知事としての責任はないのか

「プルサーマル凍結」!原因は「東電、原発トラブル隠し発覚で」とのことだが、そのまた原因が「2年前の内部告発」といのだから、いよいよ国も追い詰められてきたようだ。

それにしても、平山知事の「怒りを感じる」のコメントには、私は、怒りを感じる。いままで、どれだけ、東電のトラブルの公表のありかたについて県としての問題が指摘されてきたことか。その指摘になんら答えようとしなかったのは誰なのか?県が主体性を持ってトラブル調査をやったことは一度としてなかった。頻発するトラブルについて、調査は国がやっている、県はそれを信用するというのが、知事の一貫した態度だった。はじめの一度目ならともかく、知事の在任期間中、一体何回のトラブルが新聞を賑あわせたのか。それでも、知事は態度を変えなかった。

話は変わるが、清津川ダムの中止の時もそうだった。水没予定地の三俣の住民に対して「国との間で仲介したい」と知事はいった。新潟県も推進の立場で、事業をすすめてきたのではなかったのか。とりわけても地元の移転問題は県が中心になってすすめてきた仕事ではなかったか。己の傘下で起きている大事に対し、ひとごと(全部、国が悪い!)のように振舞って、「怒りを感じる」などと格好をつけているのは最低である。知事としての責任を問いたい。

武田貞彦

8月30日 「窓」へのボツ原稿



亀田町町長 阿部学雄 様               2002年 8月21日


              住基ネット接続に対する異議申立書

 行政不服審査法第48条の準用による同法第15条の規定に基づき、貴職の行った処分について、違法・不当であるため、異議申立てを行います。

一 異議申立人の氏名及び年齢並びに住所

武田貞彦 48歳 亀田町早通2−4−30


二 異議申立てに係る処分

1、8月6日、亀田町個人情報保護条例にもとづき、8月5日から開始された住民基本台帳ネットワークに異議申立人の情報を送ることの中止を求めたが、8月8日、これを認めないとの決定(住第723号 平成14年8月8日)について。

 

三 異議申立てに係る処分のあったことを知った年月日
 2002年8月8日

四 異議申立ての趣旨及び理由
 1 異議申立ての趣旨

(1)   異議申立人の個人情報を住民基本台帳ネットワークシステムや新潟県に送信しないでください。また、送信してしまった個人情報は削除するように求めてください。

(2)   8月8日決定は、その「理由」で「改正住民台帳法は成立している。」としているが、同法付則第一条第二項で「この法律の施行に当っては、政府は、個人情報の保護に万全を期するため、速やかに、所要の措置を講ずるものとする」とされており、行政部門及び民間部門を対象とした個人情報に関する法整備がなされることが前提でした。周知のように個人情報保護は成立しておらず、にもかかわらず85日をもって「住基ネット」を稼動した政府こそが違法に他なりません。また、異議申立人の8月6日「中止請求」は、法の未整備のみならず、「セキュリティーの甘さ」「『選択性』への期待」「亀田町個人保護条例第10条への抵触」等にも言及しており、これら諸点について「理由」にないのは納得できません。すでにいくつかの自治体において住基ネットからの離脱が現実化している状況の中で、総合的な再検討をおこない、再考を求めます。

 2 異議申立ての理由
 およそ社会には「善人」と呼ばれる人もあれば、「悪人」と呼ばれる人もいます。また置かれた状況によって、人は「善人」にもなれば「悪人」にもなります。こうした様々な人間が、この社会を形成しており、その全体を個人が主体となって、よりよく調整していこうというのが民主主義です。国民すべてに11桁の番号を付け、国が一元的に管理しようという「住基ネット」の大元にある思想は、「行政が個人を管理しよう」という思想であり、個人の尊厳と民主主義の原理に反するもので、私はこの制度に反対します。

既にいくつかの自治体で「住基ネット」との接続を拒否しているという異常事態の原因を冷静に考えてみる必要があります。(1)住民・自治体のコンセンサスがない。本音の大多数は「いらない」である。(2)住民基本台帳法に書かれている「個人情報保護法など所要の措置」がなされていないため法律としては未整備なこと。(3)多くの専門家から、セキュリティーの甘さが指摘されている。  このような根本問題を抱えたまま、「もうひとりの自分」ともいわれる個人情報をいともやすやすと危険にさらされることに納得がいきません。亀田町は、国や県におもねることなく、毅然と住民利益を第一とする原点に立脚した措置を取っていただけますようお願いします。

