19練教光図第1405号
平成20年2月19日

図書館問題研究会
委員長 川越 峰子様

練馬区立光が丘図書館長 小池 喜美子


練馬区立図書館の貸出履歴システムに関する問い合わせについて(回答)

 日ごろより、練馬区立図書館をご利用いただき、誠にありがとうございます。
 先般、お問い合わせいただいた件につきまして回答いたします。

1)図書の汚破損を防止する今回の措置の検討は、いつごろどのような形で始まりましたか。

 次期図書館情報システムの修正・機能追加については全館の職員ならびに各館の担当者で構成される分科会から提案を受けました。
 ご指摘の措置については、この提案の一つです。
 
2)検討はどのように進められましたか、また措置決定までの期間を教えてください。

 平成17年2月に「次期図書館情報システム検討プロジェクトチームを」を発足した。
 メンバーは、区立図書館11館から各1名を選抜するとともに、事務局として光が丘図書館資料係が参画し、平成20年1月まで延べ34回の会議を開催し、 システムの修正・機能追加に関する検討を行いました。
 さらに,平成18年9月にはこのプロジェクトチームから選抜した職員4名による本システムの「開発部会」を設置し、平成19年12月まで、延べ22回の 会議を開催し、システム導入に関する具体的仕様の策定や導入に関して発生した課題の解決など、専門的課題の解決を検討しました。
 「開発部会」で導入にかかる考え方を検討し、「次期図書館情報システム検討プロジェクトチーム」導入の可否を選別しました。
 この結果を、光が丘図書館を初めとする全館の館長及び係長で構成される「館長会」において議論し、平成19年9月の館長会において導入が決定されまし た。

3)汚破損に対して、今回の措置以外にどのような対策を採っていますか
   新規利用登録時に説明を行うとともに、ポスター等による周知を行っています。

4)図書の汚破損の被害件数と利用者との(汚破損をめぐる)トラブル事例を記入してください。


汚破損による除籍件数

件数
金額
2002年
19,556
25,072,968
2003年
20,051
23,947,652
2004年
25,971
28,873,549
2005年
24,872
30,062,874
2006年
36,742
47,766,492
2007年※
38,120
54,141,712

※1月〜10月までの集計
※人為的な汚破損のみの集計数値はなし

 利用者から図書、雑誌の書き込みや切り取り等、汚破損についての指摘を受けましたが、前回の利用者が不明なため、廃棄せざるを得ませんでした。
 また、CDについても、解説書の一部が不足しているとの指摘がありましたが過去に訴求(掲載者注:「遡及」の誤変換と思われる)することができないた め、資料が不足したまま貸し出さざるを得ませんでした。

5)汚破損が発覚した、これから貴館ではどのような措置を採りますか。具体的にお答えください。

 直前の利用者に対して貸出時の資料の状態と汚破損について確認し、汚破損をしたと利用者が認めた場合、弁償手続きを行います。

6)今回の措置で図書の汚破損を防止することができると考える理由は何ですか。想定される具体的な業務と併せてお答えください。

 貸出及び返却数が多いため、返却時に十分な資料の点検を行うことが極めて困難な状況です。
 しかし、今回の措置を導入する事により、返却時に、汚破損についての確認を利用者に対して行うことができることから、利用者の資料保全に対する意識の向 上を啓発することが期待できる考えています。
 
7)今回の措置が貸出記録の流出リスクや警察等による貸出記録の閲覧・提出要求などに発展しないか危ぶむ声が聞かれます。それらが万が一発生した場合m、 どのように対処されますか。

・貸出記録の流出リスクについて
 新システムでは、端末操作ログの記録、パスワードの有効期限設定、ハウジング化の実施により、情報漏えいに関するセキュリティ対策を強化していることか ら、流出リスクは低下していると考えています。
 また、本件に係るデータは、システムにより業務担当者のみに権限を付与して、不必要な閲覧を制限するとともに、運用基準を設けて厳正に使用することとし ています。

・警察等による貸出記録の閲覧・提出要求について
 従来どおり、法に基づく請求でない限り、一切の情報を提供しません。
 
8)今回の措置は、すべての図書館スタッフの議論や意見聴取を行い、合意を得た上でのものですか。議論の中では反対意見がありましたか。

 2)の回答にあるプロジェクトチームは、全館の職員が各館の代表として参画していることから、全館において議論、意見聴取は行われ、若干の反対意見はあ りましたが、全館の合意の上で決定したものです。

9)住民(利用者)への説明はどのように行いましたか。

 平成19年12月から全館において、A3版ポスターにより、本件を含む次期システムのPRを行いました。

10)住民の同意や理解を確認した上での措置ですか、またそうした確認を行わなかったのであれば、その理由は何ですか。

 9)で回答しましたとおり、ポスター等により周知を図り、理解を求めました。

11)今回の措置の発表と運用に関して、住民(利用者)からはどのような反応がありましたか。
   賛成6件、反対7件の意見を伺っています。

このたびは、お問い合わせをいただきまして誠にありがとうございます。
今後もお気づきの点がありましたら、お問い合わせを賜りますようお願いいたします。