“餓死の危機”から5万市民を救え!
米軍によるファルージャの大虐殺を糾弾し、
封鎖解除と即時撤退を求める決議


(1) “ファルージャの大虐殺”−−戦後、血塗られた米国の戦争犯罪の歴史の中でも、これまで見たこともない前代未聞の大虐殺が今私たちの目の前で強行されている。2つの世界大戦を経て数千万人の人類の犠牲の上にやっとのことで築かれたジュネーブ条約と人道関連の国際法は、今回の攻撃によって完全に蹂躙された。私たちはまずもって米軍のこの人類史上まれに見る大虐殺の事実を徹底的に暴露し糾弾しなければならない。

 ファルージャの虐殺はまだ終わっていない。今少なくとも3つの危機が差し迫っている。
 第一に、そして最大の問題は、ファルージャに閉じ込められた約5万人に及ぶ女性・子供を含む市民の餓死の危機である。米軍は「武装勢力壊滅」なる口実で市民もろともの絶滅を狙い、未だに市内への自由なアクセスを阻止している。米軍は「援助は自分たちがやっている」「国連の援助は必要ない」と赤新月社、国際赤十字その他の緊急援助、食料、医薬品の搬入を拒否しているのである。電気・水もずっと遮断されたままである。
 第二の問題は、今なおファルージャで続く、米軍・イラク国軍による「残党狩り」「掃討作戦」と称する“形を変えた虐殺”である。数日前に米のテレビですっぱ抜かれた負傷したイラク人の射殺は、氷山の一角にすぎない。
 第三の問題は、ファルージャ市内から避難した大量の避難民の「人道的危機」である。米軍とその傀儡による攻撃は、ファルージャの郊外の砂漠地帯に、膨大な“難民キャンプ”を作ったのだ。そしてそこへの緊急援助もほとんどなされていない。ここにも伝染病と飢餓の危機が迫っている。

(2) 2004年11月8日に開始された今回の米軍によるファルージャに対する侵略、軍事行動は米の数々の戦争犯罪の中でもかつてなく残忍で凄惨な大量虐殺、住民皆殺し作戦である。日本では数日前から、ファルージャ関係のメディア報道がピタッと止まった。ほとんど全てのメディアは今回のファルージャ攻撃を、まれに見る“大量虐殺”とは捉えていない。「武装勢力を掃討するだけ」「住民は犠牲になっていない」等、米軍の「大本営発表」をそのまま垂れ流すだけだ。それはもはや真実を報道するジャーナリズムの責務を放棄した犯罪的なものと言わざるを得ない。

 しかし米軍は一体ファルージャで何をやっているのか。真実の一端は以下の通りである。
−−ファルージャ攻撃は、30万都市の8〜9割を市街に追い出し、残った5万人以上を全員「ザルカウィ」「武装勢力」「テロリスト」と決め付け、市全体を包囲・封鎖し、住民を逃げられないようにした上で皆殺しするという残虐極まりない作戦である。この作戦の異常性を強調することが必要である。米軍といえども、かつて数万人規模の住民を丸ごと虐殺の対象、殲滅作戦の目的とするような作戦はなかった。
−−米軍の卑劣さは、まずその大虐殺の事実を徹底的に報道管制で封じ込めることにあった。住民虐殺が組織的・計画的犯行であることの証拠である。そのため子供や女性などの死傷者の映像を世界に流させないために最初に病院・診療所を攻撃し破壊し、医師と看護婦を虐殺した。救急車の出動を禁止して、負傷者の治療をさせず死ぬようにし向けた。アルジャジーラ支局の閉鎖とイラク国内のメディア規制も同様の狙いである。
−−次に、橋・道路を封鎖し、電気を遮断し、電話を切断し、水・食糧・医薬品の搬入を完全にストップし、ファルージャ市を外界から完全に孤立化させた。封鎖線から避難しようとした家族を女性・子どもと男に選別し、男はすべて空爆・砲撃・銃撃の市内に追い返した。男を中心に“袋のネズミ”状態にしたのである。完全封鎖の完成である。
−−こうした周到な準備の上で米軍式の“三光作戦”、皆殺し作戦を開始した。空爆・砲撃・銃撃などで建物もろとも徹底破壊し、住民を女性・子ども構わず爆殺した。イラク軍は略奪行為を繰り返している。
−−家宅捜索し男を全員拘束するか、抵抗する者は男だけではなく全員を射殺している。通りに出た人は誰であろうとスナイパーが銃撃している。おびただしい数の死体が道路に散乱したまま放置され、犬や猫が死体を食い散らかしている。死体が散乱し耐え難い腐臭が漂っている。逃げようとする家族もろとも武装ヘリが機銃掃射で全員虐殺した。
−−すでに1200人とも1600人とも2000人とも言われる犠牲者が指摘されている。徹底した攻撃の中で住民がどれだけ殺されたのか、まだ分からない。実数はもっと多いはずだ。赤十字は、「民間人800人が犠牲」とした上で、「私たちの評価もあまりにも低すぎるだろう」とコメントをつけた。この何倍もの人々が殺され、犠牲になったのは間違いない。米軍は、「クリーンナップ」作業と称して今必死に死体を運び出している。証拠隠滅が狙いである。死体を集めて川に捨てているとも報じられている。
−−米軍は、市内の食糧備蓄所や食糧に火を付けて回っている。食糧・医療など緊急援助の搬入を禁止し、人為的な「飢餓状況」を作り出している。
−−市内の病院は攻撃の2ヶ月前から医薬品の供給をストップされた。給水・電気がストップされ腐った食べ物と泥水によって伝染病が広がっている。
−−サーモバリック爆弾、クラスター爆弾、化学兵器、白リン弾など非人道兵器使用も報道されている。等々。等々。

(3) ファルージャでの大規模戦闘は終わった。しかし、地元住民は残虐な侵略者米軍とその傀儡軍に対して最後の抵抗を続けている。米軍はファルージャの完全封鎖を未だに続けている。掃討作戦という名の虐殺が行われているだけではない。最後の一人を殺すまで封鎖を続けるつもりだ。数々の「人道的危機」が深刻化するのはこれからである。
 一刻の猶予もない。これ以上子供や女性、大勢の住民が死んでいくことを黙って許してはならない。私たちは米軍に対してファルージャの封鎖と軍事行動を今すぐ中止するよう強く要求する。
1.直ちにファルージャの封鎖を解除せよ。
2.人道支援、医療支援をファルージャに入れろ。
3.マスメディアをファルージャに入れよ。
4.米軍は直ちにファルージャから撤兵せよ。イラクから撤退せよ。

2004年11月23日
イラク現地は訴える:米占領の暴虐の真実−−
11.23エマン・ハーマスさん講演会参加者一同






(集会決議2)
小泉首相のファルージャ虐殺支持発言糾弾!
自衛隊派兵延長反対! 即時撤退! 集会決議


11/23 講演会報告
メディアから隠された”大量虐殺”を告発



(関連 「イラク戦争被害の記録」)
今も続く “ファルージャの大虐殺”−−飢餓、無差別射撃、避難民