わたしの雑記帳

2006/7/8 小森香澄さんの裁判・控訴審第一回目(2006/7/7)


2006年7月7日(金)、10時30分より、東京高裁818号法廷にて、小森香澄さんいじめ自殺事件控訴審の第一回目があった。
今回、被告側の控訴を受けてから小森さん側が控訴したため、一審では被告の元生徒は3人だったが、地裁で不法行為が認められたAさんのみ対象になっている。そして、神奈川県。

濱野惺裁判長はまず、双方の提出書類のうち、いくつかの文言について、誤りを正した。
少なくとも、膨大な量の書類にきちんと目を通してくれているという印象が残った。
原告、被告とも、一審判決(2006/4/4付け雑記帳 参照)で敗訴した部分についての取り消しを求める。栗山弁護士は口頭で、一審判決の間違いについて陳述(陳述書 参照)した。

一審では、香澄さんの自殺の原因を様々な要因があったとして、いじめに限定していない。その様々な要因のひとつとして、トロンボーン初心者であった香澄さんの実力差をあげている。しかし、香澄さんは実力の差そのもので悩んでいたわけではなく、実力差を苦しいと感じさせる人間関係、環境に悩んでいた。また、カッターナイフを母親の美登里さんに向けたことについても、香澄さんは苦しみ続けながらも学校には通っていた。そのなかで、唯一向き合ってきた家族と衝突するということは、いじめがあって学校に行けないという異常な状態のなかでは十分、あり得る。しかし、そこに信頼関係があったからこそ、カッターナイフ事件のあとも、香澄さんは美登里さんにいじめのことを打ち明けている。

また平成5年の最高裁判例をあげて、交通事故でうつになって自殺した女性の親が損害賠償を求めた裁判で、自殺との因果関係が認められている。
自殺原因の何が根本で、何が付随的事実なのか、要因を見極めてほしい。

自殺の予見性については、被告のAさんには認識しえなかったとしても、学校が組織的にアンテナを張っていたら、事実を分析し、教師の知識と経験に基づいた予見可能性はあったはずとした。

また、調査義務違反については、一審で、原告側が申請した校長の証人調べがなされていない。調査報告の責任者はあくまで校長であるので、校長から話をききたい。

などという内容を話した。


そのあとに、小森新一郎さん、美登里さんが意見陳述を行った。淡々と話す新一郎さん。比べて、美登里さんはいつになく、感情が高ぶっている様子だった。
私は多くの彼女の講演を聞いている。いつもは、ひとつひとつの言葉を噛みしめるように話す。ひとりひとりに問いかけるように話す。その彼女が、噴出す感情を必死に押さえ込むようにして、終始、震える声で、強い口調で話した。
香澄さんの苦しさを裁判官にもなんとかわかってほしい、学校の姿勢が変わらなければ今生きている子どもたちの苦しさも救えないという、必死の訴えだった。
心を焦がしているのが見えるような気がした。彼女自身の心が今まさに炎で焼かれているようで、痛々しかった。陳述し終わると、美登里さんは、その場にへたり込むようにして座った。


3人の裁判官は、原告らの思いに耳を傾けてくれていると感じられた。一方で、被告側の弁護士らは陳述の間、小森さん側ではなく、裁判官の表情をうかがいみているようだった。

少しの時間をとって、裁判官3人が合議のあと、職権和解を勧告するとした。法廷での口頭弁論と平行して和解の話し合いをすすめるという。
裁判官は、原告代理人側に、一審の認定判断に関する主張を展開するようアドバイスした。そして、新たな証拠があれば、提出するようにと話した。

書類の提出期限や和解期日を決め、次回の法廷での口頭弁論はとりあえず、10月3日(火)1時25分から818号法廷でと決まった。(注意! 10月12日・木 10時00分から東京高裁818号法廷に変更になりました




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