『僕はパパを殺すことに決めた』(草薙厚子/講談社)の公立図書館での閲 覧等の制限の取り扱いについて(声明)


2007年9月17日
図書館問題研究会全国委員会(委員長川越峰子)


 図書館問題研究会(図問研)は住民の学習権と知る自由を保障する図書館の発展を目指して活動する図書館員、住民、研究者など図書館に関心を持つ人たちの 個人加盟の団体です。私たちは、この9月16日〜17日、東京において、07年度第2回全国委員会を開催し標記問題について論議しました。その論議を踏ま え、以下の見解を明らかにするものです。

 さて、9月16日〜17日にかけ、新聞で一部の図書館において標記図書に関する閲覧中止・貸出制限などの動きが報道されました。図書館問題研究会では、 この動きに対して反対を表明するとともに、各館に対してもう一度『図書館の自由に関する宣言』「(以下『自由宣言』)の原則を踏まえ、閲覧制限などの措置 について直ちに再考することを強く求めます。



1. 司法当局からの出版元、著者への抗議や勧告、検察当局の資料提供者、著者等への強制捜査の今回の一連の報道に対して、図書館が過敏に反応し標記図書の閲覧 等を制限したことは、『自由宣言』が謳う「図書館の自由」の原則からみて問題のある対応であると私たちは考えます。
「すべての図書館資料は、原則として国民の自由な利用に供されるべき」(『自由宣言』第2−1)であり、こうした対応は、すべての市民に広く開かれた図書 館を一方的に市民から遠ざけ、資料・情報提供をとおして市民の知る自由(知る権利)を保障しなければならない図書館の役割を大きく裏切るものではないで しょうか。

2.該当図書を所蔵し、その扱いを検討している図書館においては、『自由宣言』第2−1(「すべての図書館資料は、原則として国民の自由な利用に供される べき」)に基づき、市民の知る自由(知る権利)を保障する立場で対応を主体的に判断されることを望みます。

文責:図書館問題研究会 図書館の自由委員会(委員長中沢孝之)



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