わたしの雑記帳

2008/2/14 開智学園・杉原賢哉くん(中3・14)自殺事件 証人尋問。


2008年2月1日、さいたま地裁501号法廷で、杉原賢哉くん(中3・14)自殺事件の証人尋問が行われた。
裁判長は近藤壽邦氏、裁判官は河本晶子氏、多々良周作氏。

10:30〜12:00が授業クラス担任のS教師。13:30〜15:00がA学年主任。15:15〜16:45がクラス担任(女性)のM教師。
私は自分のサイトでは10時半からと書きながら、手帳に転記する際、誤って13時30分からと書いてしまい、午後からの傍聴になった。午前の部では傍聴券の配布が行われていたが、定数には満たなかったこと、午前中だけで帰ったひともいることから、法廷には入ることができた。

B学年主任の話をおおまかにまとめると、被告弁護士の主尋問に対しては次のようなことを話した。
杉原くんは、悪い意味で目立たない生徒、一生懸命ものごとに取り組む生徒という印象。
自殺の原因は思い当たらない。
杉原くんから、最初に盗難目撃のことを聞いたのはS教師。
S教師からの報告で、A学年主任は、盗難の目撃の件と、杉原くんがこのことについて「他の先生とも話してみたい」と言っていたことを知った。
杉原くんからは「あの件、どうなっていますか?」と何回か聞かれた。しかし、話し合うために「時間ある?」と聞くと、「補習があるから」と言って、7月3日にようやく、話をきくことができた。
しかし、その時の話は、S先生から聞いていた内容と違うことがあり、ブレザーをまさぐっていたのか、サイフを取り出すのを見たのかも、不確かだった。そこで、クラス担任のM先生が「7月5日の定期考査が終わってからでいいから、見たことを書き出してみたら?」と言った。
目撃証言がはっきりしないことについて、見たわけでもないのになどと厳しいことを言った覚えはない。
盗難の目撃については、8000円が盗られる事件があったが、その生徒はブレザーは着ていたといい、杉原くんが目撃したことと同一のものかどうかはわからない。

7月4日の杉原くんが自殺した日のことについて。
朝、杉原くんは登校せず、3時半頃、警察からM先生あてに電話があって、どういうことがあったかわかったことがあったら教えてほしいということだった。
20分くらいで経緯をまとめ、教頭と私と担任のM先生の3人で警察に行った。
警察で1時間ほど話をしたあと、部屋を出たところで杉原くんの両親に会った。
母親は「うちの子、何か変だったんでしょうか?」「前日、頭が痛いと言っていた」「フラッとぶつかったのでは」などと話した。
(この答弁で、杉原くんの母親は、原告席から声を押し殺して、「うそだ」「うそつき!」と繰り返していた)
父親からは「学校で何があったんだ!」「お前らが殺したんだからな!」とと怒鳴られた。初めから、自分たちのせいだと決め付けられた。


原告弁護士からの反対尋問では、
杉原くんが、「この学校には盗難で退学になった生徒はいるか」と聞いていたことについて尋問が行われた。
杉原くんは、「盗難の犯人は一般にどうなるのか」と聞いたが「、一律には何ともいえないが、退学になることもある」と答えたという。
退学になった生徒についての質問に対して、他学年のことなので具体的な処分のいきさつは知らない。この学年で退学になった生徒はいないとした。
平成10年10月に男子生徒が学校を辞めたことについては、関係がないと言った。
また、7月3日に杉原くんと話をしたあと、補習に参加するまでの約45分間、杉原くんの行動については知らないし、調査もしていないとした。

再テストの答案は大抵はきちんと杉原くん自身が保管していたが、B教師のテストの答案のみ丸めて捨ててあったこと、平成18年にテレビ番組で杉原くんの事件が報道されたあと、番組あてにイニシャルで、○○先生によるヒステリックな指導があったと書いてあったことについては、A教師は○○先生というのはたぶん自分のことだと思うが、内容については心当たりがないという。

杉原くんの死については、
自殺かどうかは自分にはわからない。自殺の原因がどこにあったかの調査はいていない。自分は関係者なので「私はこの件についてはかかわってはいけない」と思った。
7月13日に原告の弁護士事務所に行ったとき、「委員会を立ち上げて調べたら」という話が出たが、自分は何もしていないし、調べたかどうかも知らない。
全校生徒に情報を求めることもしていないが、なぜしないと言われても理由があるわけではない。