 

当該処分につきましては、以下の点で違法、不当であると考えます。


(1)住基ネットの問題点の最たるものは、個人の種々の情報が住民票コード(11ケタの番号)のもとにひとつに集約されることにあります。いわば、その個人の種々の情報が一本化されることによって、その個人の全てが把握されます。これは、個人を管理しようとする側にとっては便利かもしれませんが、個人の自由、人格権を尊重する立場からは相容れません。今回の住基ネットによる個人情報は現状では一応「限定」されていますが、法構造が、「政省令」委任形式をとっている以上、その拡大を防ぐ保証は全くありません。
(2)集中された個人の情報が、ネットワークのシステム障害や職員によるトラブル等によって、個人情報が外部に漏れ、更に、悪用される危険性があります。真の意味での個人情報保護法が成立していない現時点においては、個人情報が守られる保証は全くありません。
(3)人格権侵害。人は個人としての尊厳を有し、その人格は最大限尊重されるべきことは論をまちません。一方、各行政機関が、その行政目的によって、その各行政機関毎に国民の情報を保有することはその限りでやむをえないものです。しかるに、その個人のあらゆる行政情報を一カ所にまとめられるべき理由は全くありません。住民票コードなる11ケタの番号によって、個人の情報が一カ所に集められるのは、本来の行政目的をはるかに越え、その個人の人格権を侵害するものです。

(4)公権力から監視されない権利の侵害。国民はプライバシーの権利の一貫として、「公権力から監視されない権利」を有しています。すでに、国民的な批判を受けた「国民総背番号」はまさに公権力が個人を監視する体制でした。「国民総背番号」を使って名寄せをすれば、国民一人一人がどういう人間で、いつどこで何をしたか、税金から家族関係、職業、収入、病歴、貯金、成績、購買記録、信用情報・・・等、ありとあらゆるプライバシーが、すべて丸見えになります。無論、今回の住基ネットによる個人情報は現状では一応「限定」されていますが、法構造が、「政省令」委任形式をとっている以上、その拡大を防ぐ保証は全くありません。そして仮りに「限定」されていたとしても、そもそも個人の情報を一カ所に集中させること自体、その個人の公権力から監視されない権利を侵害するものです。

(5)自己情報コントロール権の侵害。プライバシー権は、今日では、自己情報コントロール権と解する考え方が有力です。しかるに、本件の住基ネットが施行されれば、個人の情報は、その個人の手を離れておりコントロールの術がありません。自己情報コントロール権を侵害するゆえんです。
(6)亀田町個人情報保護条例の目的、及び第9条、第10条に反します。第9条では、「目的外の利用の原則禁止」をうたい、法律の規定や本人同意などの場合の例外規定を設けています。法令としては住民基本台帳法という事になりますが、法律に書かれている「個人情報保護法など所要の措置」がなされていないため法律としては、未整備な状態という事になります。総務省は国会に個人情報保護法案を提出した事で、措置は取ったと強弁していますが、これは全野党、横浜市長、国分寺市長、杉並区長など全面反論されています。そして、それは住民基本台帳ネットワークシステムからの離脱の根拠になっています。政府は、「接続をしないのは違法」といっていましたが、その後、接続していない自治体に対してなんらの法的措置は取られていません。「違法」なのは政府です。

さらに第10条では「電子計算機の結合の原則禁止」をうたい、「個人の権利利益を侵害するおそれがないと認められるときでなければ・・・結合により個人情報の提供を行ってはならない。」と明確にしています。コンピューター・ネットワークを通じて外部に渡った情報を、町が完全にコントロールすることは不可能です。コンピューター・ネットワークを通じた個人情報の提供は、慎重の上にも慎重を期すべきです。仮に、町が万全の態勢を執られたとしても、全国の地方自治体のいずれか一箇所でセキュリティが破られてしまったら、亀田町民だけでなく全国民の個人情報が漏れる危険すらあります。加えて上記述べてきた個人情報保護法が成立していない事態、いくつかの自治体での接続拒否の事態は、条例のいう「・・・おそれがないとみとめられるときでなければ・・・・行ってはならない。」状態そのものといえます。亀田町は、亀田町個人情報保護の目的、及び条例第9条、10条に基づき、「住基ネット」との接続を中止すべきです。

 

