のじれん・案内
 

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日々ののじれん/のじれんの日々

Nojiren Weekly Schedule
Monday Tuesday Thursday Friday Saturday
福祉・面会行動 全都実会議 事務局会議 代々木パト 共同炊事・寄合
・パト


 のじれんの日常的な活動を紹介します。活動はだいたい週単位の(曜日によって行動が決まっている)ものが多いので、曜日ごとに紹介していきます。


 自分たちではもう意識しなくなって普通に使っている言葉も「業界用語」なのかもしれません。できるだけ 欄外に説明を付けてみます


●土曜

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共同炊事、寄り合い、パトロール

  週の中でもっとも多くの 仲間と交流し、大事な話 が行われる日です。のじれんの活動の根幹をなしていると言っていいでしょう。


 炊事風景夕方5時に、 東京都児童会館玄椛に集まります。その日の炊事の材料が届き、大きな鍋に湯を沸かしはじめ、 共同炊事が始まります。最近のメニューはもっぱら雑炊です。野菜や肉を切る人、事前に器を洗う人など、思い思いに手伝います。その間にブルーシートと段ボールを敷いて「寄り合い」の会場作りも進みます。


 6時半頃には渋谷周辺で野宿している 仲間も多く集まってきます。お茶を飲みながら「寄り合い」前の雑談です。最近の困り事から映画の話まで、ざっくばらんに、でもこの中から大事な話が出てきたりします。この時間は、野宿者同士が普段の状況を知らせ合う、また、仕事の情報(どこで最近人を募集しているとか、どこどこの仕事は条件が悪いとか)を交換し合う、さらには、支援者と野宿者が関係を作り・深める、という重要な意味を持っています。


 7時からは、ビラを見ながらの「寄り合い」です。他の記事にあるような対行政行動の報告や呼びかけなどの重要な内容が話し合われます。のじれんは支援と仲間の一体となったグループです。この「寄り合い」はのじれんの意思決定機関なのです。


 7時半頃から食事です。最近は野宿の 仲間も増え、支援も合わせて約170食(1999年6月)。寄り合い風景食後は自分の器は自分で洗って返却。鍋洗いや片付けも野宿の 仲間の力であっという間 に終わります。


 少しのんびりした後、9時に パトロールに出発します。 複数の班に分かれて渋谷駅周辺を回ります。最近では、「寄り合い」に来なかっ た人だけで約170名(1999年6月)の野宿者と出会います。10時半頃に戻ってきて、月曜に 福祉窓口に相談に行く 約束をした人や、具合いの悪い人など問題はなかったかみんなで確認して終了 です。





●月曜

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福祉行動

 午前9時、渋谷区役所となりの渋谷公会堂時計台前に集まり、前の週のパトロー ルなどで約束した人をはじめとして、区役所2階の渋谷福祉事務所の相談窓口 に向かいます。


 野宿者がひとりで相談に行って職員の冷たい対応に遇い、追い返された例はた くさんあります。ですからできるだけ大人数で、互いに助け合いながら職員と 渡り合うのです。


 福祉とのやりとりは、大きく「生活」「医療」「就労」に分類することができます。


生活

 福祉窓口では現在、乾パンの支給を受けることができます(原則として月1回)。他の自治体では「カップ麺」(1998年5月までの新宿区役所)、「600円分のパン券」(川崎市役所)を配るところがあり、渋谷区役所にもより充実した支援策が求められているところです。


医療

 病気の野宿者は、窓口相談員と面接の上で医療機関の紹介を受けることができます。渋谷区役所からは行政に申請している10程度の医療機関への紹介が受けられますが、病院によっては十分な医療措置を施してくれないところもあり、問題は残ります。また、そこで重病と診断された野宿者には 「生活保護法」 の適用が検討されることになりますが、社会保障を圧縮しようとする大きな流れの中で野宿者が「生活保護法」の適用をかちとるのは容易なことではありません。野宿者が大勢で、支援者とともに窓口を訪れる「福祉行動」は、こうした際に意味を持つのです。


就労

 渋谷区役所は、1998年までほとんど「就労」支援を行っていませんでした。しかし、野宿者が「路上脱却」を果たすためには、なんと言っても就労することが必要です。そこで「のじれん」では、この就労支援策の充実を強く求めつづけてきました。その結果、1999年6月現在ではアルバイトニュースの閲覧、就労希望先へ連絡する際の電話代の貸与、面接する際のシャワー室の利用、交通費の支給、面接に持参する履歴書・印鑑代・写真代の貸与が実現しました。しかし、シャワー室の利用人数がごくごく限定されていること、面接の際の交通費が原則として片道分しか支給されないこと、面接用衣類などの貸与が不充分なこと、就労した際の生活支援金がないために自然と日払いの仕事にしか就けないことなど、まだまだ問題は山積しています。「就労したくても就労できない」のが、依然として野宿者を取り巻く現実なのです。


 のじれんでは、このため、自分たちの力で「就労支援プロジェクト」を立ち上げ、様々な取組を行っています。その概要は「結成一周年総会資料」および「ピカピカのうち」第5号に紹介してありますので、興味のある方は nojiren@jca.apc.org までお申し込みください(それぞれ500円、400円+送料)。


