7・18ドイツ強制労働補償基金
クリスティアーネ・レーさんを囲む集い




 7月18日(火) 東京しごとセンター・地下講堂において「レーさんを囲む集い」が、催されました。 

 レーさんは 1時間にわたる「ドイツの戦後処理プロセスと『財団』が果たした役割」と題した講演と質疑応答のなかで丁寧に「財団−基金」に至る歴史、財団の経緯、具体的な実態、内容について、その困難と現実を報告されました。

 小泉首相の靖国神社参拝を契機に日本と韓国・中国はじめアジアとの友好関係が暗礁に乗り上げ、戦後補償裁判においても、敗訴判決が相次いでいます。日本とアジアとの和解は大きな困難に直面しています。しかし、被害者が生きている間に解決することが、日本とアジアとの和解を実現する上で最も重要です。ドイツでは、2000年に政府と企業が共同出資する強制労働補償基金「記憶・責任・未来」を設立し、被害者への包括的な補償を実現しました。被害者が高齢化し解決が急がれる中、ドイツ基金設立のプロセス及びその役割を学ぶことには大きな意味があります。
 このたび、「記憶・責任・未来」財団代理評議員である弁護士のクリスティアーネ・レーさんが訪日することになり、「囲む集い」を開催しました。レーさんの講演からは実にたくさんの共感する内容と学ぶものがありました。質疑応答では、アメリカとドイツの間での「国際交渉」という外圧の問題、遺族を対象とすることの困難さ、記念碑・建造物を対象としなかった根拠、対象人数、法的安全性の問題など多くの質問が出、丁寧な回答をしていただきました。

クリスティアーネ・レー(Christiane Reeh)さんのプロフィール

1994年弁護士資格取得。97年から対独物的賠償請求ユダヤ人会議(JCC、いわゆるユダヤ人請求会議)で顧問活動。98年からユダヤ人補償相続人組織(JRSO)全権委員。98・99年JCCで強制労働・ナチ不正に関する国際交渉に関与。1999・2000年「記憶・責任・未来」財団設立法作成に従事。2001年から連邦財団「記憶・責任・未来」代理評議員。


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