報復も 無差別のテロ アフガンの 幼き児らは いずこ逃るる


石川逸子さんの詩は何度読んでも胸を打たれます。ところで、10/14の朝日歌壇でテロと「報復戦争」を題材にした歌が多数載っていました。以下に転載します。別にテーマを設定したわけではなく、自然とそうなったとのことでした。特に、現在の「報復戦争」と日本の参戦の動きに対する危機感があふれています。朝日新聞は今日(10/17)も社説でも「米軍などによる一定の軍事行動はやむを得ない・・・日本は支援に携わる」として、報復戦争支持を表明し翼賛体制の一翼を担っています。(産経や読売と違って「やむを得ない」とするのがミソです。)朝日の読者は明らかに朝日新聞より良識があるといえます。

☆報復も 無差別のテロ アフガンの 幼き児らは いずこ逃るる
○報復は 航空母艦の 形して 浦賀水道の秋を 分けゆく 
○再び を若き兵士ら 戦場に 青く冴えたる 月を見るらん
○平和から ポタポタ落ちる 赤い血で 判読不能に 戦争放棄
○昭和史の かの日に似ると 年表に 書かれる未来 目の前を行く
○空母キティホーク いずくへか発つ不安 自衛隊に 空と海と 護られて
○結合双生児ドク君 踏みしめて起つ写真 癒えがたく深く 病めるアメリカ
○報復が 正義となれる 国の朝を テレビに見つつ まなこ冴えゆく 
○「don't Kill」と ヨット「おむすび丸」は たった一隻 巨大空母に揺れつつ 抗議す

 一番目の歌の作者は佐世保の方で基地の緊張を肌身で感じられているのでしょう。テロへの「報復」攻撃が「無差別のテロ」の形をとって民衆に襲いかかり、幼い子供達が逃げ回る、しかしどこに逃げるのか逃げ場もない、そんな絶望感と作者の悲しみ、憤りを見事に表していると思います。(10/17 F)



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