5/23・24 有事法制を止めよう! 全国リレー国会行動
戦争を止めよう!平和を運ぼう!全国リレー行動 in東京

■ 5月23、24日の両日、2月から約4ヶ月にわたって全国各地で進めてきた「戦争を止めよう!平和を運ぼう!全国リレー行動」の大きな集中点として、「5/23・24有事法制を止めよう! 全国リレー国会行動」が行われました。2回の有事法制の継続審議を勝ち取った昨年と比べ、全国的な動員と大衆的な広がりはまだ発展途上という感じでしたが、しかし民主党の裏切りの直後であったこともあり、参加者はそれぞれの怒りを胸に結集しました。

■ 2月2日東京での集会を皮切りに始まったこのリレー行動は、「イラク戦争止めよう」「有事法制を止めよう」を合い言葉に、全国各地の反戦、反基地、日韓連帯の運動をつなげようと、北は北海道から、南は沖縄まで、延べ20数カ所で様々な取り組みが行われてきました。2月2日と言えば、まだ対イラク戦争に向けて、国際反戦運動と米英と日本を含むその追従者たちとの正面からの対決が進行中でした。2月当時は私たち自身が、その歴史的な闘いの真っ只中で活動しているという実感を持って集会を準備したことを思い出します。

■ そしてこのリレー行動の真っ最中に、ブッシュ政権は、全世界的な反対運動を押し切って無法極まりない対イラク戦争を開始し、多大な犠牲者を生み出しました。阻止できなかった挫折感より、眼前で繰り広げられている侵略・虐殺・破壊行為に精一杯糾弾をすることが関心事でした。戦争下のリレー行動は憤りと腹立たしさで緊張感みなぎるものとなりました。
 そして4月初旬のバグダッドが陥落以降、大規模な戦闘は終わり、米英の無法な占領統治の段階に入りました。リレー行動でも、イラク戦争での戦争犯罪の告発や、占領下での米英による残虐行為に反対することが新たな目標となり、課題も訴える中身も変化していきました。

■ そんな中、国内では、イラク戦争の米英の勝利に乗じて、小泉政権が突如有事法制をごり押しし始めました。そして5月15日、有事法案は民主党の裏切りで国民が何も知らされないまま、議会内の「談合」であっという間に衆院での採決が強行されてしまったのです。私たちは決してこの日を忘れることがないでしょう。

■ 今回の行動は、4月〜5月にかけてイラク情勢も有事法制をめぐる国内情勢も激変する中で行われました。また5月23日とは、参院でまさに個人情報保護法が可決・成立した日であり、参院特別委では有事法制特別委が開かれ審議されるという非常に緊迫した雰囲気の中で行われました。
 23日の有事法制反案を求める参院議員要請行動には20数名が、院内集会と国会前行進には40数名が参加しました。また、各地でのリレー行動を担ってきた人々が結集した24日の全国交流集会には60名が参加し熱い意見交換と交流を行いました。
 私たちは、この行動を日本の新たな反動化・軍国主義を阻止するための私たち自身の新たな闘いへの出発点としていきたいと思います。
 
■ 23、24日の行動の呼びかけ団体、賛同団体は以下です。
 呼びかけ団体:「基地はいらない!女たちの全国ネット、心に届け女たちの声ネットワーク」(沖縄)、「在日韓国民主女性会」、「無防備・非核ネットワーク北海道」、「湯布院女性ネットワークひまわりの会」、「ピース・ニュース」(東京)、「ローカルNET大分・日出生台」、「NO!レイプNO!ベース女たちの会」、「アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局」(大阪)、「一坪反戦地主会・浦和」、「『知ろうよ!学ぼうよ!“沖縄”を』実行委員会」(埼玉)、「わかば塾」(埼玉)が呼びかけた。
 賛同団体:「『女性・戦争・人権』学会」、「『日の丸・君が代による人権侵害』市民オンブズパーソン」



