BNFLの使用済み核燃料貯蔵プールB30では
被覆管が腐食し燃料が溶け出している



 昨年12月11日付毎日新聞に、「英核燃会社:核物質30年間放置 貯蔵プールに溶け出す」との記事が掲載された。この記事では、BNFLの使用済み核燃料貯蔵プールB30の安全性が、ヨーロッパで大問題となっていることを報じている。昨年9月、EUがこのプールに関する「安全情報が得られない」ことを理由に英国を欧州司法裁判所に提訴。12月には、EU高官が、燃料を覆う被覆管が腐食、内部のウランやプルトニウムが溶け出していると証言したという。
 この問題については、一昨年7月の英紙サンデー・ヘラルドが、同紙にリークされた内部報告書をもとに詳細に報道している。日本ではあまり知られていないため、翻訳して紹介する。その記事によれば、「汚れた30(dirty 30)」として知られている使用済み核燃料のプールB30は、1959年に作られたが、1970年代には燃料棒被覆管が腐食し始め、1992年に閉鎖された。その後も放置し続けた結果、プールには、使用済み核燃料から溶けだしたプルトニウムやウラン等、高濃度の放射能を帯びたスラッジが溜まっている。さらに、BNFLもプールのコンクリート壁の亀裂から、周辺に放射能が漏れ出していることを認めている。
 B30の安全性をめぐる問題は、BNFLの核廃棄物管理のずさんな実態をあらわすものである。この問題は、1970年代に核燃料が溶けだしていたにもかかわらず30年間放置し続けてきたというだけでなく、水中で保管された使用済み核燃料の場合、10数年で被覆管が腐食するという危険性を示している。また、六ヶ所の場合では、プールの不良溶接が既に大問題となった。B30の問題は、BNFLの問題だけではなく、六ヶ所の使用済み核燃料プールの安全性にも関わってくる問題を提起している。