<東京電力がウソをついた>

 東京電力が『送電線を張りたいので土地を貸してくれないか』と言ってきた。地主の人々は、高圧送電線は電磁波の問題もあって「いやだ」と答えた。すると、東京電力は『電気をたくさん使うとき事故で回線がこわれた場合、必要な電力量が送れなくなってしまうから、そうしたら皆さん困るでしょう。補助回線用に作らせてくれないか』と言ってきた。さらに、『夏には皆さんエアコンを使う。その夏の事故時の補助用にひとつ作らせてくれないか』と言う。しかし、どうも東京電力の言うことはおかしいので、地主の人々がよく調べてみると、夏の電力をたくさん使うときでも1回線くらい切れても大丈夫だということがわかった。つまり6回線あるうちの1回線が切れても残りの5回線で十分ということがわかった。それも東京電力の資料で算出したのである。「東電さん、ウソを言ったでしよう」と地主側が言うと、「ああ、そうです」と実際を話はじめ「首都圏に送るのに作りたいのだ」と白状した。
 事業認定申請において、事業の種類、事業の認定を申請する理由について、はじめ東京電力は「平成11年夏期ピーク時、1回線事故に備える補助回線」だと言っていたのだが、それをひるがえして「首都圏向けの主要回線」だと言いかえた。補助回線なのか、それとも主要回線なのかは、地主に与える心証も事業内容・目的も全く異なってきて、事業内容そのものが異なることは明白だ。このようないい加減な申請は、承認するわけにはいかない。

<電磁波問題視民研究会からのコメント>
 東京電力がこの事業認定においてウソをついていたわけです。すなわち高圧送電線の設置目的をごまかしていたと言うことです。さらに、夏の首都圏の電力需要ピーク時のために回線をふやすという説明もあやしいです。都会の人々もだまして発電量をふやさないと困ると言いくるめ、原発をふやすことが本当の目的であり、その電力を送電するための建設と考えればつじつまが合います。人口が減少レ、省エネルギーを推進することが義務づけられた日本で、相当以前に作成した電力会社や通産省の「想定」のように、電力需要が増大し続けることもあやしいのです。(ガウス・アクションニュース第4号'99.2.6より抜粋)

寄稿一覧に戻る