 個別ケースだけではなく、申入書を渡したりなどの行政交渉、また 福祉だけに限らず土木 部や保健所などへの申し入れ行動などもよく月曜日に行われます。

施設・病院面会

 午後には、生活保護を得て入院や施設に入所している(元)路上の仲間の激励に行きます。福祉事務所ののケースワーカーの訪れる頻度は低く、信頼関係のある私たちに対してのほうが言いやすいこともあるようです。


 そのような施設の一つに 「銀扇閣」 という民間のドヤ(安宿)があります。ここでは「生活保護法」が適用された場合の諸手続きを詳しく紹介できませんが、とにかく渋谷区役所で生活保護を獲得した多くの野宿者はまず最初にこの 「銀扇閣」 に入所するのです(1999年からは「銀扇閣」と並んで行政の施設である「新大久保寮」も頻繁に利用されるようになりました)。そのため、のじれんではできる限り 「銀扇閣」 に入所している仲間たちとの面会を行っています。しかし、「銀扇閣」は生活保護受給者の施設としては様々な設備上の問題点があり、 1998年春には、入所している仲間たちからの要望により、施設改善を求める活動を行いました。その経緯と結果については、「ピカピカのうち」第3号の「銀扇閣問題を追うーよりよき居住を切望して」をご参照いただきたいと思います。

●火曜

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全都野宿労働者統一行動実行委員会(全都実)会議

 1999年6月現在、東京都内には野宿者本人を構成員とする野宿者団体が3つあり ます。 新宿野宿労働者の生活と就労保障を求める連絡会(新宿連絡会)のじれん、 山谷反失業実行委員会/準備会(山谷反失実)の3団体です。


 この会議は、1998年5月に、東京都の「自立支援センター」開設を促す諸行動 を起こすためにこの3団体で発足しました。なお、 「自立支援センター」に関する具体的経緯については、簡潔ながら 「ピカピカのうち」第2号に紹介されていますので、ご参照ください。


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●木曜

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広域パト

 夜間、土曜日のパト では覆いきれない地域、例えば青山、恵比寿などへの パトを行います。 調査的な性格を帯びる場合もあります。


 また曜日は木曜に限ったことではありませんが、「全都実」(新宿や山谷との 共同行動)の池袋や銀座などの パトロールに合流し、全 都の路上の仲間の結束を 訴えています。


●金曜

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代々木パト

 朝10時 [注] から、代々木公園を回ります。代々木公園にはテントを作って住んで いる仲間約180名 [注] います。また周辺の地区からやってきて芝生やベンチで休んでいる 仲間もいます。彼ら/彼 女らと話し込み、健康や暮らしのことをはじめ、様々な問題を聞き取ります。



[解説] 「パトロール」略して「パト」

 「棒もって縄張りを見回りに行くの?」と言われてしまうこともありますが、 そんなものではありません。「こんばんはー。のじれんです」と挨拶しながら 野宿の皆さんを訪ねて歩く、ビラをもとにいま焦点になっている問題について 話す、まずは顔見知りになることです。パトをする側は支援だけではなく野宿 の当事者も一緒に加わっています。それから、だんだん暮らしのこと、健康の ことなどを話します。具合いが悪いようだったら手持ちの救急箱でなんとかな ればいいし、そうでなければ月曜の福祉行動 につなげます。本当に厳しいとき は救急車を呼ぶこともあります。行政や商店街の追い出しや若者による襲撃な ど、こっちで聞いた情報をあっちに伝えるなどの役目もあります。場所や人数 を記録しているので、長期的な動向もある程度把握できます。



「銀扇閣」略して「ギンセン」

 民間の旅館です。簡易宿泊所とも言われる、みんなが「ドヤ」と呼ぶタイプで す。生活保護を受けた野宿者は、行政の施設が満杯なので、ここで一時待機さ せられます。渋谷区内にはここ一軒しかありません。ところがこの旅館たるや 相当ひどい 設備・待遇なのです。



「仲間」

 私たちは互いに「仲間」と呼ぶことが多いです。特に野宿者を「仲間」と呼ぶ こともあります。文字通り「仲間」です。

「共同炊事」

 「共同」というのは、ただ「支援者」だけが炊事を行い、野宿者はそれをもらうだけ、ということではなく、支援者と野宿者が「共同」して炊事を行う、という行為であることを意味しています。これはもともとなかなか協力してくれない野宿者に協力を促す意味で呼び始めた言葉ですが、1999年に入ってからは状況が大きく変わり、今では荷物の運搬から調理までをほとんど野宿者だけで行っています。そのため、「共同」炊事に参加している支援者は、むしろやることがなくて「手持ち無沙汰だ」とボヤく有様です。



「福祉」

 「福祉事務所」やその窓口、職員のことを略して「福祉」と呼んでしまうこと がしばしばあります。『最近の福祉の対応はひどい』と言えば、福祉事務所や その窓口職員のことです。



「福祉行動」

福祉事務所窓口集中相談行動の略です(ほんとか?)。 いや言葉がどうというより内容的にそういうことです。そのうち特集を組んで お伝えしたいと思います。


 


(C)1998,1999 渋谷・野宿者の生活と居住権をかちとる自由連合
(のじれんメールアドレス: nojiren@jca.apc.org