ガラス固化試験の再開を認めたことに関する
抗  議  文


原子力安全・保安院長 薦田 康久 様

2008年10月9日
六ヶ所再処理工場のアクティブ試験を憂慮する全国の市民

 原子力政策「転換」議員懇談会の近藤正道議員に対する原子力安全・保安院からの説明では、同院は10月8日午後2時20分すぎまでに、六ヶ所再処理工場ガラス溶融炉におけるガラス流下停止の事故原因に関する日本原燃の最終報告を「妥当」と評価したという。原因が究明されないままの報告をあっさり「妥当」と認める評価もさることながら、以下に述べるように今回の非公開かつ尋常ではないプロセスに対しても、私たちは怒りを禁じえない。

 前日の10月7日午後3時30分、原子力政策「転換」議員懇談会から要請書を提出した際、原子力防災課の大橋班長は、原燃からまだ最終報告を受け取っていないと述べていた。7日の4時半から8日の午後にかけて、私たちは最終報告の提出の有無を問い合わせるために原子力防災課の電話を何度も鳴らしたが、全くつながらなかった。12時40分ごろにようやくつながったが、奥田課長は「まだ受け取っていない」と回答した。となると、保安院は12時40分以降に最終報告を受け取り、午後2時20分すぎまでのわずか1時間余りの間に「妥当」との判断を下したことになる。明らかに出来レース、でなければ手抜き審査というしかない。

 ガラス流下問題について、私たちはこれまで何度か保安院と話し合いの機会を持った。核燃料サイクル規制課の金城班長は、原燃の報告は中間的な状況報告にすぎないとし、詳しい説明を避けてきた。「我々も最終報告を待っているところだ」とくり返し述べていた。また、専門家の意見を聞いた上で判断するとし、保安院がこの問題をどう捉えているのか明らかにしなかった。原子力防災課の大橋班長は、"専門家"で構成される事故故障対策ワーキンググループ(WG)で審議することをにおわせ、非公開で行われているこのWGの公開性を高める検討をしているとまで述べていた。

 保安院は国民の安全を守る責任がある。私たちは、最終報告が当然WGにかけられ、その上で判断が下されると信じてきた。また、保安院は最終的な判断を下す前に、国会議員や市民の意見を聞く場を設けて当然であり、そうなるものと私たちは信じていた。しかしそれは今回、みごとに裏切られた。

 最終報告には、中間報告にはない中身、とくに重要な流下試験の結果なども盛り込まれている。事故故障対策WGが報告を受けたのは中間報告だけである。最終報告が原燃のホームページ上で公開されたのは、保安院が妥当と判断した後であった。最終報告に対する判断については、私たち市民はおろか、原子力問題に取り組む国会議員も、事故故障対策WGや核燃料サイクル安全小委員会の委員ですら蚊帳の外に置かれ、報告を読む暇さえ与えられなかった。まさに密室での、しかもわずか1時間余りでの決定である。一体どれだけの検討をしたというのか。

 東電トラブル隠しや臨界事故隠しに際し、透明性の確保や説明責任を声高に叫んでいたのは保安院ではなかったのか。私たちは原子力安全・保安院の無責任としか言いようがない決定と、なりふりかまわぬやり方に対し、強く抗議する。「妥当」とした判断を直ちに取り消すよう要求する。


呼びかけ団体
核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団/核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会/再処理工場について勉強する農業者の会/花とハーブの里/PEACE LAND/三陸の海を放射能から守る岩手の会/三陸・宮城の海を放射能から守る仙台の会(わかめの会)/グリーンピース・ジャパン/原子力資料情報室/原水爆禁止日本国民会議/ストップ・ザ・もんじゅ東京/日本消費者連盟/ふぇみん婦人民主クラブ/福島老朽原発を考える会/グリーン・アクション/美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)

(08/10/10UP)