抗 議 文


日本最高裁判所 殿

21日、最高裁判所第二小法廷において河合伸一裁判長は、 南京大虐殺事件の真相を明らかにすることを拒み、 しかも無実の罪を着せられ名誉を傷つけられた東史郎氏、 及びその出版社青木書店を敗訴とし、賠償金50万円の支払いを命じた。 我々は、このような歴史の事実と公正な道理と正義を無視し、 公然と侵略と加害者の立場を頑固に堅持する日本の旧軍人を庇護し続けた、 白を黒と言いくるめる、物事の是非を混同する恥を知らないこの判決に対し、 最大の憤怒と強烈な譴責をここに表明する!

62年前、中国を侵略した日本軍が南京で行った大虐殺について、 歴史は早くから既に結論を出している。日本の最高裁判所として、 当然のことながら法の理念を堅持し、正義を拡張し、 法律の武器を用いてファシストに宣戦を布告して、 実際の行動をもって日本の国際的立場においての信用を確保し、 及び世界の平和を守らなくてはならなかった。

残念なことにあなた方は、天下の悪事を偽り、日本の地方裁判所、 高等裁判所から最高裁判所に至るまで、法の法理を蔑視し、証拠を無視した。 そして徹底的に、日本の司法制度が侵略者と加害者に加担したことを自ら暴露した。 また日本が歴史の真相を守ろうとする進歩的な勢力に圧力をかけ、血腥い歴史を、 極力覆い隠し、抹殺したことは、日本人の醜い歴史観を具体的に表明したものである。 白を黒と言いくるめる転倒した判決は、世界司法史上、 永遠に拭い去ることのないぶざまな一頁として記憶されるだろう。

東史郎氏の裁判は、8年間を費やした。 この間東史郎氏は幾度も誠実に受害者の中国人に懺悔し、 被害者の人民から寛大にも許され、尊敬を勝ち取られ得た。 たとえあなた方裁判所が今回の事件において、不当な判決を下そうとも、 南京の人民、中国人民、そして平和を愛する世界中の人民は、 終始東史郎さんを支持する。

我々は堅く信じている。 歴史を尊重する者は歴史から尊重され、歴史を否定する者は、歴史から否定される!

正義は必ず邪悪に勝利する!

                  侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館
                  南京侵華日軍南京大屠史研究会

2000年1月22日

 

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