[投稿] 阪南中央病院のご紹介

(番組紹介) ザ・ドキュメント
『やさしい病院がなくなる!守れ、わたしたちの医療』
      5月26日(日)13時30分 関西テレビ(8チャンネル)


 呼びかけ人の玉木佐江美です。阪南中央病院労働組合の執行委員長をしています。
 このたび、私たち阪南中央病院の自立再建に向けた闘い、これまでの医療を守るための取り組みを描いたテレビドキュメントが放映されることになりました。番組は、「ザ・ドキュメント『やさしい病院がなくなる!守れ、わたしたちの医療(仮題)』」というタイトルで、5月26日(日)13時30分より関西テレビ(8チャンネル)で放映されます。是非ご覧ください。なお、番組内容は関西テレビのホームページで紹介されています。
  http://www.ktv.co.jp/b/document/index.html

 簡単に阪南中央病院の紹介をさせていただき、私たちの自立再建の闘いにご理解をいただきたいと思います。
 阪南中央病院は1973年、長年部落差別に苦しめられた同和地区の住民の粘り強い要求闘争の中で、国の同和対策事業特別措置法による補助金の交付を得て、大阪府、松原市の共同出資で設立されました。医療を受ける権利が事実上保障されていなかった同和地区住民が安心して医療を受けられるだけでなく、松原市はもとより広く近隣地域住民の、とりわけ社会・経済的に圧迫されている人々に対して、親切で心のこもった患者中心の安心した医療支援を提供することを設立趣旨として医療活動を行ってきました。阪南中央病院は、入院ベッド257床、総合的機能を持つ病院として、今日では年間10万人の入院患者、30万人の外来患者が利用しています。同和地域だけでなく南河内・堺地域の中核病院としての役割を果たしています。
 阪南中央病院ではその設立趣旨に基づいて、地域の被爆者、水俣病の方々の健康管理と医療活動、在韓被爆者の渡日治療受け入れ、社会的リスクをもつ妊産婦への医療、等々、医療において差別されている人々、社会的経済的に弱い立場に置かれている人々に対する医療活動に積極的に取り組んできました。また、職員と労働組合の自主的な活動として、東海臨界事故被曝実態調査、ベトナム医療支援、関西水俣病訴訟支援、在韓被爆者訴訟支援、被爆者実態調査、脳死移植での救命治療切り捨て反対運動、チェルノブイリ被害者支援など、社会的な諸活動も活発に行われています。
 また反戦平和の闘いにも積極的に関わってきました。このような経緯もあって、「アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名」事務局の連絡先を引き受けさせていただいています。
 大阪府は昨年末、財政危機と同和対策事業の法的期限を理由に、阪南中央病院の補助金打ち切り、民営化方針を打ち出しました。私たちは、民間売却か、自立再建かを迫られましたが、あくまで自力で経営再建して阪南中央病院を存続させる道を選択しました。昨年秋以降、阪南中央病院労働組合が行った病院存続の対大阪府署名には、診療圏の患者・市民だけでなく、全国各地から4万人以上の方が協力してくださいました。多くの皆さんの支持と信頼の力により病院の自立再建の方向が固まり、府議会においては自立再建のための府債権放棄と補助金が議決されました。この4月、職員は大幅な賃金カット人員削減、労働強化による多くの痛み受け入れながら自立再建の道に踏み出しました。
 私たちは、阪南中央病院の自立再建闘争は、差別のない患者中心の医療、社会的弱者のための医療を貫き、確固たる地域医療の砦を築き上げる闘いだと考えています。それは、今の政府・厚生労働省の医療営利化と医療切り捨て、小泉内閣の弱者切り捨て政策に対する最大の武器であると確信しています。その意味でも私たちは阪南中央病院の自立再建闘争に全力で取り組み、必ず成功させたいと強く思っています。今後とも皆さんのご支援ご協力をよろしくお願いします。
 なお詳しくは、阪南中央病院労働組合ホームページをご覧下さい。
  http://www2.osk.3web.ne.jp/~hannanun/

2002年5月9日