現代企画室

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吟遊詩人

アントニオ・ガルシア=グティエレス/著
稲本健二/訳
2017年8月刊行
定価2400円+税
4-6上製・140頁
ISBN978-4-7738-1715-7 C0097

1836年、23歳で執筆した『吟遊詩人』、スペインで初演。
1853年、ヴェルディがオペラ化し、ローマのアポロ劇場で『イル・トロヴァーレ』(吟遊詩人)として公演、大成功を収める。
スペインのロマン主義演劇を、世界の最前線に押し出した名作。

【著者紹介】アントニオ・ガルシア=グティエレス(アントニオ ガルシア グティエレス)

スペインの劇作家。ロマン主義演劇の中心的存在。カディス県のチクラーナという町に生まれ、最初は郷里で医学の道を志すが、天分は演劇にあると悟り、20歳で首都マドリードへ移住する。雑誌の編集に携わりながら、23歳のときに書いた『吟遊詩人』(1836)が大成功を収め、文壇に不動の地位を得た。初めて上演された戯曲が出世作であり代表作であるという希有な作家。以後も戯曲を発表し続けたが、『吟遊詩人』ほどの評価は得られなかった。また、サルスエラと呼ばれるスペイン版オペレッタの台本も手がけた。後年はアメリカへ渡ったり、外交官としてヨーロッパの地を移り住んだりもしたが、スペインへ戻ってからは考古学博物館や国立図書館の館長に任命され、最終的にはスペイン王立言語アカでミアの会員に選ばれた。他にも特筆すべき作品としては、ジェノヴァ公爵に反旗を翻すべく陰謀を企んだ人物を描く『シモン・ボカネグラ』(1843)、カタルーニャを舞台にした活劇『カタルーニャの報復』(1864)、16 世紀に起きたヘルマニアスの乱の首謀者を主人公にした『フアン・ロレンソ』(1865)などがある。イタリアの作 曲家ヴェルディ(1813¬–1901)は1853年に『吟遊詩人』を、1857 年に『シモン・ボカネグラ』をオペラ化している。