有事法制廃案を求め民主党参院議員への批判と働き掛け−−−−−
40名を超える参加で院内集会と国会前行進

■ 23日には参院議員に対する廃案を求める要請活動、院内集会、国会前行進を行いました。議員要請活動を予定していた午後2時前には、飛び入り参加も含め全国からかけつけたそれぞれの団体やグループを代表する市民約20名数名が集まり、参加者全員で参議院の有事法制特別委員会の委員の議員事務所を中心に有事法制の廃案を求める要請活動を行いました。
 とりわけ反戦・非戦の世論を裏切った民主党の有事法制特別委のメンバーを説得活動の中心に据えたのですが、多くの民主党議員は「衆院が決めたのなら仕方ない」「再修正はない」と全く“やる気”なし。議会外の市民や世論に訴えることの意義を強く感じました。

■ 午後3時から衆議院第2議員会館第四会議室で開催した「院内集会」には、全国リレー行動に参加した全国のグループの中から東京、湯布院、新潟、埼玉、そして大阪などから参加しました。

 集会参加者は40名を越え、会場はほぼ満席。リレー行動のそれぞれの企画で「有」「事」「法」「制」「反」「対」「戦」「争」「や」「め」「ろ」が書かれた1メートル四方の布に寄せ書きされたものが会場に大きく張り出されました。イラク戦争で犠牲になった民間人や子どもたちの写真の新シリーズも張り出されました。若さあふれる高知からの飛び入り参加者は、高知市内の街頭で道行く市民に寄せ書きをしてもらったという10m以上の大きなロール紙を張り出しました。

■ 集会では「アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局」(大阪)からのイラク戦争と有事法制に反対する緊急署名活動の報告、「湯布院女性ネットワークひまわりの会」からのピースウォーク、ピースキャンドル行動の報告、新潟キリスト者平和の会からの報告、「ピースライブin高知」の街頭寄せ書きなどの報告、高知「草の家」についての在日三世からの報告、在日韓国民主女性会からの朝鮮半島で戦争を起こさせないというアピール、韓国と日本の通訳をしている方からの6.13中学生れき殺事件一周年にむけた韓国での取り組みの紹介、ピースボートからの北朝鮮訪問の活動紹介、横須賀からの原子力空母母港に反対する署名運動の紹介、埼玉浦和での一坪反戦地主の活動紹介などが続きました。

■ 集会には、社民党の山内恵子、北川れんこ両衆院議員が駆けつけ、それぞれ最悪の戦争法案が衆院を通過したことを弾劾しました。また福島瑞穂議員の秘書と阿部とも子議員の秘書の方も参加しました。民主党の裏切りで一気に有事法制が国会で成立した日、「5・15は絶対忘れない」、「賛成した議員の顔は絶対忘れない」との発言が印象に残りました。

■ 最後に、この行動を企画した主催者の一人が、「今が戦前でないと誰がいえるのか」という沖縄の人の発言を引用し、「子どもたちのために絶対に有事法制を成立させてはならない」とアピール。参院段階での闘いを強めようとの意志一致がなされました。

■ 集会後参加者全員で議員会館から国会議事堂へと行進。一人一人が一文字の布を持ち、「有」「事」「法」「制」「反」「対」「戦」「争」「や」「め」「ろ」の幕が歩道に連なりました。高知の参加者は全長10メートル近くになる寄せ書きを持ち練り歩きました。
 議事堂の参議院会議室の前にさしかかると、立ち止まってコール。「参議院は有事法制を廃案にしてくださ〜い。」「戦争に協力しないでくださ〜い」「子どもたちを戦争に送らないでくださ〜い」「朝鮮半島で戦争を起こさないでくださ〜い」等々。腹の底から思い切り大きな声で訴えました。この行動は有事法制反対で座り込みをしている労働者・市民などからも拍手を浴び、国会行動は成功裏に終了しました。