五 処分庁の教示の有無及びその内容
  有り  行政不服審査の異議申し立て請求について

六 異議申立ての年月日
 2002年8月21日

七 口頭による意見の陳述の申立て
 行政不服審査法第25条第1項の規定に基づき、異議申立人が口頭で意見を述べる機会を申し立てます。

八 執行停止の申立て
 上「四 異議申立ての趣旨及び理由」で述べた通り住基ネットは一度、情報が漏洩すると現状復帰が困難であり、回復の困難な損害が生じる。よって、行政不服審査法第34条第2項及び第4項の規定に基づき、当該処分の即時の執行停止を申し立てます。

九 議会への付議の要求
 地方自治法第96条第1項第12号の規定により、本異議申立てに対する決定に際しては、議会に付議し議決を行うことを要求します。

十 その他(請願事項)
(1)改めて、亀田町長は住基ネット接続を中止することを強く求めます。
(2)   情報公開・個人情報保護審査会 委員の皆様への要望

本異議申し立ては、亀田町長あてとなっていますが、条例に基づき、皆様が審議し、内容を裁決することとなります。その裁決は「関係行政庁を拘束する。」(行服法第43条)ものです。その意味で、皆様の作業はその実質において、法律を争う裁判であると考えています。わたしの主張の主眼は、「私の固有のものである私のプライバシーが、現在、住基接続により危機に陥っていること。このプライバシーの侵害の危険から救済してほしい。」という点につきます。政府や町行政の法解釈の検討もむろん必要でしょうが、同じ一住民の目線に立っていただき、住民利益を第一とした裁決をお願い致します。

(参考)

「現行法制のもとにおける行政上の不服申し立て制度は、原則として、国民の権利・利益の救済を図るに主眼があり、行政の適正な運営の確保は右救済を通じて達成される間接的な効果にすぎない。」(最判昭53314

(3)   情報公開・個人情報保護審査会の審議にあったて、異議申し立て人の傍聴の許可を求めます。

十一 添付資料

(1)   横浜市の対応

(2)   国分寺市の対応

(3)   杉並区の対応

                                 以上




私の個人情報を住民基本台帳ネットワークに送ることを中止してください

 昨日、8月5日、住基ネット(住民基本台帳ネットワークシステム)が第一次稼動を始めました。個人情報保護法が未整備なだけでなくセキュリティの甘さが指摘される中で、横浜市では中田市長が「選択制」を表明しました。それでは、「選択制」のない亀田町では、どうしたらよいのでしょう。そこで、私は、住基ネットにNOの意思表示をするため、亀田町個人情報保護条例に基づく中止請求をすることにしました。


私が求める中止請求は、亀田町個人情報保護条例の第14条で保障された自己情報コントロール権の一つです。亀田町の個人情報保護条例の第9条・第10条で個人情報の外部提供・オンライン結合を原則禁止しています。第9条で、法律の規定や本人同意などの場合の例外規定を設けています。法令として住民基本台帳法という事になりますが、法律に書かれている「個人情報保護法など所要の措置」がなされていないため法律としては、成立していない事になります。総務省は国会に個人情報保護法案を提出した事で、措置は取った強弁していますが、これは全野党、横浜市長、国分寺市長、杉並区長など全面反論されています。そして、それは住民基本台帳ネットワークシステムからの離脱の根拠になっています。本人の同意を得られていない事は言うまでもありません。


よって、住基ネットへの接続・4情報の提供は、第9条の例外規定を満たしておらず、このまま事態が進むことは、第9条・第10条の1項に抵触すると受止め、私・本人が中止を求めるものです。

名前   武田貞彦
住所   亀田町早通2−4−30
2002
86



「日報」(7月22日)の「私の視点」に掲載

武田貞彦(47)=亀田町(前県議)

「清津川ダム」と市民運動

 5日の早朝、友人からの電話で飛び起き「清津川ダム建設中止へ」という本紙一面トップの大見出しに、わが目をうたぐった。答申を出す専門委員会の委員構成(8人)からして、ありえないと考えていたからだ。いま振り返って、何がこのダムを止めたのか。そして、市民運動はどのような役割を果たしたのかを考えてみたい。

今回の答申に大きな影響を与えたと思われる要因は、第一、「無駄な公共事業」を批判する国民世論の高まりと、国・地方の膨大な赤字財政。第二、清津川ダムの建設根拠の脆弱さ。第三、直下流の中里村、また水没予定地権者の3分の1の反対意思の表明。第四、新潟大学の大熊孝教授をはじめとした専門委員のご奮闘−などが考えられる。北陸整備局は、自らで委員を選任し、「建設ゴー」のお墨付きをいただきたかったわけだが、上記要因が重なり合って、委員会をして「実施計画調査の中止」の答申となった。

