現代企画室

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遠藤利克—聖性の考古学

遠藤利克/著
2017年9月刊行
定価3000円+税
A4変並製・242頁
ISBN978-4-7738-1716-4 C0070

そう、人は昔から知っていた。エロス的結合の究極において世界は発火し、恍惚と畏れがないまぜになって発現する聖域を。(―遠藤利克「火について」より)

遠藤利克は、「もの派」以降における日本の現代美術を代表する彫刻家です。1960­–70年代に芸術の根源をラディカルに問い直したミニマリズム、コンセプチュアリ ズム、「もの派」などの成果を批判的に受け止めつつ、遠藤はそれらの地平を乗り越えるべく1980年代に現代美術のシーンに登場し、以後、ドクメンタ、ヴェネツィア・ビエンナーレなどの国際展にも参加するなど、現在に至るまで精力的に活躍を続けています。

本書は、遠藤の現在と本質を提示するために、埼玉県立近代美術館で企画された「遠藤利克展-聖性の考古学」の図録であり、1974年から2017年にいたるまで、40年以上制作を続けてきた遠藤の主要な作品、約500点の図版を収録したカタログレゾネです。

【著者紹介】遠藤利克(エンドウトシカツ)

1950年岐阜県高山市生まれ。1970 年代より焼成した木、水、土、金属などを用い、〈円環〉、〈空洞性〉等を造形の核とし作品を発表。1980年代には、ドクメンタやヴェネツィア・ビエンナーレにも出品、北欧と英国で巡回展を行うなど、日本を代表する彫刻家として、国際的にも高く評価されている。2007年文化庁芸術選奨文部科学大臣賞、2009年第5回円空賞を受賞。現在、武蔵野美術大学彫刻学科客員教授。