STOP!有事法制 5.23大集会−−−−−−−−−−−−−−−−−
3万人の労働者・市民が集まり、有事3法案の廃案を訴える

■ 国会行動後、6:30より明治公園で行われた「STOP!有事法制5・23大集会」に合流。集会は3万人の労働者や市民の結集で熱気あふれたものとなりました。この集会は、陸海空港湾20労組をはじめ、宗教者、作家、学者、音楽家、弁護士など、98氏の呼びかけ、多数の賛同者の支持を得て開催されたもので、政党の枠を超え、各界・各層から様々な人々や団体が、有事法制反対の一点で統一し結集したものです。

■ 社民党の土井党首、共産党の筆坂政策委員長など政党代表を皮切りに、日本弁護士連合会、日本青年団協議会、仏教者の僧侶、キリスト者の牧師、元気のいい全建総連の大工さんなどから力強い挨拶がありました。中学2年の女の子の発言には脱帽。「子どもたちが手を取り合って世界を変える」というアピールに参加者全員が聞き入りました。
 「私たちは、ほんとうに怒っています。日本中の多くの人々が、何度も何度も反対の声をあげてきたのに。それを無視して、有事法制の採決を強行した与党に対して、ほんとうに起こっています。」で始まる「集会宣言」。「怒っています」のフレーズが強く印象に残りました。

■ 最後に、イラク戦争反対の市民統一行動で一躍有名になった「ワールド・ピースナウ」の方から、「挫折禁止!」マークを高く掲げた発言があり、全員で「NO WAR」「NO YUJI」をシュプレヒコールし廃案まで闘うことを誓いました。「NO WAR」「ON IRAQ」は、対イラク戦争反対の運動から生まれた新しいスローガンです。「イラクと北朝鮮とは違う」と思わされている国民と世論に対して、このスローガンの連呼は、「イラク戦争と北朝鮮への戦争挑発は同じ」という事を訴えたのです。そう、同じブッシュ政権による戦争政策の餌食なのですから。
 そして3コースに分かれてのデモ行進。有事法制廃案の声は夜遅くまで都心に響きました。



5/24 有事法制を止めよう! 全国リレー交流集会−−−−−−−−−−−−
「対北朝鮮戦争を許すな!」「朝鮮半島の平和を!」
有事法制、在沖・在日米軍基地との闘いをテーマに、全国各地でリレー行動を担った市民が交流し熱い議論

■ 24日は、午後1:30より渋谷区笹塚区民会館で「全国リレー交流集会」。全国各地でリレー行動を担ってきた諸グループ・諸個人が集まって交流を行いました。基本テーマは「有事法制、イラク戦争と在沖・在日米軍基地」。これを2つのテーマ、基地問題をメインにした第1部「有事法制、イラク戦争と在沖・在日米軍基地」、朝鮮半島問題をメインにした第2部「朝鮮半島の平和と日韓・日朝交流」に分けて、2部構成で交流と議論を深めました。

■ まず、「リム・ピース」という在日米軍基地監視行動で奮闘されている相模原市の金子ときお市会議員から「イラク戦争、有事法制と在日米軍基地」と題して、厚木、座間、横須賀を中心とした米軍基地の動向について報告を受けました。9・11以降の米軍基地の警戒態勢の強化ぶりとアフガン・イラクへの戦争に向けた演習の激化ぶりがリアルに伝わる報告でした。米軍の低空飛行訓練、民間空港や民間港湾への米軍の相次ぐ強制使用の実態をつぶさに聞く中で、「今や日本全体が米軍の基地になっている」と言っても過言ではない状況に衝撃を受けました。

