山形県知事選挙 立候補者アンケート

update 2001.1.18

以下のアンケート並びに回答は、1月11日付け、鶴岡水道住民投票の会より、高橋、鈴木両候補に送付され、1月17日の締め切りまでに返答があったものです。

A庄内南部広域水道についておたずねします。

1.今年秋に導入が予定されていますが、地下水源でまかなわれている現状で、受水の延期は可能ですか?(理由も)



高橋和雄 候補
「庄内広域水道事業は、安全な水を安定的に供給し、水資源の効率的な利用を目的に、地元市町村の要請を受けて事業を進めてきたものであります。今年秋に予定している給水開始に向け、県・受水市町村が一体となって取り組んでいるところであり、お尋ねの受水延期は想定しがたいものと考えております。」

鈴木輝男 候補
「庄内南部広域水道は、今年の秋から給水開始が予定されています。水源を他に依存している余目町、月山水道、羽黒町、朝日村では給水をはじめ、安定した自己水源のある鶴岡市、立川町、櫛引町では、契約水量をどうするかを含め、引き続き協議が必要ではないでしょうか。県の広域水道事業全体について見直しが必要であり、その際、良質な地下水の保全と活用について水の利用計画のなかにしっかり位置づけるべきだと考えます。」


2.今の広域水道の契約では、上山市などで空水量に料金を支払う結果になっていますが、そのような住民負担をどうお考えですか?


高橋候補
「広域水道の料金は、法に基づき原価主義で算定されるもので、契約水量及び設備投資に要した費用や維持管理に要する費用が基礎となります。契約水量については、受水市町村と十分協議しながら決定しているところです。」

鈴木候補
「県広域水道からの受水で、基本料金の元となる契約基本水量と実際に使用している水量との比率は、村山広域水道で平均1.48倍、最上広域水道で1.45倍です。家庭用水道料金が県内でも上位の上山市、大江町は、県からの受水が1トンあたり200円前後で、使用水量とほぼ同じ分の空水量料金を支払っています。必要以上に過大な需要見込みによるダム、施設建設によるものでこの分を住民におしつけるべきではありません。」

3.急速ろ過で生成される産業廃棄物についてどうお考えですか?


高橋候補
「浄水場の発生土は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づき、産業廃棄物として適正に処理しています。」

鈴木候補
「上下水道の浄水方法は、緩速ろ過方式が最前の方法と考えます。しかし、急速ろ過方式に比べて数十倍の浄化施設が必要となるため、用地の確保や浄水施設整備費、維持管理費などが高額のものとなります。浄水過程において発生する汚泥は、急速ろ過方式によるものが緩速ろ過によるものより薬品による汚染度合いも汚泥の量や多いことは明確です。汚泥の汚染状態を明らかにするとともに、安全な方法で処理することが必要です。また、浄水方法の改善を含め汚泥の発生を最小限にする対策も必要と考えます。」

4.現在既に、山形県の水道料金は全国一の高料金です。受水後の水道料金の最終単価をいくらに設定するおつもりですか?


高橋候補
「広域水道料金については、その基礎となる受水量について、もっか、各市町村と話し合いを持ちながら検討しているところであり、料金を低く設定できるよう努力してまいります。」

鈴木候補
「山形県の水道料金は、家庭用10トンあたり2142円、全国平均1480円の1.4倍で6年連続全国一です。県水の比率が約80%の金山町、真室川町が1位と2位、10%の村山市3位など、全体として県水比率の高い市町がが上位をしめています。鶴岡市は広域水道からの給水によって、自己水源を1日1万トン利用する場合でも、県水単価は1トンあたり約185円で、家庭用水道料金は約2.6倍程度になる計算となります。」

B 富山の「出し平ダム」他、多くのダムで堆砂が問題になっています。
月山ダムでも近い将来、このような事態が起こりうると危ぶまれていますが、どうお考えですか?」


高橋候補
「最近のダムは、計画上100年で予想される土砂の堆砂容量を貯水池内に確保しており、土砂が流入してもダムの機能は維持されますが、状況によっては、貯砂ダムを設置し土砂を搬出する対策が必要と考えています。」

鈴木候補
「ダムにとって堆砂問題は避けて通れない課題で、長井市の菅野ダムも湛水量が下がったために、上流に新たなダムを建設する計画がでています。ダム建設そのものに、環境保護と事業効果の両面から世界で見直しが進んでおり、アメリカでは既設ダムの撤去が行われています。少なくとも緩斜面の部分や湛水によって生ずる溺れ谷に堤を設け、水が内湖を経由して主ダム湖に入る構造など、土砂の流入防止と除去対策をとる必要があります。」

C.公共事業について見直しが始まっていますが、「横川ダム」「長井ダム」は必要な公共事業でしょうか?


高橋候補
「両ダムは、過去の災害を契機に、洪水防御、河川維持、かんがい、水道や工業用水、発電等の多目的ダムとして国が建設を進めているもので、地域住民の生活や産業振興のために効果があるものと考えております。」

鈴木候補
「これまでダムは、洪水防止などの治水と水道や農業用水など水資源の安定供給、発電などの利水の面で、社会に恵みを与えるものとして建設がすすめられてきました。しかし、下流域での生態系の破壊や水質低下などが世界でも問題になっており、その見直しがすすんでいます。高橋県政は、長井ダム、横川ダム整備を95年策定して山形県新総合発展計画の主要プロジェクトにあげていますが、必要な公共事業かどうの再評価が必要です。」

D. 民意と行政のギャップを埋める方法として、鶴岡市で行われた住民投票条例の直接請求をどうお考えでしょうか?具体的にお答えください。


高橋候補
「住民投票は、重要な政策決定の際に住民の意見を聞くための一つの手段であり、全国では特定政策について住民投票条例が制定された例があります。いずれにしても、住民の意向を行政が常に把握し、課題があれば事前に対応しておくことが重要と考えます。」

鈴木候補
「憲法と地方自治法は、住民の選挙権と被選挙権、そして直接請求権としての住民投票、請願・陳情権など10項目を保障しています。住民投票は、必要に応じて住民の総意を直接問うためのより民主主義的な制度です。全国で、産廃処分場や原発の建設、環境保護などをめぐって、条例の制定と条例に基づく住民投票の運動が広がっています。広域水道事業での住民投票条例の制定を求める直接請求は、県内では先駆的なものと考えます。」


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