では、この中で、私たち市民運動はどんな役割を担ったのか。私自身が加わった「清津川ダムを考える会」は、10名程のメンバーだが、他の多くのNGOの連携・協力を得ることができた。全国的には「公共事業チェック議員の会」(102名の超党派の国会議員が所属)、2つの環境NGO、県内的には、52の環境NGOだ。

 主な活動は、1.ダム建設理由の学習と批判 2.北陸整備局への働きかけ 3.専門委員会及び各委員への働きかけ(要請行動と資料の提供) 4.国会、県議会対策 5.マスコミ対策―などであった。

 この中でも特に、今回の答申に大きく影響したと思われる活動は、「専門委員会及び各委員への働きかけ」であった。この専門委員会には、上級に事業評価監視委員会(ここにも私たちは働きがけを行った)があり、2000年11月の答申で「別途、検討すること」となり、全国的にも異例な専門委員会が設置されたのである。

この専門委員会の設置、そしてその委員会が非公開から公開(2回目以降)となったことは、私たちの活動抜きにはありえなかったと自負している。委員会の傍聴には毎回5070名の参加があり、各委員へは膨大な資料を送付させていただいた。このことは、委員会の審議内容に大きな影響を与えていったと思われる。

私はこの間の活動通し、これからの諸政策決定にあたっての審議会の民主的運営と市民参画の必要性を改めて痛感している。「審議会は行政の隠れ蓑(みの)」などとやゆされる状況は即刻改善されなければならない。行政は耳の痛いことを言うNGONPOに対しても今以上に門戸を開くべきだ。官民がともに知恵を出し合ってより良い社会を創造していきたい。                           



黒岩たかひろさんを勝手に応援する!

〜わたしから、あなたへ。あなたから・・・・・〜

昨日も「ムネオ」今日も「ムネオ」でいささかウンザリ気味ではあるが、いかがお過ごしだろうか。

官僚政治と利権政治に敢然と挑む、真紀子は「断固支持」だ。彼女を切り捨てた小泉改革は2つの側面があった。1つは、族議員、土建型政治からの脱却。もう1つは、新自由主義・弱肉強食への政治である。私たちが目指すべき政治は、前者を共有し、後者に変えて、脱成長主義・環境、福祉重視の政治ということになろうか。

宗男は、人の面倒見がよく、地元のために公共事業をいっぱいもってきてくれた政治家だった。しかし、その行為は、己の利権と選挙に結びついた。しかし宗男問題の核心は、問題が宗男個人に留まるものではない点である。国政、地方政治を問わず選挙と公共事業の利権の構図は「ムネオ」なのである。

自民党の県議団が県財政の危機的状況を知りながらも、またしても「道路財源の確保」を大合唱し、ダムをはじめとした大型公共事業に固執する様はその象徴である。そしてこの「ムネオ」政治の代表バッターが、自民党候補者、県議出身の高橋であった。

新潟参議院補欠選挙は、まさに「ムネオ」政治への国民の審判として、全国注視の選挙となった。「高橋」=「ムネオ」を新潟で落選させることができれば、小泉改革の1側面である、族議員、土建型政治からの脱却を一挙にすすめる政治再編を起こす可能性が出てきたのである。

黒岩選対本部は「黒岩選挙は、民主・社民・自由・連合・市民の5本柱から成り立っている」と言う。しかし、申し訳ないが今時、政党や労組の力がなんぼのものだろうか?いまや政治を変える主体は、市民である。長野の田中知事を産み出したのも、千葉の堂本知事を産み出したのも「政党」や「労組」ではなかったのである。自発的に立ち上がった市民の力こそがその原動力であった。

傍観者ではなく、一市民として日本の政治の変革に参加しよう。

さあ、勝手連を勝手に立ち上げよう。

     市民新党にいがたも「黒岩推薦」を決めた。

2002.3.7

武田貞彦

「黒岩たかひろ」さんを応援するホームページ

http://takahiro.025.ne.jp/info/index.html



清津川ダム専門委員会への意見

 

貴専門委員会でダム計画の中止の結論を出してください。

 

武田貞彦(47歳・亀田町在住)といいます。95年から99年に県議会議員をやらせていただき、この清津川ダムに関わることになりました。現在、「清津川ダムを考える会」のメンバーでもあります。以下、私の意見を述べさせていただきます。

