小樽からのメッセージ


 「アフガニスタンに平和を小樽市民フォーラム」の方に、米軍艦船の入港阻止行動や非核平和都市条例制定運動などを精力的に進められている現地での運動の紹介を依頼したところ、幾度かに渡り詳しいメールを頂きました。現地の緊迫した闘いの様子が伝わってくるとともに、大阪や全国での米軍艦船入港反対の闘争にとっても重要なヒントが含まれ、また大きく勇気づけられるものです。ねばり強い闘いのごく一部とは思いますが以下にそのメールを紹介します。(ご本人に確認の上、事務局で若干の字句の修正を行っています。)
2002年4月24日 アメリカの戦争拡大と有事法制に反対する署名事務局



小樽の非核平和都市条例制定運動

 昨日、小樽市議会総務常任委員会にて「非核三原則の実施と平和行政の推進に関する条例」を求める陳情71号は不採択となりましたた。議長を除く8人中民主・共産3人が賛成、あとは反対。22日本会議にて再質問、採決。しかし、総務常任委員会の結論がそのまま採決されるのが通例です。よって小樽は否決されました。17061名の署名と自分たちで作成した条例案をつけてだしましたが、非核証明書を出さない船は港湾施設の使用を求めないの部分でやはりだめでした。「国の代表的専権事項である外交防衛の事項に関することであり、地方公共団体の権限を著しく越えるものである。」が一番の理由です。(3/16)

ブルーリッジ入港を事実上拒否し、阻止した苫小牧(2001年2月)

 (ブルーリッジ大阪港入港とは、)アフガン攻撃中だというのに、第7艦隊もずいぶんあつかましいですね。冗談じゃない。っテ感じです。空母インディが小樽に入港したときに函館に入港したのがブルーリッジ昨年北海道の4港(苫小牧、小樽、室蘭、函館)への同時入港事件のとき、苫小牧に入ろうとして喫水が足りずよこすかに引き返したのもブルーリッジ。
 苫小牧のエピソードをひとつ。(別のMLにかいたものですが)(ご存知でしょうか。苫小牧は道内初めて非核平和都市条例を先月可決成立しました)
 苫小牧ばんざいです。
 鳥越市長は旧社会党、革新系の市長ですが、これでもし市長が変わっても、ある程度の担保はできたと思います。前にも書きましたが、昨年2月北海道の4港に米軍艦船が同時入港を通告するというたいへんなことがおきました。苫小牧港は道内でもっとも荷役の多い港です、その苫小牧に入港しようとした船は第7艦隊旗艦「ブルーリッジ」。地位協定第5条をふりかざしての入港に対し、商業船で混雑しているからだめだと市長は強く反対してくれました。米総領事が市長を訪問して何度も受け入れを要求外務省などからの圧力もあったのでしょう。ついに、認めました。「おれもがんばったけど、これが限界だなー」と、しかし、ここで革新の意地をみせて、「西港はだめだ入るなら東港へ」とバース(接岸場所)を指定。入港を認めないという権限までは法律上むずかしいが、バースの使用許可は市長にあります。ところが、東港は人っ子一人いないさびっしー所。出迎えにいたのは反対派ばかり。しかも、喫水(−10メートル)が足りなくて入港できずすごすごと横須賀へ引き返したのです。西港に変えてくれとの要求にはきっぱり断りました。いつまで待っても船がこなくて反対派もへんだへんだと・・・。天下の米海軍艦船が自分の喫水がわからないなんてある?
 そもそも函館に非核平和条例運動の火をつけたのがこの「ブルーリッジ」97年函館(−10メートル)入港の時には喫水が足りないからと、最初から沖がかりしたのに??知りながら西港入港をもくろんでやってきたのでは?と憶測も飛び交いました。(4/9)

米軍艦船入港を拒否する論拠について

 今日の朝日夕刊に、大阪入港のことがのっていました。小さい記事でも本州の艦船入港が載るなんて珍しいことです。「港湾法上の解釈では物理的に接岸できない以外入港は断れない」ということで容認するようですね。この発言は問題です。地位協定5条があるから。というのがこれまでの断れない根拠だった。それに対抗して、港が戦争利用された反省から港湾管理権は地方公共団体に移された、自治体は地方政府として強力な港湾管理権を持っている。だから断れる。というのが私たちの考えです。根拠です。地位協定VS港湾法。の綱引きだった。この言い方は自ら管理権を限定し住民の生命財産の安全を保障する地方自治法の精神にも反する。大阪は非核自治体宣言はしていますよね。
 小樽市長も苫小牧市長も簡単には認めていません。結果的に米軍におしきられたとしても苦渋の選択でした。市にいっせいにFAXが届いたことも背景にあります。空母入港の時には全国から拒否を要請するFAXがきました。大阪もがんばってください。参考にできそうな資料をどんと送ります。理論は非核市民宣言運動・ヨコスカがつみあげて函館が実践のなかから深化させてきたものです。港湾問題はここらへんを勉強するといいと思います。
 キーワードは非核です。(4/10)