参院選挙で自民党が歴史的大敗北
安倍政権は即刻退陣せよ! 安倍の改憲=「戦争国家」づくり路線を挫折に追い込もう!
◎テロ対策特措法を廃案に
◎憲法改悪阻止、反戦平和の大衆運動を強化しよう


(1) 安倍は即刻退陣すべきである。安倍自民党は、参院選で大惨敗した。獲得議席数37、非改選とあわせても83、与党勢力が過半数を大幅に割り込む歴史的大敗北である。今回の選挙は、民主党の勝利というよりも、自民・公明の与党側の自滅であった。選挙の結果、参議院では民主党が第一党に躍進し、衆院との「ねじれ」を生じることになった。有権者は、発足後わずか10ヶ月の安倍政権に対して強烈な不信任を突きつけたのである。安倍は開票間もない時点で早くも「責任はある」が「責任を全うする」などと訳の分からない理由で続投を表明し、首相の座にしがみ付くことを決めた。国民の声を無視した全く許し難いものだ。
 しかし、安倍は権力にしがみつくことで国民からの離反を拡大するだけでなく、ますます党内の求心力を弱め、政権末期症状化、不安定化を強めていくだろう。私たちは、改憲反対運動、反戦平和運動をさらに強化し、小泉政権以来加速してきた憲法改悪、日米軍事一体化=グローバル軍事介入路線、軍国主義化と反動化、「戦争国家」づくりの基本路線を押し戻し挫折に追い込む、それこそ歴史的なチャンスにしなければならない。


(2) 安倍自身は言うまでもなく、自民党や公明党など与党の幹部達も、今回の敗因を、ただ単なる個別問題(年金、閣僚の不祥事や不規則発言など)に求めようとしている。しかし選挙の結果が指し示したことはれっきとした安倍政権不信任だ。
 自民党の大敗北をもたらした原因、従って5月下旬の世論調査がもたらした安倍不支持急増への劇的な変化の背景にあるものは、何よりも、小泉政権以来の、正確には1990年代の橋本政権をも含む歴代自民党政権が積み重ねてきた新自由主義的「構造改革」が労働者と勤労人民の生活をとことんまで破壊し、最底辺の人々や社会的弱者を文字通り生死の瀬戸際にまで追いやった事態に対する国民の不満表明であり怒りの爆発である。このまま安倍政権が存続すれば、生活と暮らしはどうなるのかという不安と危機感である。その意味で、日本政治の根底で、または労働者と勤労人民の意識の根底において、大きな潮流の変化が起こっていることは明らかである。
 「消えた年金」問題は、労働者、勤労人民の中底辺層、とりわけ中高齢者が、最後の「命綱」としている年金が不当に剥奪されていることに対する怒りに他ならない。
 地方からの怒りは、保守の枠組みの中でのものであれ、保守王国四国での自民党の全敗、一人区での6勝23敗という結果に端的に表れた。地方や農村は、新自由主義的な「農政改革」の中で、産業の衰退や地方財政の赤字、高齢化や過疎、都市部との格差拡大などでどん底まで切り捨てられてきた。
 都市部でも、グローバル企業が軒並み史上最高益をあげる一方で、日本中の富を一極に集中しているはずの首都東京に置いてさえ、貧困層やワーキングプアが急拡大し、定職も住むところもなく、最低賃金以下で不安定労働を強いられる若者や労働者が急増している。
 都市部、農村部の両方で、医療崩壊の惨状は目を覆うばかりだ。医療費負担増により高齢者や低所得者層が医療から排除されつつある。福祉や介護予算が削られ、生活保護世帯や母子世帯など貧困層がますます困窮化している。孤独死や餓死が現実のものになっている。等々。


(3) 安倍首相にとっての最優先課題は発足以降、「戦争国家」づくりであり、憲法改悪であった。労働者・勤労人民の生活の悪化は全く眼中になかった。臨時国会から通常国会にかけて、議会での数の力で反対を封じこめる強権的手法で教基法改悪から憲法改悪国民投票法、教育三法改悪、米軍基地再編推進法、防衛省昇格法、イラク特措法延長、天下り正当化法、そして社保庁解体法等々まで、まともな国会審議もなしに次々と強行採決してきた。
 米朝2国間協議及び6カ国協議の再開の下であくまでも拉致問題を楯に対北朝鮮強硬政策を推進してきた。辺野古には自衛隊まで派遣して事前調査を強行した。政権内からは核武装発言、「慰安婦」強制否定発言、「女性は生む機械」発言など反動的発言が相次いだ。久間防衛相は7月はじめ米原爆投下「しようがない」発言の責任をとって辞任にまで追い込まれた。安倍政権が、政権の中枢に右翼的・新保守主義的人材を重用し、自身がタカ派的復古主義的イデオロギーの持ち主であること、労働者・人民の生活や労働条件を破壊する小泉の新自由主義的「構造改革」を継承していること、松岡のような農林族・建設族の利権体質を温存し、他ならぬ安倍自身が年金利権に群がる厚労族の張本人であること−−これら安倍政権がもつ右翼的・軍国主義的体質、ネオリベラリズム的体質、伝統的利益誘導型利権体質の様々な諸矛盾が参院選前に一挙に噴出し、不信任を突きつけられたのである。


(4) 民主党の参院選圧勝によって、安倍が推し進めてきた憲法改悪や軍国主義、反動化はどうなるのか。少なくとも改憲阻止の闘いに有利な条件が形成されたことは確かだ。自民党惨敗によって政局は間違いなく流動化する。民主党は、衆院解散・総選挙へと圧力を強めようとしている。
 しかし、民主党は、社民的色合いからネオリベラリズム的色合い、右翼的軍国主義的色合いまで政治的色合いの違う諸派が混在した党であり、基本的には改憲政党である。改憲阻止、軍国主義化阻止を闘ってきた私たちにとっては、非常に危なっかしい党である。昨年の教育基本法の時には、与党案がびっくりするほどの右翼的で民族主義的な法案を「対案」として打ち出した。その前、有事法制の時には、民主党の賛成で法案が成立した事情がある。反戦平和の課題については、世論と大衆運動の圧力がこれまでに増して重要になるだろう。
 安倍自民党は、今秋にも、改憲のための骨子や要綱を公表し、3年後をメドにして国民投票を実現させるという「改憲シナリオ」を諦めてはいない。選挙敗北後も「私の国づくりはまだ始まったばかりだ」「基本路線は理解されてきている」と開き直っている。日米グローバル同盟の強化と軍事一体化、アメリカの戦争への全面的協力・加担という日本政府の基本路線がある限り、憲法改悪の危険性は決して遠のいてはいない。
 私たちは憲法改悪と国民投票法の危険性の暴露と共に、憲法9条の骨抜き化と解釈改憲にむけた集団的自衛権の行使解禁やミサイル防衛など、軍国主義化・反動化の動きの一つ一つとの闘いを一層強めなければならない。中でも目下の政治的焦点は、11月1日に期限が切れるテロ特措法の延長問題である。テロ特措法を単なる自民・民主の政争の具、単なる政治的駆け引きに終わらせてはならない。日米軍事同盟とアメリカの侵略戦争最優先を明確に拒否し、インド洋からの海上自衛隊の撤収を実現することが出来るかどうか。この実現のためには、院外の大衆運動と広範な反対世論が必要だ。
 参院選で示された、生活窮乏化と格差拡大に反対する世論を、憲法改悪と「戦争国家」化に反対する闘いに結びつけ、安倍の新自由主義的=右翼的復古主義的軍国主義路線と対決しよう!何としても憲法改悪策動を挫折に追い込もう!

2007年7月30日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局