マザリシャリフの虐殺
これは米英軍の戦争犯罪だ!

アムネスティが調査を要求



■ 捕虜に対する前代未聞の虐殺事件。ジュネーブ協定違反の戦争犯
 アフガニスタンで米英軍が主導する虐殺事件が起こりました。アムネスティも緊急調査を主張しています。(別途翻訳参照)英の国際法の学者も米の捕虜扱いに懸念を示しています。
 数少ない報道から見るだけでも、この事件は捕虜に対する前代未聞の虐殺事件であることが分かります。私たちは、この虐殺事件を糾弾し、多くの平和と正義を追求する皆さんが、一人でも多くの人々に米英軍の残忍さを伝えるとともに、米英軍による「テロリズムとの戦争」が、実は捕虜を皆殺しにする不正義の侵略戦争であることを伝えていただきたいと思います。米英こそ国家によるテロリストなのです。何よりもまず私たちは、米英がアフガニスタンに対する侵略戦争を即刻中止するよう要求します。

「アムネスティがアフガニスタンの殺害の調査を要求」(翻訳)
共同通信記事 http://www.kyodo.co.jp/kyodonews/2001/revenge/news/20011129-315.html


■ 今回のアフガン戦争の中で最も残忍で血塗られた現場。必死に現場を隠そうとする米英軍現場担当者。
 事件が起こったのはマザリシャリフ西方のカラハンギ要塞にある収容所。11月25日に捕虜の一部が北部同盟の監視兵を殺害、武器を奪って要塞の施設1カ所を占拠、収容されていた外国人義勇兵のほぼ全員にあたる約600人〜700人(400人という情報もあります)が暴動鎮圧の際に死亡、また北部同盟側にも40人(100人という情報もあります)の犠牲者が出たといいます。この収容所にはアフガン北部クンドゥズで投降したパキスタン、アラブ系などの外国人義勇兵が収容されていました。
 鎮圧したのは、基本的には北部同盟ではありません。まず米英軍が収容所そのもの空爆で徹底的に破壊し尽くした上で、それでもタリバンが抵抗を続けたため、次に応援に駆けつけた米英両軍の特殊部隊が激しい交戦の末、皆殺しをしたと言うものです。
 ブッシュの侵略戦争を全面的に支持して翼賛報道を垂れ流している米系のメディアでさえ「これまでのアフガニスタンの軍事作戦で最も血塗られた場面」だと驚愕しているほどです。また私たちが直接見た日本で報道された映像でも、米兵が米メディア・クルーの撮影を遮り、「撮すのを止めなければ撃つぞ」と脅していたことも思い出します。これはよほど虐殺現場を撮されたくなかったことの証左だと思います。

共同通信記事 http://www.kyodo.co.jp/kyodonews/2001/revenge/news/20011128-305.html
毎日新聞記事 http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/nybomb/afghan/200111/28-07.html


■ 虐殺劇の主犯は北部同盟ではなく米英の軍隊。責任はブッシュ大統領とブレア首相に。
 虐殺を指揮し、空爆により殺戮を遂行したのは米英軍であることは様々な複数の報道がどれも明らかにしていることです。仮に捕虜が反乱を企てたからと言って、攻撃機で収容所自体を空爆し、皆殺しにすることなど許されません。ブッシュ大統領は何かと言えば、「戦争」を主張してきましたが、それなら捕虜の保護に関するジュネーブ協定を守らねばならないはずです。捕虜に対する皆殺しは正真正銘の協定違反であり、列記とした戦争犯罪です。
 私たちは、今回の虐殺事件に対する複数の第三者による現地調査を要求するとともに、米英の説明、真相究明を要求します。更にはもし事実関係が報道された通りのことであることが判明すれば、直接虐殺を命じた指揮官を裁判にかけること、更には米英軍の最高司令官であるブッシュ大統領とブレア首相の責任を明らかにするよう要求します。そしてアフガニスタンに対する侵略行為を即刻やめるべきです。



■ CIA工作員一人が死んだかどうかにしか関心を向けない腐りきったアメリカのマス・メディア。
 しかしどうでしょうか。アメリカのメディアは現場でアメリカ人が死んだのは事実かどうかだけを米当局側に会見で追及するというおぞましい事態なのです。彼らは一体どういう神経をしているのか、腹立たしくなります。これじゃ、報道人、言論人の本来の責務を放棄した茶坊主ではありませんか。「マス・メディアの死」「報道の死」−−これが今のアメリカのマスコミなのです。もちろん、この米の報道を垂れ流す我が国の報道とマスコミも似たり寄ったりですが。

読売新聞記事 http://www.yomiuri.co.jp/attack/1129_42.htm


■ 「捕虜を殺せ」と示唆した米ラムズフェルド国防長官。
 ラムズフェルド米国防長官はタリバン兵がクンドゥズに立てこもっていた際、「捕虜を取るつもりはない」「外国兵は祖国に帰ることを望まない」などと発言しました。つまり「捕虜を殺せ」ということです。アメリカの軍事作戦の責任者がこのような「捕虜虐殺」を正当化する発言を正々堂々と行い、どの政府も、国連も、マス・メディアも批判しないのですから、北部同盟が、捕虜を虐待し虐殺するのは当然です。
 朝日新聞11月28日付記事には「米軍の空爆に助けられて、陣地を拡大した北部同盟は、投降した捕虜の管理すらできないだけではない。米軍が主導しなければ、反乱を鎮圧することもできなかった」と書かれています。
 私たちの考えでも、元々寄り合い所帯であり、彼ら自身カネもなく兵器も与えられたものばかりであり、抗争を繰り返してきた殺人集団である北部同盟には、大量の捕虜を管理する能力も、食糧を与え食べさせる能力もないと思います。もちろん米軍には元からその気はないでしょう。そこで問題になるのが、捕虜をどうするかと言うことなのです。数日前、北部同盟は国連に対して捕虜の引き取りを求めましたが、捕虜の引き受けは国連の仕事ではないと国連のスポークスマンが断った経緯があります。

共同通信記事 http://www.kyodo.co.jp/kyodonews/2001/revenge/news/20011129-315.html


■ 米英にとって「捕虜を消すこと」が唯一の解決策?
 英紙によれば「米CIA工作員の尋問が暴動のきっかけであった」と報道しています。真偽のほどは分かりませんが、結局、捕虜を人間として扱っていないのです。逆に扱いに困った米英軍や北部同盟が、捕虜に食糧を与えず、あるいは挑発して、反乱を起こさせ、手っ取り早く「処分」したのではないかとの疑いが非常に濃いのです。いずれにしても世界の中で最も貧しく、食糧に事欠く国の行政を叩き潰してしまったのです。ただ残虐さだけで行政能力も何もない北部同盟が捕虜を管理できるわけがありません。
 タリバン兵の「捕虜虐殺」を容認し後押しする米英軍の責任は重大です。今後同じ様な虐殺事件は必ずあちこちで起こるでしょう。それを防ぐためにも、このマザリシャリフの虐殺の真実と真相を世界中に知らせなければならないと思います。絶対にこのような残虐行為を繰り返させてはなりません。

共同通信記事 http://www.kyodo.co.jp/kyodonews/2001/revenge/news/20011129-317.html

(2001年11月29日)



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