裁判官からの質問に答えて。
Q:杉原くんから、ブレザーをまさぐっていたという生徒の具体的な名前は聞いたのか?
A:聞いたが、ここでは言えない。
Q:教卓のところに杉原くんの悪口が書いてあり、そのことを杉原くんから指摘され謝った生徒がいるということだが、聞いていた人物と同一人物なのか?
A:そうだ。
Q:杉原くんがサッカーボールをぶつけられて頭が痛いと言っていたというが、ボールをぶつけた生徒とトラブルのあった生徒は同じか?
A:違うと思う。体育の授業は一緒ではないので。
Q:杉原くんが自殺した原因を考えることは?
A:何かあったのかなあと考えることはあるが、自分が勝手に考えていることなので差し控えたい。

Q:杉原くんの印象は?
A:大人しい子。悪い意味で目立つはとのない。一生懸命に物事に取り組む。
Q:事件後の経緯について。学校側から先生方に対して、調査はしたのか?
A:関わっていないのでわからない。
Q:調査委員会はつくられたのか?
A:知らない。


***********

ここから、クラス担任の女性M教師の尋問。被告弁護士の主尋問から始まる。

開智中学高等学校の教諭として採用されて4年目。杉原くんが3年生のときから担任。
盗難事件目撃のことは、7月1日の学年会のときに知った。それまでは知らなかった。
S先生は、杉原くんが、みんなの意見を聞きたいと言っていると話した。盗難の当事者が一致することは断言できないので、もう少し杉原くんから話を聞こうということになった。
7月3日、A先生に、これから杉原くんと話すからと呼ばれた。杉原くんに、もう一度見たことを教えてほしいと言ったが、あいまいなところもあったので、「紙に書いてみたら」と言ったところ、杉原くんは普通に「はい」と答えた。変わったこと、とくに感じたことはなかった。

7月4日、ホームルームに杉原くんがいなかった。今まで休んだことはなかったので、珍しいと思った。次の日がテストで、休んでいる生徒が多かったから、体調を崩しているのかなと思った。
A先生に報告すると、前日、頭が痛いと言っていたので、連絡してくださいと言われた。病院に行って遅刻する生徒もいたので、すぐには連絡をしなかった。
帰りのホームルームでもまだ来ていないのを確認した。

警察から杉原くんは学校に聞いてますかと電話があって、「休んでいます」と答えると、事故にあったと教えられた。A先生と教頭に、杉原くんが亡くなったことを伝えた。
警察には、「いじめはありましたか?」と聞かれて、「ありません」と答えた。「いじめはなかったと思うが、昨日、話を聞いたことがあるので、直接、話したほうがよいと思うので伺いますと言って、警察に行った。
警察での事情聴取のあと、杉原くんのお母さんがA先生と話していたのをそばで聞いていた。父親はあとから来た。警察の一室を借りて、何があったんだと言われた。最初から、「学校で何かあったに違いない」とかなり興奮されていた。
欠席確認の連絡しなかったことを言われて、場所を移して話をしたが、一方的に責められた。また、「子どもがいない人は親の気持ちがわからない」などと言われた。

その後、携帯電話で話しをした。杉原くんが亡くなったことをどのように生徒に伝えたのかと聞かれた。怒鳴られるとかした。
杉原くんの自殺の原因については、思い当たることはない。悲しいことではあるが、その時、賢哉くんが何を考えているを知ることはできなかった。

原告弁護士からの反対尋問。
Q:7月1日の学年会の前に聞いた内容は?
A:杉原くが盗難を目撃したと、本人が見たことは少しあいまいだが、訴えていることを他の3学年の先生にも知って欲しいといっていると聞いた。
Q:犯人の名前は名指しされていたのか?
A:名指しされていた。7月3日、盗難したら退学になるのかと聞いていた。
Q:杉原くんが、他の先生にも知って欲しいと言ったのはなぜだと思うか?
A:みんなは自分の話をきちんと聞いてくれるかと思ったのだろう。

