。

C庄内南部広域水道事業の目標年度までの鶴岡市への年度ごとの給水計画案はどのようになるのか、数値  /Gで回答してほしい。また、その場合の給水単価は、150円G前後と見ていいか

・料金の算定期間に係る給水量については、受水市町村と調整中です。
・受水市町村平均の供給単価については、これまで150 円を上限とする旨説明してきました。
料金算定期間中の総費用は精査中ですが、この水準より30円程度引き下げることができるものと考えています、。
「供給単価」とは県から受水市町村に売りわたす水道用水1立方メートルあたりの単価です。

D広域水道事業の給水費に占める固定費と維持経費との割合はそれぞれどのくらいか。さらに、固定費の内訳とそれぞれの構成比率、維持経費の内訳とそれぞれの構成比率はどのくらいか。
料金算定の基礎となる費用については現在精査中ですが、固定的経費は、減価償却費、支払い利息、人件費(時間外手当などを除く)等で、変動的経費は、薬品費、動力費、修繕費、委託費、一般管理費等を考えています。
固定的経費、変動的経費の割合は、置賜、村山、最上広域水道用水供給事業に準じて、それぞれ80%、20%と考えています。」

E給水費の基本料金単価および使用料金単価の算定方法はそれぞれどのようなものか。

基本料金= 料金算定期間中総費用×固定的経費の割合
      基本水量の総和×料金算定期間中の日数

使用料金=  料金算定期間中総費用×変動的経費の割合
       料金算定期間中の使用水量の総和


F庄内南部広域水道事業の運営における年間固定費および維持経費のそれぞれの見積り額はいくらか。
料金算定の基礎となる費用について、現在精査中です。費用についての原案がまとまりましたら、その内容について受水市町村に提示し、協議を行うことになっておりますので、費用の内訳については、いまだ公表できる段階に至っておりません。

G庄内南部広域水道事業の経費において、事業主体である県企業局と、受水構成団体が負担する割合はそれぞれどれくらいか。

広域水道用水供給事業に要する経費は、受水市町村から料金という形でいただくことにしております。
なお、広域水道建設事業においては、水道水源開発施設整備費(ダム負担金)及び水道広域化施設整備費に国庫補助金、県一般会計出資金の支援を得ております。

H庄内南部広域水道事業の運営にさいして、県の一般会計予算からの繰り出し予定はあるか。ある場合、その額はいくらか。また、これはどのような経費に対して繰り出しされるものであるか。

県は、一般会計から、庄内広域水道に対して、平成12年度までに建設事業費の1/3(平成元年度までは1/10)に相当する約202億円を出資しています。また、給水開始後においても、平成元年度までの1/10と1/3の差額(7/30相当)について起債の元利償還に合わせて出資、提出していく予定です。

I鶴岡市と県との間で締結される給水契約は、今後見直しの手続き規定をともなうか。ともなうとすればその具体的な内容。ともなわないとすればその理由は何か。

給水に関する契約(給水協定)は、山形県水道用水供給既定に基づいて、今後締結されるものです。
もっか受水市町村と協議・調整中です。

J庄内南部広域水道の構成8団体の99年度給水実績は合わせて81,843Gであり、今の時点での広域水道事業の目標年度である平成29年の計画給水量109,700Gとは27,857Gの乖離がある。これは、構成団体が現在の水源を100%放棄してもなお余剰が出ると考えられる量であるが、この乖離について事業主体である県企業局はどのような見方をしているか見解をお尋ねしたい。
計画給水量は、目標年度における1日最大給水量をあらわすものであり、将来の安定供給を踏まえて、長期的な観点から計画されたものです。

wwn並びに住民投票の会では、この回答は肝心の事を応えていないとし、再質問状を提出しました。


鶴岡市へ

庄内南部広域水道事業についての公開質問状

2000年10月2日
鶴岡市長 富塚陽一 様

庄内南部広域水道事業について、未だ以下のような点が明らかにされておらず、住民の多くが不安を覚えています。以下の点への早急な回答をもとめます。


→市から回答が23日に届きました。しかしながら、質問に全く答えていないと思われます。現在再質問状を作成中です。


@庄内南部広域水道事業の受水契約に関する鶴岡市と県との間で行われている協議の具体的な内容、段階の詳細はどのようなものか。ただちに公開して欲しい。

庄内広域水道用水供給事業からの受水量計画については、これまでの議会での質問にお答えしているとおりです。各受水市町村が提出した受水量計画に基づき協議・調整中です。

A受水開始に至るまでの行政上の手続きスケジュール(予定)はどのようなものか。ただちに公開して欲しい。

庄内広域水道用水供給事業からの受水にかかる行政上の手続きは下記のとおりです。

●山形県水道用水供給規定に基づく給水協定の締結は本年中に行う予定です。

●山形県水道用水供給規定に基づく水道用水給水の申し込みは、給水開始日は未だ決まっていませんが、給水を受ける日の30日まで迄に申し込むことになります。

B受水開始当初の受水基本料金に関し、受水初年度から最大契約水量の72、600G分がかかってくるものと理解してよいか。この場合の基本料金単価はいくらとなる見通しか。