 

(1)   このダムは、建設のための根拠がなくなっています。本ダムの目的の1つは、利水ですが、1980年調査時35トン/秒の要望は、99年利水要望調査では2.1トン/秒(整備局は農業用16.6トン/秒を加え18.7トン/秒の要望といっているが、必要とする期間は夏場の15日間に過ぎず、誤魔化しである)となっており、人口減の社会情勢の中で、水需要が減ることがあっても増えることはありません。(現在の2.1トン/秒の要望も値段が示されての要望ではなく、値段が示された場合、要望はもっと減るだろうといわれています。)それでも必要な水量については、「農業用水からの渇水時の融通」で対処できると考えます。昨年、中里村での講演会で、天野礼子(公共事業チェックNGOの会)さんは「現実的には渇水時の融通は行われており、97年の河川法改正時、建設省は農水省に明文化を迫ったが、明治以来の百年戦争で、農水省はウンといわなかった」と発言していました。むしろこうした省益優先の改革こそが必要でしょう。また「余裕のある自治体からの融通」という方法も考えられます。市町村合併が推進されるなか、合併時での水要望が検討されたわけではありません。この「融通」については、行政の公式見解はつねに「難しい」ですが、私自身が市町村担当職員のヒヤリングを行ったとき「渇水時の融通はおこなっている。もっと臨機応変にやれるようになればよい」という話をきいています。私自身の考えでは河川法のなかに「渇水時には、各水利権者の間で融通しあうこととする」といった条文が入れば解決するものと思います(建設省は農水省にそのように言ったのでしょうが)。

 

(2)   本ダムのもう1つの目的は信濃川の治水ですが、150年に1度の洪水を対象としたこの計画は清津川ダム以外に合計治水用量2億立方メートルのダム群を建設することを前提としています。しかし、信濃川の上流である長野県では、田中知事が
「脱ダム宣言」を行っており、かつ国交省は新規大規模ダム計画の凍結を決めたことから、治水の全体計画自身がまったく現実味の無いものとなっています。新河川法は水系ごとの河川整備計画の作成にあたって学識経験者、関係市町村長の意見聴取を義務づけています(実際は流域委員会を設置し審議)。第2回専門委員会での委員の発言にもありましたが、実は、皆さんの専門委員会の前に、新河川法に基づく信濃川流域委員会の設置と信濃川河川整備計画の策定が先決されるべきことなのかもしれません。

     その上で、かついわれている治水効果(私達は水位低減効果、小千谷地点で16cmと認識)については、堤防強化、洪水防備林や放水路などの代替案で可能です。それこそが一昨年末、明治以来の治水思想を転換し「洪水と共存する治水」を打ち出した河川審議会の求めたものといえるでしょう。

 

(3)   このダムは、わが国有数の豊な自然が保存されている上信越高原国立公園の中に計画されています。「持続可能な発展」が国際公約となっている今日、絶滅危惧種に指定された数多くの動植物が存在するこの地の自然破壊が許されてはなりません。国立公園内で守れないものをどうして保護することができましょうか。改変区域には種の保存法で保存が義務付けられているイヌワシ、クマタカ等が生息しており、特にクマタカの営巣中心域そのものが改変予定地と一致しています。種の保存法によれば、環境アセスメントを待つまでもなく、中止すべき事業です。それがそうならないのは、主管官庁である環境省が国交省より弱い省庁であるからに他なりません。環境省は私達NGOの「猛禽類調査報告書を建設省から取り寄せよ」という要望にすら答えようとしていません。事実を知れば「そこではダメ」と言わなければならなくなるからです。貴専門委員会では「猛禽類調査報告書」の提出を求めるとともに種の保存法の実現のために徹底した審議をお願い致します。特に阿部教授には事務方の技術論に陥ることなく、法の精神を武器とした論陣を張ってくださることを期待いたします。

 

(4)   先にも述べましたが、97年河川法の改正により、河川整備にあたっては関係市町村長、住民の意見を聞くことが義務付けられました。こうした状況のなか、2001年3月、ダム予定の直下流自治体である中里村議会は全会一致で「清津川ダム反対」を決議し、村長も国、県に「清津川ダム反対」を訴えつづけているとい現実があります。もし、貴専門委員会が河川整備計画、流域委員会の設置を待たずに、清津川ダム計画の評価を出すとすれば当然にも中里村の意見が何らかの形で反映されるべきと考えます。