Q:盗難目撃の日時や場所は?
A:日時は覚えていない。5月上旬。
Q:場所は英語の教室か?
A:記憶にない。
Q:杉原くんの位置、犯人の位置は聞いているか?
A:杉原くんの話は、7月1日にS先生に聞いたのと違うとA先生が言ったので、そうなのかなと思った。ブレザーのかかっている位置が違うが、「ああ、違う」ということだけで、よく覚えていない。また、実際にまさぐっているだけだったのか、出していたのかもあいまいだった。
その後、お金を盗られた子はブレザーを着ていたというので、まさぐっていたのはサイフかどうか、別の事件かもしれない。

Q:7月3日に補習があることは知っていたか?
A:把握していない。7月3日の昼に、話を聞くのに「放課後はどう?」と聞いた時、「ダメです」「時間がない」と言われて、あんなに結果を聞きたがっていたのに、ちょっとムッとした。S先生からは「あの件、どうなっていましか?」と3回も聞いていたのに、矛盾していた。7月3日、補習A先生に「4時から補習があるので、それまでいいですか?」と声をかけられるまで、ダメな理由は知らなかった。

Q:学校を辞めた女性教師が、その日、杉原くんから「面談があるので社会の補習は遅刻します」と聞いていたというが?
A:覚えていない。
Q:その後、杉原くんは面談終了後、社会の補習に5時15分頃来た。そのあと、5時半頃から数学の再テストを受けている。4時過ぎから1時間以上、どこで何をしていたのか?気にならないのか?
A:当時は知らなかった。今は、いろいろな教科を掛け持ちしていたので、他にもあったのかなあと思っている。
Q:学校で調べればわかることだと思うが、何も調査していないのか?
A:補習に出ていない生徒は気になるが、その時は把握できなかった。
Q:自殺したあとは、どうして誰も調査しなかったのか?
A:している人がいると思うが、私のところには情報が入ってきていない。
Q:調査しているという根拠は?
A:その時間に社会の補習に来たとわかっているのだから、調査していると思う。

Q:現在、連絡なく生徒が来ていない場合はどうすることになっているのか?
A:2時間目のはじまりに、家に電話すると学校全体で決めた。
Q:当時は各教師の裁量に任されていたのか?
A:はい。
Q:被告の準備書面には、「生徒の主体性、自主性を尊重して、危険があると予見した場合以外は連絡はないとあるが、いつごろまでに家庭に連絡することになっていたのか?
A:とくに決まっていない。
Q:生徒手帳には、欠席する場合は8時15分までに保護者から担任に連絡するようにとあるが、その趣旨と目的は?
A:所在をあきらかにすること。
Q:中3になれば緊急と予見した以外は当日の連絡でこと足りると?
A:そう思う。当時は、そう思っていた。
Q:今は?
A:今も、様々な家庭状況の生徒がいるので、一律にこうとはいえない。連絡はしなければいけないと思うが、親の職場や携帯に電話するのは、緊急性がなければいいと思う。
Q:朝のホームルームが終わった時間に、A先生から、「連絡をしてください」と言われたのに何故電話をしなかったのか?
A:杉原くんが前日に頭が痛いと訴えていたと聞いたので、病院にでも行っているのだろう、それから登校するのだろうと思った。
Q:帰りのホームルームにもいなかったが?
A:うちで寝ていることも考えた。
Q:A先生の陳述で、担任のM先生は心配そうにしていましたといっているが、心配していたが、忘れた?
A:忘れたというより、緊急性、必要性を感じていなかった。

Q:校長は、母親が通学ぐつではないものを杉原くんがはいて出かけたと気づきながら、学校に電話しなかった。風邪でもひいているのではないかと思った担任が自宅に電話しないのとどこが違うのかと書いているが?
A:比べられることではないと私は思う。私も杉原くんが家をちゃんと出てきたと思っていたので、その間にどこかに行くとは思っていなかった。

Q:7月4日に警察で会ったとき、M先生から謝罪がなかったというが、開智には自殺の原因はないと思っているからか?
A:1時40分には欠席の連絡はしたので。また、原くんは盗難の目撃者であって、被害者でも加害者でもないから。
Q:別に原因があるとは考えないのか?
A:考えないのではなく、思い当たらなかった。学校に自殺の原因はないと思う。
Q:自殺の原因の調査はしたのか?
A:私のほうに聞き取りはなかったが、調査はしたと思う。
Q:誰が調査したのか?
A:わからない。

