現代企画室

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地下の民

ボリビア・ウカマウ集団/製作
ホルヘ・サンヒネス/監督・脚本
太田 昌国/解説
2014年5月刊行
定価3500円+税
DVD
ISBN978-4-7738-1410-1 C0874

ボリビア映画、1989年、126分。首都での生活を打ち切り、異形な仮面を背負って生まれ故郷への孤独な旅を続ける男。他方、軍事クーデタ阻止の拠点=鉱山地帯へこぞって駆けつける故郷の妻や農民たち。アンデスの民俗的伝統や神話的な世界を背景に描かれた一先住民の死と再生の物語。

【著者紹介】ボリビア・ウカマウ集団

南米ボリビアで1960年代半ばから映画製作・上映活動を始めたグループ。ボリビアの住民の60%強を占めておりながら、植民地期以来一貫して最下層で差別されてきた先住民族の主権を回復することが、白人やメスティソ(混血)の自己回復(疎外からの解放)を含めた社会全体の変革のためには必要だとの立場から、独自の製作活動を続けてきている。初期の作品以来、ゴダールらのヨーロッパの作家にも大きな衝撃を与えてきた。集団的創造、伝統的な映画文法の解体など、その方法論も注目されている。

【著者紹介】ホルヘ・サンヒネス

1936年ラパスに生まれる。チリで映画理論と技術を学ぶ。1980年以来、そのすべての作品(長篇10作+短篇2作)が日本で自主上映されているという、稀な映画作家。2000年に来日し、各地の熱心なフアンとの講演+交流会を開いた。その映画理論や日本の支援グループとの協働作業の様子は、太田昌国=編『アンデスで先住民の映画を撮る』(現代企画室、2000年)に詳しい。