■ その後、各地から集まったリレー行動参加者からのアピールが続きました。湯布院、横須賀の反基地の取り組み、高知や新潟からの反戦行動の取り組み、署名事務局からのイラクでの劣化ウラン弾使用についての報告、在日韓国民主女性会や東京在住の沖縄一坪反戦地主の訴え等々。各地からの活気に満ちた取り組みと連帯のアピールは、4ヶ月間続いてきたリレー行動の広がりを実感させるものでした。
 と同時に、交流と討論の中身は、自然と収斂していきました。(1)まず最初に、何としてもブッシュや米日韓軍事同盟による北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)への戦争を阻止しようとの思いが参加者全員の一致した願いになりました。
 (2)次に、対北朝鮮戦争に反対するだけではなく、積極的に、創造的に、どうすれば朝鮮半島の安定と平和を実現していくことができるのか、日本の世論を変えていく努力や日韓の市民レベルの交流を追求することなど、様々な提案がなされました。

■ 最後に、参院での有事法制の可決強行に反対していくことを謳った「集会アピール」を採択、それとともに、朝鮮半島での平和を市民のレベルで創り出していくために、日韓・日朝の市民運動の連帯を追求する取り組みを強めようとの提案がなされました。
 またここに集まった全員で、有事法制反対の闘いを6月にもう一度やりきろうとの発案が出され、至急行動案を検討することが提起されました。リレー行動を作ってきたそれぞれの人々が一つの場所に集まって連帯を確認し、今後の共同の取り組みを追求するための新しい第一歩となった集会でした。

2003年5月28日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局



5・23 国会前行動

    
全国のリレー行動で集められた反戦メッセージ

  高知から寄せられた平和メッセージ

  
5・23 院内集会

  
参議院に向かってシュプレヒコール(左) / 5.23 国会前行動

  

  
STOP!有事法制 5・23大集会

  
5・24 有事法制を止めよう!全国リレー交流集会



(国会議員への要請文)

国会議員の皆さまに強く訴えます!

■アメリカの先制攻撃戦争に加担・協力する戦争法=有事3法案を廃案にしてください!

■アメリカのイラク軍事占領と植民地支配への支援・協力を中止して下さい!  


 有事3法案が衆議院本会議で可決されたことに、私たちは大きな失望と激しい憤りを禁じ得ません。国会の場でありながら「修正案」の特別委審議はたった2時間半という国会審議無視。平和主義か戦争準備かという日本の将来を左右する重大法案であるにもかかわらず、自民党と民主党の「談合」によって勝手に決めてしまう。国民に本当のことを語らず、公聴会さえ開かない。そして最後は数に任せてごり押しする。これはまさに戦争翼賛体制、議会制民主主義の破壊であり断じて許すことはできません。
 小泉首相は調子に乗って、ミサイル基地攻撃つまり先制攻撃を示唆したり、改憲の必要性に言及したりしています。こんな好戦的で、公然と平和憲法を否定する首相の好き勝手を許すわけにはいきません。政府・与党も民主党も、すでに有事法制は片づいた問題であるかのように仕立てようとしています。とんでもないことです。国民の大多数は戦争でなく平和を、改憲でなく護憲を切望しています。私たちは国会議員の皆さまに改めて強く訴えます。有事3法案を廃案にするために行動して下さい!

1.憲法違反の有事法制に反対します。

 戦争を前提とした有事法制は、戦争放棄をうたった日本国憲法に違反しています。憲法のどこにも有事法制の根拠となる条文はありません。有事法制は憲法の精神、「平和主義」「国民主権」「基本的人権の尊重」の3原則全体に違反しているのであり、戦争法を承認した上での「基本的人権の尊重」「国会承認」などは、枝葉の争点そらしの議論でしかありません。有事法案を即時廃案にするよう要求します。