Q:警察から電話があったときに、いじめを否定しているが。十分に調査してから来なさいと言われる可能性は?
A:校長や教頭にそういうことはあったのか?と聞かれて、聞いていないのでわからないと答えた。
目撃したこともはっきりしないうちに亡くなってしまったので、それが原因ということも全く考えもしなかった。
Q:匿名メールで、Aのヒステリックな指導について書いてあったが、心当たりは?
A:わからない。7月3日も、A先生は気を使って話していた。杉原くんと目撃した生徒とは面識があるので、その子との関係がぎくしゃくしないよう、慎重にしなければならないと彼にも伝えてある。

Q:杉原くんの自殺の原因について。
A:一方的に学校が悪いと言っているが、多くの時間をすごしたご両親との関係はどうだったのか。父親のことを杉原くんはとても怖いと思っているようだと二者面談のときに感じていた。
Q:家庭に原因があると思っているということか?
A:はい。

Q:「杉原賢哉くんについて」は、裁判になってすぐにまとめたのか?いろんな先生に聞いたのか?
A:以前の担任の記録を見たり、関係の先生から聞いたり、私が見たことをまとめた。思い込みが強く、教員に訴えることがあった。他の生徒と離れて一人であることが多かった。急にきれることもあり、怖いと思っていた生徒もいる。

Q:Oくんとのトラブルについて?
A:杉原くんは殴られて鼻血を出して、早退した。翌日、診断書を持ってきたことを知ってびっくりした。
Q:なぜ、びっくりしたのか?
A:Oくんを訴えようとしたのかなと。
Q:大げさだと? 賢哉くんは診断書はもらっていないと思うが、持っているのか?
A:今となっては診断書か記憶にない。勘違いかもしれない。

裁判からの質問。
Q:杉原くんは前に休んだことは?
A:4月以降、なかった。
Q:前任から問題のある生徒の引継ぎは口頭で行うのか?
A:はい。
Q:何人か引継ぎのあった生徒はいたのか?
A:3学年にはいなかった。
Q:心身の健康は?
A:4月から5月にかけて面談をする。杉原くんは格闘技、とくに相撲が好きと言っていた。カラテを習い始めたと言っていた。
Q:勉強ができないことを悩んでいた様子は?
A:とくに心配なことはなかった。
Q:母親との面談は?
A:亡くなったあと。その前に学級全体の懇談会はあった。

Q:生徒の様子を把握することは?
A:なるべく情報を共有する。職員室の机はそのために学年でまとめてある。

*********

ここから私見。
杉原賢哉くんはどちらかと言えば大人しい生徒であったようだ。
その賢哉くんが、盗難の目撃を教師に告げるにはきっととても勇気が必要だったと思う。もしかすると、はっきりと目撃したのはその時が始めてだったかもしれないが、なんとなく、問題のある生徒の動向を察知していたのではないか。
午前中の授業担任のS教師の尋問を私は聞けなかった(ぼそぼそと小さな声で答えたときく)。賢哉くんは、そのS先生のことは好きだったらしいという話もある。信頼したからこそ、不正を見て見ぬふりをできず、正義感から盗難目撃のことを打ち明けた。しかし、期待に反して、具体的に動いてはもらえなかった。
一方で、ホームルーム担任のM教師は信頼していなかったのではないか。だから、盗難の話を直接せず、話し合おうという誘いに対しても、おざなりに答えている。

M教師は、賢哉くんは盗難の目撃者であって、加害者でも、被害者でもなかったのだから、盗難事件と自殺とは関係ないとしている。また、警察から電話があってすぐに「いじめはなかった」と答えている。
どうして、調査もせずに「いじめはなかった」と断言できるのだろうか。今のいじめは、とくに恐喝など犯罪的ないじめは巧妙に隠されるということが散々言われている。
しかも、学校側は調査をした形跡さえなく、両親がつかんでいる事実だけをとっても、盗難の犯人とされている生徒と、賢哉くんが教壇に悪口を書かれたという生徒は同一人物。ほかにも、殴られたり、サッカーボールをぶつけられるなどしている。