 

(5)   私は95年から99年まで県議会議員をやらせていただきましたが、県幹部の本音は「財政上の理由からは進めたくない」でした。平山知事の「深刻な財政状況にあり、問題がないとは言い切れない」との先の記者会見での発言も、積極推進である北陸整備局、自民党族議員に配慮した精一杯の抵抗とみるべきでしょう。

 

(6)   水没予定地域の地権者、住民51人が、「ダム計画反対」の意思を明確にしました。この地権者、住民の「反対」を前にして、本当に事業の推進はできるのでしょうか?これまで36年の長きわたって、地区住民を翻弄し、挙句これから先、何十年と反対運動の苦悩を強いることになるのでしょうか?そんなことが許されていいのでしょうか?

 

(7)   これまでの専門委員会の審議での整備局の説明で、あたかも一定の「見直し案」があるかのような言い方は問題です。「規模を縮小し、ダム提を上流に移動」という「見直し案」があるのならば(実際はあるようですが)、整備局は「見直し案」の1つとして、専門委員会に正式に提案すべきです。もし、整備局が「見直しも検討しているので、実施計画調査の継続の了解」という内容を専門委員会の結論として望んでいるとしたら、許されないことです。事業評価監視委員会は専門委員会に対し「見直し案も含め検討」を要請したのであり、「見直し案」自体が、専門委員会で充分検討されるべきです。その上で、「見直し案」(「規模を縮小し、ダム提を上流に移動」)については、仄聞する限り、「利水要望の激減」に対する一定の対応ということができても(代替可能)、治水、環境その他の根本問題になんら対応したものではありません。専門委員会にあっては、整備局に対し、正式な「見直し案」の提出を要求し、それに基づく審議を行うべきです。

 

(8)   専門委員会の位置づけについて。整備局がいう「実施計画調査の継続の可否を議論してもらっている」という表現は誤魔化しです。専門委員会は事業評価監視委員会から「計画の見直し検討」を求められ設置されました。この事業評価監視委員会は細川政権発足に伴う政治の流動化の中で生み出されたもので、実施要綱の目的には「事業等の再評価を行い、事業の継続に当たり、必要に応じその見直しを行うほか、事業の継続が適当と認められない場合には事業を休止、又は中止することとするものである。」と明記されています。また扇大臣も「専門委員会の結果を尊重する」と国会答弁しています。実質において、清津川ダム計画の中止如何は専門委員会の結論にかかっていることをご認識ください。

 

 

(9)   以上、述べさせていただきました。「ダムはムダ」との言葉もありますが日本全国にこれほど無駄であり、かつ建設根拠の弱いダムは他にありません。「聖域なき構造改革」をすすめる小泉政権下の状況にあって、是非ともこの「無駄」(事業費2500億円。実際はその3倍と言われている)が省けますよう、「無駄」事業のために取り返すことのできない自然が破壊されることのないよう、専門委員会の結論をお願い致します。

 

(私達「清津川ダムを考える会」のこのダム全体に対する考え方はHP 
http://www.h2.dion.ne.jp/~kio2/index.htm
 をご参照ください。

 

以上

野宿生活者の現状にご理解を  日報「窓」(12/11)掲載

武田貞彦(アルバイト)
亀田町

私たちが野宿生活者の支援をはじめてから4度目の冬を迎えます。長岡市の橋の下で野宿生活者が凍死したことが活動のきっかけでした。現在、新潟市と長岡市で活動をしていますが、2市だけで、60〜70名の方がおられます。

ホームレス問題は、仕事、家庭、病気などが複合的に絡み合った新たな社会問題です。政府も「ホームレス自立支援事業」を開始し、「自立支援特別措置法案」(仮称)の国会提出も検討されていますが、具体策はいまだ県内には及んでいません。私たちの活動は、(1)冬期間一日1食の炊き出し、定期的な食事会の開催。(2)健康・生活相談。毛布・衣類・洗面用具等の配布。(3)生活保護をはじめとした諸制度適応のためのサポート。(4)就業、仕事づくり。(5)諸施策改善に向けた市役所との話し合い。等々です。

人生には失敗は付き物です。失敗してもやり直せる社会は「豊かな社会」のバロメーターだと思います。野宿生活者がもう一度生活を立て直していくためには、社会的支援(人と人の相互扶助・社会福祉制度の享受)がどうしても必要です。関係行政機関、そして市民の皆様のご理解とご協力をお願い致します。