現代企画室

お問い合わせ
  • twitter
  • facebook

最後の庭の息子たち

ボリビア・ウカマウ集団/製作
ホルヘ・サンヒネス/監督・脚本
太田 昌国/解説
2014年5月刊行
定価3500円+税
DVD
ISBN978-4-7738-1412-5 C0874

ボリビア映画、2003年、97分。経済危機の只中で民衆生活の困窮は深まる一方、私服を肥やす政治家は絶えない。怒りを感じた青年たちは一政治家の家から大金を盗み、義賊を気取って先住民の村に送り届けるのだが……。確たる展望もないままに、あてどなく浮遊する青春群像を描く。『落盤』(1965年)を同時収録。

【著者紹介】ボリビア・ウカマウ集団

南米ボリビアで1960年代半ばから映画製作・上映活動を始めたグループ。ボリビアの住民の60%強を占めておりながら、植民地期以来一貫して最下層で差別されてきた先住民族の主権を回復することが、白人やメスティソ(混血)の自己回復(疎外からの解放)を含めた社会全体の変革のためには必要だとの立場から、独自の製作活動を続けてきている。初期の作品以来、ゴダールらのヨーロッパの作家にも大きな衝撃を与えてきた。集団的創造、伝統的な映画文法の解体など、その方法論も注目されている。

【著者紹介】ホルヘ・サンヒネス

1936年ラパスに生まれる。チリで映画理論と技術を学ぶ。1980年以来、そのすべての作品(長篇10作+短篇2作)が日本で自主上映されているという、稀な映画作家。2000年に来日し、各地の熱心なフアンとの講演+交流会を開いた。その映画理論や日本の支援グループとの協働作業の様子は、太田昌国=編『アンデスで先住民の映画を撮る』(現代企画室、2000年)に詳しい。