賢哉くんは無口で大人しく、一人であることが多かったとも言っている。その賢哉くんが、盗難目撃のその後をとても気にして、「犯人は退学になるのか」と教師に聞いている。
あくまで、私の想像でしかないが、学校には問題のあるグループがあり、そのうちのひとりの盗難を目撃し、教師に伝えたことから、「ちくった」として、盗難の生徒やその仲間から報復を受けるようになっていた。

いじめにおびえる生徒が、成績が落ちたり、対抗するために格闘技を習うことはよくある。
Oくんとのトラブルも、診断書があったかどうかは別として、殴られて鼻血を出したことを教師に懸命に訴えた。その時の印象が、「診断書を示し」になったのでは。そして、それをM教師は放置した。だから、盗難のことも、M教師に言っても無駄だと思ってS教師やA教師との話し合いなら応じる気になった。しかし、そこでもまともに取り合ってもらえない。M教師に言ってもだめ、S教師に言ってもだめ。だからこそ、他の先生にも聞いてもらいたいと賢哉くんは訴えたのではないか。

8000円盗まれたという被害者がいて、盗難の目撃があって、それでも学校は具体的に動こうとしない。犯人は退学にもならない。
開智学園は中高一貫校だ。中学3年生。成績にも自信がもてないなかで、いまさら、他の高校を受験する気にもならない。
そんななかで、死に追い詰められてしまったのではないか。

民事裁判では、原告側に立証責任がある。賢哉くんの自殺後も調査さえしないなかで、公立以上に決められた報告書などがあがってこない私立では、遺族が知ることはより困難となる。
しかし、生徒が自殺してさえ生徒たちに聞き取り調査さえしない、自分たちには責任がないとして、家庭の問題を言い立てる。そんな学校だからこそ、いじめを訴えても、盗難を訴えても、まともに調査さえせず、告発者の安全さえ省みられない。
誰も守ってくれない絶望感。

それにテストが追い討ちをかけた部分も少なからずあるのではないか。
自殺を考えるほど追い詰められている生徒は当然、成績はふるわない。いじめのことは、親にはなかなか話せない。自分のプライドの問題もある。親が怒鳴り込んでも事態は悪くなるだけということは目に見えている。成績がふるわないことへのふがいなさと、成績が下がれば「なぜ」と家族に聞かれたり責められたりする。
そして、そんな追い詰められているときに補習や再テストを何度も受けなければならなかったこと。精神的にくたくたになってしまったのではないか。
いじめや教師との確執で悩んでいた生徒が、試験の前後に自殺するケースがいくつもある。一見、原因は成績を悩んでと思われがちだが、子どもたちの遺書にはそうでないことが書かれていたり、神戸の事件のように、あとで原因が発覚することもある。

そして、賢哉くんは亡くなる前にゲームをしていた。実は、多くの子どもたちが亡くなる前にゲームをしている。あるいは前から欲しがっていたゲームを買って欲しいとせがんでいる。ゲームをしている間だけは没頭できて、嫌なことを忘れられる。何もかも忘れてしまいたかった。あるいは、最後くらいせめて思う存分ゲームを楽しみたかった。それをこの世の最後の思い出にしたかったのではないか。

賢哉くんの自殺の原因が、学校内の暴力にあったとしても、私は驚かない。可能性は十分にあると思っている。
しかし、これだけいじめ問題が騒がれるなかで、その可能性に沿った調査さえしようとせずにふたをしてしまう学校のあり方は容認されるべきではないと思う。
しかも中高一貫校の中学3年生。こんな中途半端な時期に、他の生徒だって、学校と対立してまで知っていることを話したりはできないだろう。ただ、よく考えてほしい。今だ、盗難の犯人は放置されている。過去にも、恐喝で相手が死んでさえ、追求されることがなければ平気で恐喝を続けていた少年がたくさんいる。学校は、在校生は、ほんとうにこの問題にふたをしてしまっていいのだろうか。これは、杉原さんたちだけが考えるべき問題だろうか。

次回は、2月22日(金)13時30分から。校長と原告母の証人尋問。


※なお、開智学園・杉原賢哉くん(中3・14)の自殺事件に関しては、me070419 me070922 を参照。


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