基本料金は料金算定期間中の総費用のうち固定的経費を負担するもので、受水市町村の各基本水量の割合により算定されます。なお、基本料金単価については、まだ県企業局から示されていません。

C庄内南部広域水道事業の目標年度までの鶴岡市の年度ごとの受水計画案はどのようになるのか、数値で回答してほしい。また、その場合の受水単価は、150円/G前後と見てよいか。

庄内広域水道用水供給事業からの受水量計画の期間については、平成13年の受水開始から平成22年度までである。受水量計画については、現在協議・調整中です。受水単価については、まだ県企業局から示されていません。

D鶴岡市水道の広域水道移行後の計画給水量とその根拠となる計画給水人口、1日計画給水量、一人あたり一日計画給水量を、それぞれ平成29年の目標年度まで年度ごとの数値を示して欲しい。

第1期料金算定期間である平成22年度までの計画給水量は議会でもお答えしているとおりです。(平成13年から22年まで平均で1日あたり4万1430トンと計画している 3月議会)関連する諸数値は、今後財政計画を策定する中で示していく考えです。

E広域水道移行後の鶴岡市水道の水道料金シミュレーションはどのようなものか。1.7倍になるという試算の根拠を含めて示して欲しい。

広域水道移行後の水道料金水準については、市広報の水道特集号や水道部広報「すいすい」で述べておりますように、県内13市の平均程度に抑えるように努力します。受水費の概要が示され、財政計画を策定していく中で示していく考えです。

F鶴岡市は、広域水道移行後も地下水源1万トンを維持すると議会で表明している。これはいつまでの期限で、どのような使途とする予定のもであるか。広域水道移行後も地下水源が各家庭への飲料水として残される可能性はあるのか。

自己水利用は、県企業局並びに受水市町村とで受水量の調整をしている段階であり、その使用量についてはお答えできかねます。なお、自己水の使用方法は、高坂配水池で広域水道用水と混合して配水する考えです。

G鶴岡市と県との間で締結される受水契約は、今後見直しの手続き規定をともなうか。ともなうとすればその具体的な内容。ともなわないとすればその理由は何か。

県企業局との給水協定の内容は、山形県水道用水供給規定によれば基本水量並びに料金算定期間に係わる年度別の一日最大給水量及び一日平均給水量を定めることとされています。

H鶴岡市水道部が近年になって毎年おこなっている給水制限の主要な原因について、井戸施設の老朽化、メンテナンス不足によるものと考えているかどうか。また、仮にこの約25年間に必要な施設更新をおこなってきたとすると、近年水道部が訴える「水不足」はおこりえなかったと考えるものかどうか。

給水制限の主たる要因は、涵養面積の減少や井戸の相互干渉などにより地下水位が低下し、取水量が大きく減少しているためと判断しています。

I庄内南部広域水道事業の経費において、事業主体である県企業局と、受水構成団体が負担する割合はそれぞれどれくらいか。

庄内広域水道事業の経費のうち、県企業局独自の財政負担については説明を受けていません

J9月24日に共催した「恵みの水フォーラム」の席上、市が昭和53年より55年まで、市の依頼をうけ水源を調査した柴崎達雄氏は、昭和55年6月に発表した「鶴岡市水道水源井拡張計画の検討」総合報告を説明する中で、赤川扇状地で地下水を涵養している鶴岡の水源の豊富さを示し、20年前に地下水源の複雑な地層を解析している鶴岡は地下水研究の先進都市である。という旨を報告した。また当時の報告書の最終結論として、「1.地下水は良質であり、水質も年間一定という飲料水源として好ましい性質をもつ。また、取水にあたっての経済性も無視できない。2.地下水利用の短期、長期の利害を調整し、今後とも鶴岡市の水資源として有効利用を図ること。3.たとえ、ダムの水が来たとしても鶴岡市の「隠し財産」として、地下水を温存する努力をすること。」と市に提言をした旨の説明をした。
当時、この報告書や提言はどのようにあつかわれたのか。55年6月にレポートが提出されてからの会議の日時、内容、議会での取り扱いの詳細を示して欲しい。

昭和52年度から実施した「水源にの拡張計画の検討」は第3期拡張計画で未給水地域への給水、大山、湯野浜水源の水質悪化による水源の廃止に鶴岡水源で充分な給水ができるのかどうかの検討です。調査結果を受け昭和55年8月29日には議員、市民の参加をいただき報告会を実施しています。

 これまで、報告書、提言を受けできるものは努力してきたところであり、地下水は災害時において有効なものと考え、将来にわたり緊急用として整備していく考えです。

K鶴岡市議会本会議28日の緊急質問の中、市長は、「広域水道に移行しなかった時にはどういうふうになるか-----だいたい今の料金の3倍、それ以上かなというようなことを聞いている」と述べているが、その根拠を具体的に示して欲しい。

広域水道建設工事費に対しての市の負担は逃れないものと考えています。一方、借地井戸に替わる新たな井戸の掘削や浄水場の全面更新工事などに多額の費用が必要となります。これらの費用は全て、水道料金で回収することになります。おおまかに見た場合ですが水道料金は約3倍と見込み答弁したところです。

鶴岡市議会議員
ウォーターワッチ・ネットワーク代表
草島進一
山形県鶴岡市本町1-5-13
0235-28-3338
0235-28-3009