反占領・平和レポート NO.6 (2002/03/05)
緊急報告−−シャロン政権の新たな虐殺
身体を張ってイスラエル軍に立ちはだかる
緊急行動を開始した女性たち


 2月28日未明から3月2日にかけて、ジェニン市の難民キャンプとナブルス市のバラタ難民キャンプにイスラエル軍が軍事侵攻し、24人のパレスチナ人を殺害、約200人を負傷させました。1982年レバノンのサブラ・シャティーラ難民キャンプでの大虐殺の前歴があるシャロンが、新たな大虐殺へ突き進む危険性が高まっています。
 イスラエル国内では、占領地での軍務拒否運動と占領地からの撤退を要求する反戦平和運動の高揚によって、支配層内部に占領を続けるかどうかについて深刻な対立が生じるまでになっています。そのもとで、パレスチナ人民の側からの、軍事施設と入植地に的を絞った波状的な反撃が強まり、ゲリラ戦による民族解放闘争という様相をおびはじめています。
 シャロン政権は、このような状況のもとで、支持率が50%を割るところまで急落し、最新の世論調査では政権に不満である人々の割合が53%にも達しています。イスラエル国内では左からだけではなく右からの批判も強まり、パレスチナ側からは反撃・攻勢が激化する中で、シャロン首相は、新たな危険な賭けに出た可能性があるのです。

 イスラエル国内で勇気ある闘いを牽引している「公正な平和をめざす女性連合」を中心とする女性たちが、以下のような「緊急アピール」を発しています。これは身体を張って自国軍の侵略行為と暴虐を阻止する宣言と言っていいでしょう。私たちも、あらゆるところで、彼女らに連帯していきたいと思います。
 連帯の証として私たちは、レバノンの難民キャンプで大虐殺事件を起こした張本人シャロンを国際裁判にかけるオンライン署名運動を呼びかけています。また、イスラエル国内の軍務拒否者を支援するオンライン署名運動も呼びかけています。皆さんもぜひご協力ください。

シャロンを止めろ!
イスラエルは軍事行動を即時停止せよ!
アメリカはイスラエルに対する軍事的経済的政治的支援をやめろ!
国際監視団の設置を実現せよ!
イスラエルは占領地からの即時無条件全面撤退を行え!



=「公正な和平をめざす女性連合」の緊急アピール =
国際社会とイスラエルの女性たちへ
行動に立ち上がることが求められている

 国際社会とイスラエルの女性たちは、3月4日ナブルスへ行き、バラタ難民キャンプへのイスラエルの残虐な侵攻に反対して立ちはだかるつもりである。難民キャンプからの報告によれば、イスラエル軍は住民殺傷に加えて、一軒一軒壁をぶち破っての暴力的捜索を行い、家屋をくまなく荒らしまわり、住民を恐怖におとし入れている。報告によれば、今や食糧と医薬品の不足がいっそう悪化し、難民キャンプは人道的援助の必要がある状態である。

 ナブルスの国際的支援活動家は3月1日に次のように報告した。:バラタ難民キャンプでの虐殺は今も続いている。イスラエル兵は難民キャンプを急襲したとき、キャンプの掘っ建て小屋構造の家々をつないでいる壁をぶち破り、パレスチナ人の家屋をメチャクチャに破壊し爆破している。自分の家を守ろうとして16人のパレスチナ人がこれまでに殺された(ジェニンとバラタ難民キャンプで)。多くの女性と子供を含む数百人のパレスチナ市民が負傷した。ナブルスから、バラタ難民キャンプの破壊が見え、その音が聞こえる。−−キャンプから煙があがり、ガラスが割れる音が聞こえ、爆発の音が聞こえる。

 女性活動家たちは、難民キャンプに入ることを試みるつもりである。そしてイスラエル兵士たちに対峙し、彼らが略奪と破壊を続けるのを阻止することを追求するつもりである。イスラエル軍によって現に行われつつある国際法違反行為に、国際社会の注目が集中されねばならない。パレスチナ人住民の保護が行われねばならない。この緊急行動において、国際社会とイスラエルの女性たちは、この人道的悲劇に世界の注目を引きつけるため、たとえ象徴的なことしかできなくても、パレスチナ人住民の保護を行うことを追求するつもりである。




 アメリカの「報復戦争」と日本の参戦に反対する署名運動 事務局