2.北朝鮮への先制攻撃に道を開く有事法制に反対します。

 与野党とも「北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の脅威」を前提に議論を進めています。しかし、アジアでの脅威は北朝鮮ではなくアメリカでありそれの戦争政策に加担しようとする日本の動きです。米のイラク戦争での圧倒的勝利が北朝鮮に対して大きな脅威を生み出したことは間違いありません。在日・在韓米軍基地の存在に加えて、日本で戦争準備態勢を実際に準備する有事法制の議論が進んでいることはさらなる恫喝を加えるものです。94年の米による対北朝鮮戦争の一触即発の危機を免れたのは、有事法制がなかったからです。「備えあれば憂いなし」ではなく、有事法制が戦争の敷居を低くすることになります。恫喝外交ではなく平和外交を進めるよう要求します。

3.国際法に違反する有事法制に反対します。

 ブッシュ大統領は「先制攻撃戦略」を明言しイラクへの戦争を行いました。これは、ジュネーブ条約や国連憲章など、無法な戦争を禁止した国際法にあからさまに違反するものです。有事法制は、「武力攻撃事態」と共に「予測事態」なる概念を採用し、アメリカの先制攻撃政策に追随・協力しようというものです。「国家総動員態勢」で日本全体を巻き込もうというものです。アメリカがイラクに対して「大量破壊兵器の保有疑惑」「核開発疑惑」をもって攻撃に踏み切ったように、「疑惑」や「予測」だけで人為的に脅威を作り出し武力攻撃をする事が可能となります。これは専守防衛にも反することです。国際法に違反し、先制攻撃を煽る有事法制に反対します。

4.「戦後復興法」策定をはじめ米によるイラク占領への一切の協力に反対します。

 イラク戦争ではおびただしい数の民間人、そして兵員が殺され、クラスター爆弾、バンカーバスター、ナパーム弾など非人道兵器がたたき込まれ、劣化ウラン弾さえ使用されました。その被害は将来の影響も含め想像を絶するものです。甚大な犠牲と被害をもたらしたもとで、爆撃と侵略から占領への段階が移ったことによってこの戦争の性格が変わることはありません。イラク戦争に反対して軍事占領に賛成することにはなりません。イラク戦後復興法、ORHAへの要員派遣、自衛隊、自衛官派遣、ODAなど財政支出その他一切の占領政策への協力に反対します。

5.有事法制を廃案にし、平和憲法を掲げ、平和外交を進めるよう要求します。

 有事法制が成立することは、日本で戦争準備態勢を構築していくという非常に危険なメッセージを与えることになります。有事法制が、北朝鮮に対する米国の無法な戦争の呼び水になってはなりません。朝鮮半島で戦争が起これば、半島全体で大量の犠牲者と被害が出るのは間違いありません。アメリカのこれ以上の無法な戦争をストップさせるためにも、有事法制を廃案にし、平和憲法を掲げ平和外交を進めるよう要求します。
2003年5月23日




反戦運動の力で有事3法案を廃案に!(ビラ)






有事法制を止めよう!全国リレー交流集会
集会アピール

朝鮮半島で戦争を起こさせないために
憲法の平和主義、国民主権、基本的人権を守り抜くために

有事法制を廃案に追い込もう!
−−全国各地の地道な市民運動の力で戦争翼賛体制を切り崩そう−−


(1)衆院可決糾弾。私たちは国会の異常事態、戦争翼賛体制を許さない。
 有事関連三法案が衆院で9割もの圧倒的多数によって可決されました。今国会で、異常な戦争翼賛体制が形成されようとしています。戦争好きの小泉首相と自民党が、民主党若手タカ派と手を組み、戦争国家体制づくり、軍国主義化・反動化推進で突っ走り始めたのです。

 なぜこれまで有事法制が制定されなかったのか。その根本的な理由は日本国憲法の誕生そのものにあります。二度と悲惨な過去を繰り返さない、侵略戦争と植民地支配に明け暮れた戦前・戦中の天皇制日本のような軍国主義を復活させない、戒厳令・クーデタ・暗殺など軍事独裁体制を許さない、反戦運動・労働組合運動・民主主義運動への弾圧、また共産主義・社会主義運動への弾圧を許さない、要するに軍隊と権力が全能であった明治憲法体制を完全に否定することにあるのです。日本国憲法と有事法制は、水と油、全く相容れないものなのです。

