
引き船道
ジェズス・ムンカダ/著
田澤佳子/訳
田澤耕/訳
1999年10月刊行
定価3500円+税
4-6上製・384頁
ISBN978-4-7738-9911-5 C0097
 植民地の喪失、内戦、フランコ独裁、近代化……19〜20世紀の波瀾万丈のスペイン近現代史をカタルーニャの片隅でひっそりと生きた村人たちの物語。	    
     【著者紹介】ジェズス・ムンカダ(ジェズス・ムンカダ)
Jesus Moncada (1941〜 ) スペイン、カタルーニャ
 地方のマキネンサ村で生まれる。最初はイラストレ
 ーターとして働いていたが、40歳の頃から小説を発
 表しはじめた。以後着実に作品を書き続けきている
 が、一九八八年に発表された『引き船道』は、カタ
 ルーニャの由緒あるジュアン・クラシェルス文学賞
 を受賞、これを契機に多くの外国語に翻訳された。
 現在ではカタルーニャ語で表現する文学者のなか
 で、世界的に最も注目される作家となっている。本
 書の舞台は、作家の故郷で、水没する以前のマキネ
 ンサ村。アラゴン山中に源を発するエブロ川に面す
 るこの地域に住む人びとの精神世界は、内陸民の閉
 鎖性にも海洋民の開放性にも偏しない、独特のもの
 となって形成されているが、本作品は19世紀から20
 世紀にかけての変転めまぐるしいスペイン/カタル
 ーニャを時代背景に、その村固有の精神史を語るこ
 とで世界的な普遍性に至った語り部的作品である。
【著者紹介】田澤佳子(タザワ ヨシコ)
1957年生まれ。翻訳、カタルーニャ文化の紹介に従
 事。1996〜98年カタルーニャ自治政府文化普及コン
 ソーシアム日本代表。
【著者紹介】田澤耕(タザワ コウ)
1953年生まれ。現在、法政大学国際文化学部助教
 授。カタルーニャ語・文化専攻。著書:『カタルー
 ニャ50のQ&A』(新潮社)、『カタルーニャ語文
 法入門』(大学書林)訳書:『バルセロナ・ストー
 リーズ』(水声社)、『バルセロナ』(新潮社)

 
        


