3月9日の朝刊 毎日新聞、朝日新聞に掲載!


毎日新聞山形版

庄内南部地区の県広域水道

「見直し請願、継続審査に」

県議会で賛否噴出

高料金が予想される庄内南部地区の県広域水道を見直すよう求めた署名請願をめぐり、県議会で8日、活発な討論が展開され、批判意見も出る中、継続審査とすることが決まった。請願は鶴岡市で水道問題に取り組む市民グループ「ウォーターワッチネットワーク」(代表・草島進一鶴岡市議)が提出。この日の厚生常任委員会で取り上げられ、多数の議員から賛否の意見がでた。水源となる月山ダムの建設費が倍増ししたことについて、保守系議員から、「ダム建設費は計画時点で算定する。2倍になるのはざらだ。市町村の要望で造るのに、、、、」と批判意見が出された。一方、革新系議員からは、「人口の伸びについては、国の見方も大きく変わった。現状では、すべてを利用地域負担とする枠組みを考え直すべきだ」との意見が出された。別の保守議員は、県が水道施設整備に補助をしている立場から、県内市町村に「日本一高い水道料金」を引き下げるよう強く要請することを求めた。こうした討議について、県は、水源のダムが完成後、利用を見合わせている他県の例を紹介し、使わなくても建設費を払わなくてはならないしくみに理解を求めた。請願では、鶴岡市などが2001年秋から水道用水を買う庄内南部広域水道について、想定人口が実態として大きくずれ、現時点では広域水道の需要がないとして、供給開始時期の再検討を要請。また、水源となる月山ダムの建設費が当初計画の約2.3倍になるなど、事業費増大の理由などを詳しく住民に説明するよう求めている

「松田 健」


朝日新聞山形版

広域水道見直し請願 継続へ 県議会委

「県の水道料金が高いのは、需給バランスを無視して進められる広域水道事業が原因だ」として、水資源保護に取り組んでいる市民団体「ウォーターワッチ・ネットワーク」(事務局・鶴岡市)が出していた「県広域水道の抜本的な見直しを求める請願」が8日、県議会厚生文化常任委員会で継続審査となった。

請願審査の中で、武田誠県議(自民)や笹山一夫県議(共産)らが「県の水道料が高いのは確かだ。県も料金抑制のために長年努力しているはずなのに、なぜ下がらない」と、県側の考えをただした。

これに対し、木村俊夫・環境整備課長は「広域水道事業も理由の一つ。水道の安定供給が目的だが、給水面積に対して人口が少ないので、料金に跳ね返っている」と説明した。委員の間からは「(請願)は簡単に採択できる内容ではない」として継続審査の動議が出され、了承された。「ネットワーク」代表の草島進一・鶴岡市議は、「今後も勉強会を開いて、この問題の認識を広めていきたい」と話している。県内の平均水道料金は10立法メートルあたり2081円で、全国平均よりも600円ほど高く、全国最高。請願では「県内の広域水道の基礎データが現実の水需要に合わず、住民の負担を増やしている」として、再検討を求めていた。