 ところが政府与党と民主党は、こぞって軍国主義を復活させ、戦前の忌まわしい過去を蘇らせようとしているのです。有事法制は戦争動員法です。戦争放棄をうたった日本国憲法に根本的に違反しています。憲法の根本精神、「戦争放棄」「国民主権」「基本的人権の尊重」の三大原則全てを覆すものです。このような憲法違反の法律が与野党の“談合”によって強行されたことに私たちは強く抗議します。

(2)「集団自衛権行使」「先制攻撃」「侵略軍」等々、増長する小泉政権。
衆院の圧倒的多数での可決、民主党による政府与党との“談合”は、再び小泉首相を勢いづかせています。小泉政権が行き詰まるたびに助け船を出す野党第一党、こんな楽な政権運営はありません。何が「政権担当能力」か。すでに「閣外協力」「与党予備軍」をやっているではありませんか。市民はちゃんと知っているのです。与党も民主党も変わらない、と。小泉政権の「高支持率」の秘密も一つはここにあるのです。

 小泉首相は早速調子に乗り始めました。5月20日の参院有事法制特別委での答弁です。「攻撃の恐れは専守防衛の範囲だ」「座して待つわけにはいかない」「何もしないわけにはいかない」と敵国基地への先制攻撃を容認しました。これはまさしく対北朝鮮先制攻撃を念頭に置いた発言です。また平然と「軍隊であると正々堂々と言えるように、将来憲法を改正するのが望ましい」と言い放ったのです。法治国家を先頭に立って守るべき首相が、遂に改憲を示唆したのです。
 更に22日、福田官房長官も、集団自衛権行使を禁じる憲法解釈の見直しを国会で議論する考えを示しました。政権中枢で「専守防衛」から「集団自衛権行使」へのなし崩し的移行、自衛隊と日本全体を“侵略軍”、“侵略国家”に変えようという狙いが加速しているのです。

 小泉政権が失速し倒れるまで、現在の軍国主義化・反動化の流れは止まりません。私たちは1999年の小渕政権を想起します。この時、周辺事態法(日米ガイドライン関連法)、日の丸・君が代強制法、住民基本台帳法改悪、盗聴法、憲法調査会設置法等々、かつてない軍国主義・反動法案が成立しました。そして今再び、軍国主義化・反動化は新しい段階に入ろうとしています。あのときは公明党が手を貸しました。今回は民主党です。翼賛体制が定着すれば大変です。民主党の暴走を何としても切り崩さねばなりません。

(3)イラクにおける米軍政=植民地支配への加担に反対する。
 ブッシュ大統領はわずか1年数ヶ月の間に2つの主権国家を武力によって崩壊させました。ブッシュ大統領が採用する「先制攻撃戦略」は、ジュネーブ条約、国連憲章などいかなる国際法によっても認められていません。無法な戦争をこれ以上許してはなりません。
 イラク戦争では、アフガン戦争をはるかに越えるおびただしい数の非人道兵器が大量に使われ、精密誘導弾が撃ち込まれました。使用された劣化ウラン弾は500トンとも2000トンとも言われています。少なく見積もって5千人超の民間人が直接殺りくされました。正規軍兵士や民兵を含めると犠牲者は数万人にのぼるかもしれません。クラスター爆弾は今なおイラクの人々、とくに子どもたちを殺し続けています。人道的危機が先鋭化しており、今後の被害と犠牲は想像すらできません。

 対イラク侵略への加担も歯止めなしにエスカレートしかねない状況です。自衛艦による米艦船燃料補給が「テロ特措法」を逸脱し、イラク戦争へと向かったすべての米艦が対象であったことが暴露されました。自衛隊の派遣を柱とする「イラク復興法案」の今国会での成立も再浮上しています。自衛隊の武器使用緩和はイラクでの虐殺や銃撃戦も可能にする非常に危険なものです。イラク戦争への支持表明、テロ特措法を逸脱した何でもありの燃料補給とそれによるイラク民衆殺りくへの直接的加担、何の正当性もないイラク軍事占領への協力と人員派遣−−小泉政権は、ブッシュのイラク戦争の最初から最後まで支持・支援しようとしているのです。

 どこかで歯止めをかけなければなりません。憲法違反や法律違反をやっても、国会では9割という多数の力で何でも押し切れる、この異常な翼賛体制をどこかでストップさせなければなりません。それができるのは国会外の平和を願い護憲を求める全国の市民の大衆運動だけです。

(4)朝鮮半島で絶対戦争を起こさせてはならない。対北朝鮮先制攻撃戦争準備に反対する。
 ところがブッシュは今度は朝鮮半島で火遊びをしようとしているのです。北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)への先制攻撃が「軍事的オプション」として浮上し、手始めに「経済制裁」が目論まれています。
 アメリカの対北朝鮮先制攻撃戦争に参戦する、そのために一方的に「予測事態」(いわば先制攻撃事態)なるものを認定し日本で「戦争動員体制」を構築する、基本的人権をはじめ憲法を停止する、国民の戦争協力を義務化する−−これが有事法制の狙いです。有事法制の成立は、日本が次の朝鮮戦争で出撃拠点・最前線司令部・兵站基地になることを公然と宣言することであり、戦争の敷居を一気に低めるものです。断じて許されないことです。朝鮮半島は日本が過去に侵略し全てを奪った植民地支配の歴史があります。戦後直後の朝鮮戦争でも加担しました。もうこれ以上、朝鮮半島に戦禍をもたらす戦争に参戦したり加担したりしてはなりません。

(5)「有事法案は日本を守るため」「北朝鮮の脅威」−−米日当局とメディアの“戦争プロパガンダ”に打ち勝とう。
 私たちが最も危惧するのは、国民が自覚しないうちにズルズルと好戦的な雰囲気に染まっていることです。政府与党とマス・メディアの無責任な戦争扇動が毎日毎日繰り返されています。イラク戦争前にブッシュ政権が騒ぎ立てた「フセイン・バッシング」「大量破壊兵器の脅威」論が、今度は「金正日・バッシング」「北朝鮮の脅威」論として煽り立てられています。まるで今にも日本が核ミサイルで攻撃されるかのようなデマが垂れ流されています。拉致問題を政治的に利用する動きと相まって、国民に不安と恐怖、民族排外主義を煽り立てているのです。

 全く逆の転倒した状況、軍事的に圧倒的優位にあり先制攻撃で軍事的脅迫をやっているブッシュ・アメリカと米日韓軍事同盟の方が、まるで「攻撃される寸前にある」にあるかのようなウソとデマがまかり通っています。有事法制の狙いと本質は何か。「北の脅威」は本当なのか。一体誰が何のために煽っているのか。−−私たちは、“戦争プロパガンダ”に真っ向から反対し反論して行かねばなりません。

(6)沖縄の在日米軍基地の更なる機能強化・拡大と「本土」の「沖縄化」。反基地の闘いを更に強めよう。
 横須賀・厚木からの空母キティホークと艦載機の出撃は、イラク攻撃の最も重要な打撃力となりました。日本が出撃拠点となり、自らがイラク民衆の殺りくの加害者になったのです。
 米第7艦隊がイラク侵略の最前線に立ったのと同じ頃、沖縄と岩国の米軍基地は、北朝鮮を威嚇し挑発する最前線基地となりました。日本は対イラク、対北朝鮮の両方の出撃拠点になっているのです。
 沖縄では朝鮮半島からフィリピンなどの東南アジアに至る広大なアジアを睨んだ基地の新増設・機能強化が急ピッチで進んでいます。辺野古では海兵隊航空基地のボーリング調査を巡り、政府・県と反対派との間でせめぎ合いが続いています。宮古、下地などでは民間空港・民間港湾への在日米軍の強制使用が頻発しています。
 沖縄だけではありません。横須賀では12号バースの延長、原子力空母の母港化、岩国でも基地拡張が進んでいます。
 有事法制の成立は、これら在日米軍基地の機能を強化・拡大するだけではなく、自衛隊基地の強化・拡大も一気にエスカレートさせ、日本全土を米日両軍の広大な「基地」、広大な「演習場」に変貌させるでしょう。反基地の闘いと反有事法制の闘いは一つのものです。

(7)腰を据えて、長期戦の覚悟で。
 今のように軍国主義化・反動化の風潮の中で頑張るとき、私たちは腰を据えて闘うこと、長期的な展望を持つことが必要です。有事法制は包括法であり個別法ではありません。政府与党は参院で可決強行後、すぐに具体化作業を始めるでしょう。「国民保護法制」という「保護」とは名ばかりの「戦争義務化法」、「本土」を「沖縄化」する、つまり米軍が日本全土で自由自在に行動・演習できる法整備が強行されます。新たな闘いがすぐに始まるのです。
 
 確かに厳しい状況にあります。ともすれば有事3法案が衆院を通過したことで無力感、挫折感にとらわれます。しかし私たちは自信を持つことが重要です。昨年2度にわたりこの法案を継続審議にさせたのは反戦・非戦の市民の力とエネルギーです。そしてそれは今も健在なのです。
 また有事法制は根本的な弱点をはらんでいます。有事法制は日本国憲法に違反し根本的に対立するものだからです。その成立は“鬼子”のようなものなのです。衆院で9割の賛成で強行成立させられたこと、改憲の危険が忍び寄ろうとしている現在、日本国憲法と9条を守る闘い、憲法の三大原則を護る闘いはますます重要性を持つようになるでしょう。反戦平和の闘いと護憲の闘いは、これまで以上に一つのものとして闘われなくてはなりません。

(8)反戦・護憲の大衆運動・市民運動の力で有事3法案を廃案にしよう。
 私たちは、2月から「イラク戦争反対、有事法制反対」をかかげ、日本全国の反戦・平和運動をつなげ連携をするため「戦争を止めよう!平和を運ぼう!全国リレー行動」を展開してきました。北海道から沖縄まで、計20数カ所でリレー行動が行われました。この中で数百人規模の集会・デモから数人の学習会、国会行動、写真展、基地前での座り込み、イラク現地視察団の報告会等々、地域での地道な取り組みがリレー行動としてつながりました。そして私たちは昨日、国会行動を行い、参院での可決阻止、廃案を訴えました。本日は全国でリレー行動を行った仲間、飛び入りの支持者が集まって交流会を開きました。

 私たちはまだまだやるべきことがあります。参院段階で廃案にするために何をしなければならないか。議論と闘いはもっともっと必要です。一つは有事法制反対の裾野を広げることです。有事法制反対の闘いは、米の戦争への日本の軍事加担に反対する闘いにとどまりません。教育基本法改悪反対、靖国参拝反対、住基法の施行と対象の拡大反対、個人情報保護法案反対等々、日本の反動化・軍国主義化に反対する地道なねばり強い闘いとつながることによって大きな力を持つはずです。国会の異常事態、戦争翼賛体制を変える力は院外の大衆運動、市民運動以外にありません。
 国会会期末6月18日まで、さほど時間はありません。私たちはあくまでも参院での有事法制成立を阻止し廃案を勝ち取るために闘います。ともに頑張りましょう、反戦平和のために。朝鮮半島とアジアの平和のために、そして日本と世界の平和のために。

2003年5月24日
有事法制を止めよう!全国リレー交流集会参加者一同